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インドガールとのお寺デートと人の善意

前回までのあらすじ
 デリー駅で切符売り場を探していた僕に、救いの手を差し伸べてくれたインドガール。彼女の手助けもあり、やっとこさ切符を買えたるふらんだったが、なぜかそのままテンポー(寺院)に行くことに。どんどん彼女への警戒心が強くなる中、なんと彼女は電車の乗り方も良く分かっていなかった…

 電車内でのテンポーガール、しどろもどろになります。
電車内にも、ヒンディー語と英語で路線図は示されているけど、なぜかそれを見ても釈然とせず、他の乗客に「これどっち行きですか?」って聞いて、ようやく逆方向の電車に乗っていたことを確認したテンポーガール。次の駅で降りて、今度こそカシミリ・ゲート方面の電車に乗ります。……

 この一連の流れ、日本帰ってきて半年が経つ今でも、よく分かんない。
なぜ駅で出会った人が、電車の乗り方を知らないという事象が発生するのかが。なんででしょう。

 その時の僕は、小者だったので内心、苛立ちまくってました。彼女を全く信頼できない。僕は、どうやって二つ目の寺院に行くのを回避するか、頭を張り巡らせていました。あんまり僕が不機嫌なもんで、彼女も「Why are you angry?」とか聞いてきて、僕はこれまた不機嫌に「I'm not angry.」とか言って、最悪のギスギス感で電車でのひと時を過ごしたのでした。

 そうこうしてるうちに着いたカシミリ・ゲート駅。僕の泊っている安ホステルまで行き、ルームメイトと夜ご飯を食べるという体で、ベット下の金庫のお金を取りに行くことに。彼女には、外で待っててもらいました。

7,8分で夜ご飯を食べたという体で、代替してもらったチケット代を持って降りた僕。テンポーガールは、「あれ、思ったより早かったね」みたいな感じで、「じゃ、次の寺行くよ」と早くも歩き出しました。
「それよりも、今チケット代返すよ。」「いいよいいよ、全部終わったらくれれば。」またもや、返すタイミングを逃したオレ、、、もう宿の場所も割れてるため、逃げることもできません。あきらめて、いざという時のために、昔師匠に施されたノッキングを解除しておきます、、、いやー、これは最後の手段にしておきたかった。かつて暴獣と呼ばれた獣じゃ、、、!!!っていう頭痛構文は置いといて、やっぱりみんなで見ようトリコ。マンガBANGで10月9日まで1日8話見られるから。マジで面白さだけなら少年マンガ随一だと思ってるんだよね。

 次に向かった寺院は、「インド最大の繁華街」の一つ、チャンドニーチョーク駅の「グルドゥワラ・シス・ガンジ・サビブ」でした。寺はともかく、デリー行くならチャンドニーチョークは外せない。僕は2週間のインド滞在で、チャンドニーチョークに4回行ったんですけど、「ザ・インド」って感じで、人はごった返してるし、街並みはどこまでもインドだし、犬に牛に猿に動物大集合してるし、日本人が歩いていると「どっから来たん?OH!ジャパン!!一緒に写真とろうぜ~」って元気なニーチャンに声かけられたり、(デリーだけでなく、インドの色んな場所で写真撮って!って言われました。特に多かったのがインドールって都市で、そこら外で遊んでる男たち30人ぐらいが集まってきてみんなで写真撮ったり、「娘が写真撮りたいって言ってるんだけど、いいかな?」ってその子のお父さんに言われて家族+おれで撮ったり、ちょっとした有名人気分でうれしかった。お金が絡まないことに関しては、インドの人はホント親切です。)

後日また2個目の寺に行ったら、無料でカレーとチャパティ食い放題やってた。インドで餓死しそうな人は是非

 寺の感想はどうでもいいとして、無事に2つ目も見終わり、今度こそ、これで終わり、、、、、ですよね??????まさか、これからまたどっか行くことはないですよね?????僕、電車での移動中に、観光客がインドであった被害例とかを調べて、中には怖い大人が出てきて身包み剥がされたとか、暴力被害にあったとかあって、不安度マックスなんだけど。

「じゃあ、今日はここまでにしまして、僕はこれで帰ろうと思いますがいかかでしょうか」
「最後に、もう一度最初に行ったテンポーに戻るよ、あなたも私も、そこで荷物を預けていたじゃん。」
「あ!」
そうだった、1個目に行ったコンノートプレイス付近のテンポーで、荷物を預けていたんだっけ、途中からアツくなっててすっかり忘れてた。大事なものは全部宿に残してたから、大したことない荷物をビニール袋に入れてただけだったけど(今となってはなに入れてたか忘れた)、もう一度、最初の寺に戻ることに。

 デリー駅まで行って、もう一度リキシャに乗ったんですけど、夜ということもあってめちゃくちゃ混んでまして、リキシャの運転手との値段交渉もかなり難航。僕は、彼女を後ろから観察して、運転手とグルじゃないか観察してたんですけど、明らかに口論になった後に安く乗せてくれたんで、これなら大丈夫かと思って、ちゃんと寺院の前まで150ルピーで送ってくれました。

 最初の寺に戻り、無事荷物も返してもらって、ついに別れの時、、、
このままお金返さなくていいんじゃないかと淡い期待を打ち砕く、「じゃ、お金についてなんだけど」という寺女の一言。ここから、ぼったくりに対する長い口論の後に怖い人登場で逃走中スタートか、と思いきや、、、、
「立て替えた寝台列車のチケット代と、リキシャの代金半分くれればいいよ」
え!!!!!!!!!それだけ!!!?
特にガイド料を要求されることもなく、払ってくれてた分のお金だけでいいらしいぞ!!!あんたホントにインド人なのか!!?
僕はお金を払い、彼女と握手をして、感謝と別れを告げ、そのままカシミリ・ゲート駅の宿にまで帰ったのでした。。

テンポーガールさん、

疑って本当に申し訳ありませんでした!!!!!!!!!

以上が、僕のインドでの3代謎エピソードの内の一つである、「テンポーガールと寺デート」である。3つの文章に分けて書いたし、2とこの文章の間にちょっと期間が空いてしまった。
今となっては、彼女は、「本当はお金を騙し取ろうとしていたけど不発に終わった」のか、「観光客にヒンドゥー教と寺院の魅力を広めたい」のか、何が真意なのかは分からん。僕としては、彼女のおかげで寝台列車チケットを買えて、寺を回れて、何より、楽しい思い出が1つ増えたため、万事OKである。
どーしても、別れるまで彼女への疑念を払うことが出来ず、若干冷たく対応してしまったのが唯一の後悔だ。今度会ったら、あんときはありがとーって言うわ。


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