三色のマフラー
京都の蹴上あたりで、出会った杭です。
寒い朝、赤いマフラーが似合っていました。
でもよく見ると、邪悪な目をしていました。口元も歪んでいて、
何か呪いの言葉をつぶやいていたかも…。危ないところでした。
黄色いマフラーの彼に出会ったのも京都。
三条あたりの繁華街の植え込みでした。
くず入れの隣だけれど、椿の花を背負って小粋なお兄さんでした。
鼻のピアスもこなれていて、伊達男とはこういうものかと感心しました。
緑のマフラーが似合っていたのは、東京の向島あたりのこの人。
くたびれているけど、笑顔は明るい。
でも再び会いに行った時には、もうここにはいませんでした。
「これは撤去」という印が、あの黒い目元だったのかもしれません。
赤！ 黄色！ 緑！
今思えば、三本の杭はヒーロー戦隊だったのかもしれません。
解散して別の道。でもマフラーはそれぞれに大事にしていたのでしょう。
２０１３年の冬の思い出です。
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