人生初受賞
この間、会社の朝礼後にスマホのマナーモードをオフにしようと取り出した時、Gメールが届いているのが見えた。
私の描いたエッセイ漫画が、コミチの『ガチコメ賞』を受賞したというお知らせだった。
ガチコメ賞とは…
「ガチ編集」機能を利用したマンガの中から、各先生方に 最も"響いた"マンガ を毎月発表!
コミチ上に投稿された、編集者のコメントを希望している作品に、月に一回送られる賞。
というもの。
各先生方とは東西サキ先生、深谷陽先生、樹崎聖先生、こしのりょう先生、といった豪華な面々。
私は東西サキ先生賞をいただいた。
思えば昨年の9月、東西先生の「持込・進路先相談」を思い切って受け、たくさんのアドバイスをいただき、勢いそのままにコルクラボマンガ専科に応募した。
そのマンガ専科で学んだことを生かしたエッセイ漫画で、東西先生の賞をもらえるだなんて。
ご縁というものは、本当にどこに繋がるかわからない。
受賞したのはTwitterで2000いいね400RTという、私にとって初快挙を成し遂げた、あのオンライントーク会漫画。
正直、第一話を描いたときは受賞するなんて思わなかった。
むしろ「せっかく面白い題材なのに、いつものエッセイとあんまり変わらないテンションになってしまったな」と反省したくらいだ。
このまま緩やかに日々を綴り、推しに会って幸せいっぱい、じゃあこれからも推し活頑張るね。という風な毒にも薬にもならないラストが目に見えていた。
それが、あのハプニング。まさかのオチ。
現実をそのまま描く、エッセイの醍醐味とも言える。
通信が切れたあの瞬間は、もう生きていけないくらい辛かったけど、「これでいいオチになった」と苦笑する自分もいた。
そして、最終話を描き切った時も、「これは、結構読んでもらえるかもしれない」と直感していた。
最悪の経験だけど、漫画のネタとしては実にいい経験だった。
あのオチあってこその、受賞ではないかと思っている。
受賞を知った場所が場所なだけに、飛び跳ねたり歓喜の声を上げることができなかったことは残念だったが、それでも気分は最高にウキウキしていた。
何か大きな頼まれごとをしても、二つ返事で引き受けてしまうほどには、浮かれていた。
なんせ、人生初受賞。賞の規格云々よりも、マンガで賞をもらえたという事実だけが、ただただ嬉しい。
プチバズりを経験して以来、以前のような気軽な1pエッセイではなく、少し感情を込めた長い物を作るようになった。
おかげで更新頻度が減ってしまったが、今回ガチコメ賞までもらえたので、私はますます「今後は自分を曝け出すような漫画を描いていこう」と、意気込んでいる。
階段を一段ずつ登っていっていることを信じて、これからも弛まぬ努力を続けていきたい。