秋の宝石は青くない
秋風と秋空を仰ぐのも良いけれど、木々の枝や足元の土を見ると、たくさんの宝石が陽に輝いているでしょう。
土を肥やすために葉を落とす木々はもう青くない。土の香りは春のそれとは違い、青くはない。深く沈み落ち葉を待っている。その葉を陽にすかしながら、何を食べようかといつもわたしはお腹をへらしている。
「葡萄の落ち葉サラダ」
風にゆれるぶどうも、もう青くはない。
その実を陽にすかしながら、深い果汁を待っている。落ち葉が舞うようなサラダにしてみよう。
①ぶどうを半分に切る。
②水菜など葉物を盛る。
③①と紫の菊の花びらを散らす。
④オリーブオイルと塩で食す。
「土鍋石焼き芋」
紫色のさつまいもを陽に透かす。
土鍋に石ころを敷く。加熱された土鍋が鮮やかな赤から焼きしめられ赤黒くなるのは、高熱を畜している証。水をかけたり急冷すると割れるから要注意。
河原の宝石でもいい。とにかく石を拾うときは感謝しよう。今回使用したものは、正確には石でなく、色サンプルとして20年ほど前に焼いた陶土。
秋の宝石は、もう青くない。
黄金の光を放って焼き上がった。
① 小石を洗い土鍋に敷く。
② さつまいもを洗い濡れたまま①に。
③ 中火10分→煙突から蒸気でたら
④ 弱火10分→お芋ひっくり返して
⑤ 弱火10分→お芋ひっくり返して
⑥ 弱火10分。
*石焼き芋できますよ教えてくださった @boitoaさんありがとうございます。
「ゴルゴンゾーラ洋梨の玄米粥」
洋梨は鳥になって旅をする。
ついばむ山の宝石が豊富なうちに。
山は、もう青くない。
① タマネギみじん切り炒めゴルゴンゾーラ溶かしミルクでのばす。
② 冷ごはん(玄米)を①に加え塩味ととのえる。
③ 皮ごと小さくカットした洋梨を和え完成。
④ ナツメグと胡椒ふる。
「紫とうもろこしのおこわ」
原産国は南米らしい。
アンデスの魂を透かしてみよう。
豊かなポリフェノール滴るスーパーフードである紫とうもろこしを見つけた。
小豆の赤飯のような天然色で炊き上がる。もちもちして野生味がある。夏のスイートコーンのような青い香りはない。むしろ落ち葉のような郷愁味がする。
① 餅米を研ぎ水と酒と塩を加える。
② ナイフで実と芯に削ぎ分ける。
③ ①に②を載せて炊く。
④ 湯気が出るまで中火。
⑤ 極弱火で12-15分→火をとめて掻き立てる
⑥ 蓄熱で蒸らし10分
「紫とうもろこしのポリッジ」
① とうもろこしを蒸したら実を削ぐ。
② 土鍋にバター溶かし①を炒める。
③ ②にひたひたまで水を加え月桂樹の葉と塩を入れ蒸し煮にして柔らかくする。
④ ③をフープロで粗めにマッシュ。
⑤ 土鍋に戻しミルク足す。
⑥ 別途ミルク一杯に米粉大1とかし加える。
⑦ セージ葉とボリジの花をトッピング。
紫の宝石を陽にすかしながら、日に日に寒くなる朝を待つ。空は青くない。
スープというよりオーツなどミルクで煮込んだポリッジ(粥)のような食感。ようやくお腹もふくらんだ。もう青くない世界に横たわり、ようやく秋の宝石に満足して眠りにつくだろう。
#土鍋コッチョリーノ
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