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【卓球のサステナビリティを考える】国際卓球連盟ペトラ・ゾーリング会長がバタフライ卓球道場とラケット・ラバー工場を訪問
2024年1月24日、ITTF(国際卓球連盟)ペトラ・ゾーリング会長とコーディネーターのアニータ・ウルマン氏、サステナビリティ部門長のカリン・テオ氏が、東京都杉並区にあるバタフライ本社と埼玉県所沢市にあるバタフライ・テックを訪問してくださいました。
本社と卓球道場にて
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本社では、1階にあるデモンストレーションルームを見学したほか、隣接するバタフライ卓球道場の見学を行いました。
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バタフライ卓球道場では、地下の卓球フロアを視察したペトラ・ゾーリング会長。「競技を行う上で十分な高さの天井が備わっているうえ、卓球をするために十分な明るさ。最適な環境が整っていて、プロフェッショナルな施設ですね」と道場についてのコメントをいただきました。
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また、卓球道場の地上2階部分にある国内外の選手が使用する宿泊施設を見学。「他の体育館であれば、ホテルとの行き来をしなければならないが、バタフライ卓球道場は宿泊施設と卓球場がセットになっているため、より効率的に練習に励むことができる点が素晴らしい」ですね、と太鼓判を押していただきました!
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その後、大澤とペトラ・ゾーリング会長ご一行はハイヤーに乗り込み、約1時間半かけて、バタフライ・テック(所沢事業所)に到着。ラバー生産部と研究開発部の取締役である佐藤亮と研究開発部 基礎研究課長の臼井信悟が歓迎しました。
ラバー工場へ
到着後、佐藤の案内でラバー工場を視察。タイトなスケジュールのため、すべての工程をご案内することは叶いませんでしたが、目視で1枚1枚のスポンジやシートをすべて検品する様子や、チームでラバーを打ち抜き、包装していく工程に興味を持っていただけたようです。
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興味深く見てくださっています。
サステナビリティ部門長をつとめるカリン・テオ氏は、ラバー包装のプラスチック素材が一番気になった様子。「この工程が省けて、プラスチック素材の使用がなくなればパーフェクトですね」というコメントに対し、「今後の計画として脱プラスチック包装の構想は始まっています。一番は性能と品質を担保しつつ、お客さまにとって扱いやすく魅力的なものにしたいと考えています」と佐藤が回答。ペトラ・ゾーリング会長も「全世界に向けて出荷しているバタフライの工場でこのように緻密に生産され、出荷管理されていることに感銘を受けた」とおっしゃっていました。
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製品の出荷管理にまで目を向けていただけました。
ラケット工場へ
続いて視察に向かったラケット工場では、ラケット生産部ブレード加工課の施宇哲が案内しました。大きな材料をA4サイズほどに裁断し、全数目視で検品する工程からスタート。
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最後の包装に至るまで、製品に使用できないと判断された材料や、長方形の合板や単板をラケット型にくり抜く製造プロセスで生まれるグリップ脇の端材に興味を持ったご様子。
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「世界で卓球が普及する裏側には、このような素晴らしい製造プロセスとともにみんなで取り組むべき課題もありますね」とペトラ・ゾーリング会長。
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サステナブルな卓球用具と製造
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工場見学後には日本茶と和菓子を楽しんでいただきながら、ラケット生産部で昨年取り組んだ森林エコツアー、その後の林業支援や廃材活用に関してのプレゼンテーションをご覧いただきました。
エコツアー後から取り組み始めた、多摩産材の活用。多摩産材の成長途中で「枝打ち」という工程で落とされた枝を活かせないかと、特別にグリップ材にしたラケットのプロトタイプも手に取っていただき、天然素材ならではの木目の美しさと触り心地を感じていただけました。
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今回の訪問の総括として「バタフライは卓球用具の製造のみならず、世界中で取り組もうとしている社会課題にすでに取り組んでおり、最先端を行っていることがわかりました。私たちもこのような取り組みを知らせたり、より卓球の持続可能性を高めていきたいです」とペトラ・ゾーリング会長。カリン・テオ氏からも「ちょうど数日前にバタフライのCSRサイトを閲覧しました。今回実際に工場を見学したり、詳しくお話を伺えたことがうれしく思います。バタフライ全体としてこのような取り組みをしているところが評価できると考えています。ITTFもこのような活動を支援し、この取り組みが循環していけば」とお言葉をいただきました。
最後に、ラケット生産部と総務部の取締役である服部淳より、ITTFの皆さまへギフトをお渡ししました。内容は皆さんそれぞれのお顔が印刷された合板バインダーや単板ペンの端材を使ったマグネット。ビックリしながらも気に入っていただけた様子でした。
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「冷蔵庫に貼ろうかしら」と話すペトラ・ゾーリング会長
ペトラ氏からも大澤とアテンドを担当した研究開発部の寺村大輝へITTFのバッジやネクタイなどのグッズをいただきました。
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1時間半という短い時間でしたが、卓球というスポーツの未来を用具の観点から考える時間をバタフライとITTFで共有できたのではないでしょうか。「また、来月の世界卓球選手権釜山大会でお会いしましょう!」と約束を交わし、帰路につかれました。
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