400年ぶりの天王星食~牡牛座満月
皆既月食と天王星食
明日は牡牛座で満月です。今回は皆既月食のうえに、天王星が欠けて見える天王星食も起こり、これは442年ぶりのことだそうです。
日本で皆既月食中に惑星食が起こったのは1580年の土星食で、次回は322年後の2344年の7月に起こる土星食。そして日本で皆既月食と天王星食が重なったのは過去5000年間で一度もないそうですね。
まあとにもかくにも、とても貴重な瞬間に立ち会えるということです。
占星術的に皆既月食がパワフルで重要なのは、満月がノード軸というドラゴンヘッドとテイルをつなぐ場所で起こるからです。ノード軸は過去と未来の交差点です。今回の満月は前回の新月よりもさらにノード軸に近くなり、世の中的には過去から未来へ繋ぐ橋のど真ん中にいるような体験となるかもしれません。
今注目の天王星
天王星は2019年に本格的に牡牛座入りして以来、経済や私たちの価値観を大きく変えましたし、まだこれからも変えていく真っ最中です。牡牛座というめったなことでは動こうとしないエネルギーにスピーディな大変化を促す天王星が入ったために、かなり分かりやすい形で変化が起きています。特に今年はそこにドラゴンヘッドも入ったため、一層変化に拍車がかかったと思います。もう一つ付け加えると、天王星は水瓶座の支配星であり、現在ここには土星も入っていて、土星と天王星がタッグを組んで私たちに試練を与えつつも改革を進めているように見えます。今回の満月でその天王星が「欠ける」現象が起きるのが印象的です。経済や価値観に関わるルールや仕組みが大きく変わっていくことが予想されますし、現に変わりつつあります。
月・太陽・水星・金星が牡牛座・蠍座ラインに
更に今回の満月で目を引くのは、月が牡牛座に、水星・金星・太陽が蠍座にいることです。牡牛座と蠍座は180度の位置にあって牡牛座ー蠍座ラインは私たちのプリミティブなものと関わっています。火星をのぞくすべての個人天体がこのラインにいて、しかも満月とほぼ重なるようにしているのは面白いです。牡牛座は肉体であり、蠍座は本能と強く結びついています。肉体と本能という私たち生命体にとって欠かせないエネルギーで、「いのちの持つ力」が強調されているように思います。
2つの大切なエネルギー
今回の満月のサビアンシンボルは「剣と松明の戦い」です。世界はIT化どころかAI化に向かっており、私たち人間もAIに限りなく近づこうとしているように思えます。松明は新しい文明を象徴し、剣が古い文明だとすると、私たちの原始的なもの、肉体とか、感覚とか感情とか、そういったものが「知性」「情報」という2進法の世界のありかたと対立し、そして融合していくのでしょう。それは長い時間をかけて、それこそ風の時代200年をかけて進んでいくことだと思いますが、今はその戦いが起きている時期でもあるのです。だから苦しくもあり、いろいろなことが起きているのでしょう。
或いは松明を光や希望、愛だと考えると、剣は憎しみや争いととらえることもできます。どちらも、生命にとっては避けることができない感情なのです。
うみ出す
牡牛座ー蠍座で起こる満月に、水瓶座の土星から手放しや変更を促す90度のエネルギーがかかり、大きな直角三角形ができます。90度と180度で構成される直角三角形は葛藤が多いですが、それでも巨大なエネルギーができ、何かを生み出します。ここで私たちもともに「うみ出す」チャンスでもあります。決してやさしくはありませんが、大きなものを生み出すまたとない機会なのです。それぞれが何を生み出すかは自分の肉体と本能に聞く、つまり原始に帰ることだと満月のエネルギーが言っているようです。この先、人間という存在すら危うくなるかもしれない時代を前に、もう一度、魂が「この世」のエネルギーとして受肉したことを思い出す、今回の満月の強いメッセージではないでしょうか。
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