つみぼん 404ページ誕生物語 ーSpecial thanks to 渡邉康太郎さん
私は、世の中の404ページを見るのが大好きだ。
滅多に表示されないのに、いや、イレギュラーな事態に表示されるからこそ、目を引くような面白い404ページを置いているサイトがたくさんある。
ページにアクセスできなかったときに、単調なテキストでポツンと「エラーです」とだけ表示されたら、なんだかめげるもんね。
単調なエラーページも、それはそれで趣深くて良いのだけれども。
そんなわけで、つみぼんでも404ページはちゃんと用意することにした。
起こり
404ページを作りたいけど、デザイン素人なので、おしゃれな感じにもかっこいい感じにもできない。できることといえば、メッセージを伝えることくらいだ。ならばメッセージを考えよう。
404エラーというのは、あるURLにアクセスしようとしたものの、そのページが存在していない場合に表示されるものだ。ということは、当事者からすると「あると思っていたのに、どこかに行ってしまった」という感覚だろう。この感覚が伝わるメッセージが良い。
そんなことを考えていたとき、ちょうどpodcast 超相対性理論の配信があった。
「今あなたを揺るがす、この一冊」というシリーズで、荒木さん、深井さん、渡邉さんが各々に、相手が普段読まなさそうで、かつ、興味を持ちそうな本を紹介し合う回だ。
シリーズ第1回では、荒木さんから深井さんへ「大聖堂」という本が紹介された。第2回では、深井さんから渡邉さんへ「情報の歴史21」という本が紹介された。
この流れから、一人一冊紹介する感じかなと思い、油断していた。
油断
そう、油断していた。
シリーズ第3回。渡邉さんから荒木さんに本を紹介するターンだ。
番組開始早々、渡邉ワールドが展開される。渡邉さんは、荒木さんが普段触れていそうな本を挙げつつ、荒木さんの読書傾向を分析し、そこから想定される「荒木さんが普段読まなさそうな本」の考察を深めていく。考察の中で、荒木さんが読まなさそうな本をどんどん挙げていく。たまに朗読なんかもしながら。
くるくると景色を変えながら繰り広げられる、怒涛のレコメンドだ。これを聴きながら、私は情報の、いや、本の先に広がる世界で、完全に溺れそうになっていた。
着想
・・・これだ。
404ページはこれでいこう。「つみぼん」は、興味から広がる本をどんどんと積み上げていくサイトだ。
どんどんと積み上げていくと、本の大海原で溺れることもあるだろう。自分がいる空間なんてものは、海全体から見たらちっぽけな存在だ。広い海の中で、自分がどこにいるかわからなくなる、漂っていたらどこかに行ってしまう、なんてこともあるだろう。そしてそれは、人間だけでなく、サイトも同じだ。
そんな世界観が表現できたら良いのではないか。404ページで。
こうしてエラーメッセージは決まった。
もし、今後404ページに出会う機会があれば、この404ページ誕生物語を思い出してくれれば嬉しい。
まあ、これだけ語っておいてなんだが、これはエラーページの話であり、404ページには出会わないでくれる方がありがたくはある。
Special thanks
最後に。
こんな着想を与えてくれた渡邉康太郎さん、怒涛のレコメンドをありがとうございました。
ついでに(?)、今回の渡邉さんの語りが好きな人向けに、TAKRAM RADIO Vol.108をオススメしておきます。
おまけ。
怒涛のレコメンドの軌跡はこちらから。