バームクーヘンを冷やす 木と年輪と #まいにち土鍋
年輪をひと輪っかふやした日
我が家はなぜだか、だれがそうしたのか、祝い事を特別にしない雰囲気がある。「おめでとう」朝の「おはよう」の代わりにいうくらい。
子の誕生日には、まあまあハッピーバースディのような雰囲気をつくってきたが、昔の話をすれば、息子の1歳の誕生日も2歳の誕生日も、わたしは都内で個展中で。保育園に迎えにいくこともままならなかったので、実家に預けた。実家に迎えに行けるような距離ではなかったし、誕生日は「地味でいいからケーキでも買ってあげてください」と両親に頼んだり。
保育園や幼稚園の時間外は、地域の保育ママのような家族にも協力をいただいた。孫のようにかわいがってくださり、お風呂に入れてくださり、ご夫婦の食卓で「ありがたくいただくこと」を学ばせてもらった。
人は親の年輪のなかだけで育つのではないのだ。
年輪はいかに
どこにも所属していない作家には、補助金や育児休暇など補償サービスのひとつもなかった。覚悟と協力が必要だったことを思い出した。子育て期間こそ、休業しなかったのに、いまは窯の再構築で休業してる。
甘いケーキが苦手なわたしへの家族からの贈り物は、年輪が表現された小さなバームクーヘン。ミニミニ土鍋に入れて、冷蔵でちょっと冷やす。
私の年輪はいかに。
7月8日(金)
盛る・冷やす「ミニミニ土鍋0.5合サイズ」