pramoが残したものとは
9月に放送した「秋田アイドルの開拓者 pramoの足跡を辿る!」という特集が、嬉しいことに周囲からとても良い評価を得ています。
活動休止から2年近く経ったグループを、あえてこの時期に特集することにどんな意味があったのか、せっかくなので、pramoの元メンバーの声を引用しながら、彼女たち辿った道を振り返っていきたいと思います。
pramoとは、
pramoは、「地元愛」をコンセプトにしたアイドルグループで、東日本大震災の直後、2011年の4月から2018年末まで、およそ8年間、秋田を拠点に活動していました。
初期メンバーは、SONOKA、MIYU、SEREN、MAYU、KOMUGIの5人でしたが、グループには高校3年生までの女子というルールがあったため、順次入れ替わりがあり、2018年の活動休止までに18人のメンバーがpramoとしてステージに上がってきました。
pramoのメンバー遍歴
当時、negiccoやりんご娘などのご当地アイドルが、既に全国各地で活動していたことを考えると、秋田美人のブランドを持つこの土地にアイドルグループが誕生するにしては、少し遅すぎたと言えるのかもしれません。
pramoとタマリバ
pramoとタマリバが関わりを持ったのは、2015年9月のことでした。
秋田市文化会館で開催されたライブ「私立恵比寿中学秋田分校 はじめての学芸会!」にコラボゲストとしてpramoが登場し、タマリバの準レギュラーだったエビ中の小林歌穂さんと一緒に「Peaceful world 〜秋田の戦士きりたんぽ〜」を披露しました。
エビ中は、既にMステへの出演も果たしていた全国区のアイドルでもあり、他のグループとコラボすることが少ないグループだった為、地元のpramonista(pramoファンの総称)の間では、pramoがエビ中ファミリーに好意的に受け入れられるのかを不安視する声もありました。
しかし、そんな心配を他所に、pramoのメンバーは堂々としたパフォーマンスを披露。エビ中ファミリーの皆さんも初見の曲にコールを乗せるなど、温かく迎え入れてくれました。
以降、pramoは、2018年まで4年連続で秋田分校へ出演。秋田分校には欠かせない存在になっていったのです。
タマリバとpramoの繋がりで言うともうひとつ。メンバーのKOMUGIちゃんが、pramo卒業後の2017年10月からタマリバの初代Twitter担当として番組の一員に加わってくれました。
東京での芸能活動が忙しくなった為、半年ほどで番組を卒業した小麦ちゃんでしたが、その後も交流は続いていました。
実を言うと、今回pramoの特集をしようと思った理由のひとつに、小麦ちゃんの活動を応援したい!という思いがあったんです。
pramo後の活動
ソロになってからは、秋本小麦として、東京の事務所に所属し、ミュージカルの舞台やshowroomなどを中心に活動してきました。稽古の準備期間が少ない舞台の仕事に挑むときにpramo時代の経験が役に立ったと話しています。
pramo は学業優先で、イベントによってはメンバーの数が少なくなることもありました。そうなると、その度に歌割りやダンスのフォーメーションを新たに覚えなくちゃならなくて、そのおかげで、記憶力というか対応力が鍛えられましたね。
pramoの活動後に何らかの芸能活動をしたというメンバーはおよそ半数。元々そういう世界に憧れを持ちながらも、小学生や中学生で県外に出るのはちょっと怖いと感じている人も多く、pramoはそんな少女たちが地元にいながらにして一歩を踏み出すきっかけにもなっていたのです。
アイドルとしてのステップアップ
小麦ちゃんとは同期で、まゆドットこむ〜カミネンズ〜というユニットも組んでいたMAYUちゃんは、pramo卒業後に、アップアップガールズ(2)のオーディションを勝ち上がり、現在は中心メンバーとして活躍しています。
友達のお母さんに声をかけられたからという軽い気持ちでオーディションに参加したというMAYUちゃんは、当初、アイドルに全く興味がなかったんだそうです。しかし、pramoの活動を経て、アイドルとして更に大きなステージを目指すようになりました。
貴重な学生時代を全てpramo の活動に費やしてきので、pramo は私の青春です。
