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大学復帰して2週間

10月に入り、後期の授業が始まった。
研究室にも配属された。
あんなに嫌いで嫌いで、ストレス源でしかなかった大学。今年の前期は4回しか登校しなかった。大量に単位を落とした。そんなのかまうもんかと思っていた。僕は退学するのだろうと思った。だから、途中で社会に放り出されても生きていけるように、稼ぐスキルを身につけようと思った。あれだこれだ、動画編集だ、アフィリエイトだ、チームを作ってゲーム開発だ、と色々やろうとしてみた。そんなこんなで、約半年が経とうとしていた。夏休みもとっくに後半戦になっていて、気づけば退学届けも、休学届けも提出期限ギリギリになっていた。
大学を辞めるだけで、人生ハードモードになりすぎじゃね?
結局、僕は大学に復帰することにした。
足がすくんだ。今社会に出てもやっていける方法を探る内、それが簡単じゃないことにどんどん気づいていった。所詮は絵空事に近かった。事業が軌道に乗るまでは、明日生活していくために大量の時間をバイトに割かないといけない。そこに体力気力を飲まれて、大学中退のフリーターになるのがオチだったら、笑えない。人生では、何度か大きな大きな決断をするときは来る。ただ、リスクのデカすぎる、しかも負ける可能性のでかい戦場に行くことは勇敢でもなんでもない。
結局、大学のモラトリアム機関としての完成度の高さを感じることになった。
それなら、卒業までの期間で、目一杯スキルを磨こうではないか。授業、研究室、就活、バイト、そして卒論。これらの時間的障壁をかいくぐりながら、スキルを磨く。もちろん、大学の中で学べる事、生かせることは何でも使う。相変わらず、学科の専門的知識を身につけることに関しては、単位を取る以外の意味を見出せないけど、「意味を感じないことにしっかり取り組む力」は身につくはずだ。卒業まで、あと1年と半分。なんだかんだ社会のレールに戻ってきたのかもしれないけれど、ただただ、レールから外れることを無条件に良しとして、しょうもない奇行に走っていただけの自分とは違う。

 怖くなる。自分がつまらない存在になったのではないかと。前より、少し真面目になった自分にそう思う。前より窮屈な生き方をしていないか。社会の常識を受け入れていないかと。だから、今は少し我慢の時期だ。逆に、何でも好きなことして、気楽に自由にやってるだけじゃ、絶対に得られないものがあると信じて、とりあえず、大学に復帰してみる。

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