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小さな小さな女の子
休日の陽射しが穏やかな夕方、電車に乗ると向かいはとても小さな女の子でした。女の子を真ん中にして、両側にはお父さんと小さなお姉さんがすわっていました。
そういえば電車に乗る前にも、歩いている途中に、カンガルーのように赤ちゃんを前抱っこしているお父さんを3組も見かけました。
とても微笑ましくてわたしは上機嫌でした。
電車の女の子はとても小さくて、裸足であぐらをかいてました。あぐらをかいても電車のシートはだいぶ余ってました。小さな白いくつはお父さんの足元にありました。
女の子は暇をもてあましていて、あくびをしたり、足を掻いたりしていました。その表情や仕草がとても自然で、伸びやかで、可愛くて可愛くて。
すると女の子は不意に背中を前にかがめて、顔を足裏に近づけました。詳しくは鼻先を足裏の親指に近づけました。そしてにおいを嗅いだのでしょう。眉をしかめて困ったような顔をしました。
その表情がまた可愛くてユーモラスで、わたしは目が釘付けになりました。
思いがけない動きと体の柔軟性は小さな動物のようでした。
でも次の瞬間、女の子とわたしは目が合いました。
女の子の黒い大きな瞳は、わたしに向けてピタッととまりました。
しばらく見つめ合いました。女の子のうごきは初めて止まりました。
わたしは瞬間に微笑みました。ずっと見てしまった。ごめんね。けれど安心してほしいな。
すると女の子はお父さんの黒いダウンジャケットに顔をうずめながら、斜めにこちらを見返しました。
恥ずかしくなったかな。恥ずかしがらせてしまったかな。
そういえば
わたしも小さいとき、大人のおばさんに話しかけられたり微笑まれたりすると、恥ずかしくて母親に隠れてたな。わたしの小さな可愛い妹も同じように隠れてたな。
そういえば
わたしの息子や娘も、見知らぬおばさんに話しかけられて、恥ずかしくて夫やわたしに抱きついて隠れてたな。
きっと小さな私たちも、自然な仕草や表情に周りを和ませていたのだろう。いっときの幸せをあたえていたのだろう。
今のわたしもそうありたいな。自然に伸びやかに。
いつも共にいてくれて
ありがとう
感謝します