SAKEでつなぐ京都。来年に迫るアンテナショップオープンに込める想い
玉乃光酒造は来年、アンテナショップのオープンを計画しています。
このアンテナショップのプロジェクトは、玉乃光酒造を知ってもらう、という目的の他にも、京都という場所で行う意義や、私自身が実現したいことなど、様々な想いからスタートしました。
そんなアンテナショップオープンの背景をこのnoteで数回に分けてお話したいと思います。
今回はアンテナショップをオープンしようと思った経緯やその想いについてです。
アンテナショップを作ろうと思った理由
酒蔵のアンテナショップは全国でもたくさんの酒蔵が運営しています。ただ、それも減少の一途をたどり、特に都市部ではほとんど見かけなくなってしまいました。
コロナ禍での打撃と大きく、なぜ今そんなことをやるの?とよく言われます。
われわれ玉乃光酒造はメーカーです。
メーカーである以上、消費者であるお客さんが喜ぶお酒を作っていかなければいけません。
しかし、なんだか迷子になってしまいました。業界の中では、価格や品質で差別化することを狙った商品が次から次へと投入されますが、何か違う…迷子です。
これだけモノが溢れてしまうと、お客さんも自分が何が欲しいか分からなくなっちゃってる。もちろん我々にも分からない。だったら、メーカーとお客さんが一緒に考えるしかないかなって思うんです。
そうです。共に創る。共創。
以前の記事でも書いたように、飲食業界には、
メーカー→卸売→小売→消費者
という順番で届くという流通の仕組みがあります。
この流通の仕組み上、メーカーである酒蔵とお客さんが直接接点をもてる場がなかなかありません。
日本酒が当たり前に飲まれていた少し前の時代までは、われわれが自信を持てるような美味しい日本酒を作っていさえすれば、流通の仕組みに乗っかって、店頭に並び、消費者であるお客さんが買ってくれていました。
われわれは、ただ良いお酒を作ってさえいれば良かったのです。
ただ、この数年で世の中は大きく変化してきました。インターネットでの購入が当たり前になり、消費者からの日本酒に対するニーズが変化してきています。
その需要の変化に合わせてわれわれも変化しないといけない。
そんな想いがある中で、お客さんと直接的な接点を持てていないままでは、お客さんの需要がどう変化しているのか、理解しようとしてもなかなかできません。
お客さんが何を望んでいるのか、お客さんが玉乃光のお酒を飲んだときにどう思ってくれるのか、どこを美味しいと感じてくれるのか…
一緒に考えられる場が欲しい。
そのためには、われわれメーカーが、お客さんと直接接点を持って、そういったお客さんの声を聞きながら一緒に考えられる場を設ける必要がある。
そう思い、たどり着いたのが今回のアンテナショップのオープンでした。
もちろん、それだけではなく、お客さんに玉乃光を知ってもらうことで、また買いたいと思ってくれる人を増やすことができるかもしれない。
お客さんに玉乃光をリアルに体験してもらえる場、かつ、われわれがお客さんのリアルな声を取り入れる場、そして、一緒に日本酒の未来を創っていける場としてのアンテナショップを作りたいと思ったのです。
京都という町にクローズアップしたアンテナショップ
そんな想いで始まったアンテナショッププロジェクトですが、上記の目的に加えて、もうひとつ重要なテーマを掲げています。
それは「京都という町にクローズアップしたアンテナショップ」ということです。
酒蔵というと、どうしても少しアクセスが悪い場所にあることが多いイメージですが、われわれ玉乃光酒造がある京都は魅力的な観光地として名がある町。
さらに今度のアンテナショップは京都駅の近くにオープンする予定なので、立地的にも世界中からお客さんを集めるチャンスがある場所だと思うのです。
前回の記事で書いたように、私は、京都という土地で、酒を通じて色んな人や想いをつないでいきたいという願いがあります。
その願いを実現するためにも、京都の他の伝統産業に携わっている人や、周囲に住んでいる人にとっても良い場所にしていきたい。
そんな想いを元に、お店で使うお皿や酒器を京都の窯元さんと一緒に作ったり、京都にゆかりのある人たちと一緒にデザインやサイトなどアンテナショップに関わるものを作り上げていきたい。
また、近隣の飲食店の皆さんになんらか貢献できる仕組みを作っていきたい。大切な得意先である飲食店の皆さんを後方支援できる拠点になりたい。
京都という町に生まれた酒蔵として、京都と深く結び付きながら、日本酒を始めとした京都の伝統産業にも脚光を浴びせる。
その最初の切り口としてお酒を位置づけながら、京都という場所であらゆる人や想いが繋がる場所を作り上げていきたいと思っています!
また次回以降で、そんなアンテナショップで具体的にやっていきたいことなどをお話したいと思います。
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