吉川茉優としてアイドル活動を続ける彼女の他にも、現在ラストアイドルとして活躍するMISAKIちゃん(木村美咲)やAKB48Team8に所属していたRIRUちゃん(布谷梨琉)など、pramoの活動から次のステージへとステップアップするメンバーも続々と現れてきました。
地元秋田で
一方で、拠点をそのまま秋田に残してタレント活動を続けるメンバーもいます。
現在は品川香穂として、ブラウブリッツ秋田の応援女子マネージャーを務めるKAHOちゃんは、今回の特集でも彼女らしい無邪気な一面を見せてくれました。
pramo時代、ライブをしている時が一番楽しかったです。コールを受けているその瞬間に「私を見て!」って感じで、フフフフフ。
pramoのメンバーの中でも、独自の明るさを持っていたというナチュラルボーンアイドルなKAHOちゃんも、pramoの活動を振り返ると、得るものがあったと話してくれました。
pramo 時代は大人と接することが多かったので、自然と言葉遣いやそういった態度が身についていましたね。そこが一番変わったところだと思います。
ただ歌を歌ってダンスをするだけでなく、pramo としての活動自体が、10代の彼女たちにとって社会を経験する場にもなっていたんです。
今回、スペシャルゲストとしてスタジオに来てくれたYUUKAちゃんも現在は、澤井優香として秋田でテレビやラジオ、CMの仕事などに励んでいます。
pramo 時代に、ステージから落っこちて、お客さんの前でV字飛行を晒したという恥ずかしい思い出を披露してくれたサービス精神満点のゆうきゃん。放送では先輩メンバーとのエピソードも語ってくれました。
加入したばっかりの頃、私が全然練習しないでライブに来た時があって、MAYUちゃんにバッキバキに怒られたんですよね。でも、そういうのがあったから、今でもMAYUちゃんが秋田に帰ってきたら一緒にごはんにいったりする仲になれたんだと思います。
今はpramoの後輩、MAYUMIちゃんともCM共演するゆうきゃん。カメラの前でも動じない堂々とした振る舞いは、pramoの歴史を受け継いできたというその経験からきているのかもしれません。
伝えたかった思い
もちろん、元メンバーの中には芸能活動をせずに、学生や社会人として普通に暮らしている人たちもいます。中には既に結婚をしている元メンバーもいるのだとか。8年という時代の流れを感じさせられますよね。
4代目リーダーとして、2018年の活動休止までグループを引っ張ってきたAYAKAちゃんは、都内の大学に通う大学1年生。今は、芸能活動はしていません。
元々恥ずかしがりやだったAYAKAちゃん、加入当時はラジオ番組でも全く話すことが出来なかったんだとか。しかし、先輩たちが卒業し、自らがリーダーとして活動することで、積極性も身につき、大きな自信を掴むことが出来ました。
正直、pramoの活動は大変で、とにかく必死でした。でもそれが、自分を変えるきっかけになったし、成長にも繋がりました。今振り返ると、本当にいい思い出です。
もしpramoに入っていなかったら、大学進学も考えていなかったかもしれないと語るAYAKAちゃん。努力する姿勢を学んだのもpramoの現場でした。
ラストライブ以来、初めてのメディア出演となったAYAKAちゃん。特集の最後に今まで伝えられなかったファンへの感謝の気持ちを語ってくれました。
ラストライブのアンコールの時に、ステージに出たら客席が私のメンバーカラー1色になっていたんです。卒業ライブでその景色を見るのが私のアイドルとしての夢だったんですけど、卒業前に活動休止を迎えてしまったので、無理だろうなぁと諦めてたんですよね。だから、その瞬間は本当に感激して、何も伝えてなかったのにそれを叶えてくれたpramoのファンは本当に最高だなと思いました。
pramoが残したもの
今回、スタジオや電話、コメントで出演してくれた元メンバー5人。特に何かの意図を持って選んだ訳ではなかったのですが、偶然にも、この5人だけで活動していた時期が1ヶ月だけ存在したということに放送後に気がつきました。
アイドル不毛地帯だった秋田に突如として現れたpramo。ファンに癒しと笑顔を与えてくれたのはもちろんのこと、活動していたメンバーの中にも沢山の思いと経験を残してくれていました。
活動休止と共に、ひとつの時代に区切りがついたのかもしれませんが、pramoのDNAは今もなお、それぞれの心の中に生き続けています。
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