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酒蔵のメッセージから時代を感じる。

他の酒蔵さんのイベントに参加してきました。

新政さんと、御前酒さんのイベントに参加してきました。この二つは全く違うコンセプトなんですが、どちらもとても素敵な時間でした。

新政さんは何もかもがアーティスティックで洗練されています。お酒の味はもちろんのこと、アートや音楽とのコラボが素敵で、その場所にいるだけで日常を忘れられ「自由」を感じられました。

新政さんのアートとのコラボ

一方で、御前酒さんは「全量雄町宣言!」というイベント。日本酒の原料となる酒米をすべて雄町米にするということ。雄町は御前酒さんのある岡山県の酒米です。雄町米は高価なお米だし、一種類のお米だけで製造すると不作のときのリスクが大きい。それでも地域のためにということで取り組まれる姿勢がかっこいい。

御前酒さんに雄町米ファンが集まる


酒蔵それぞれのメッセージ

どちらもまったく違うけれど、しっかりと酒蔵さんとしてのメッセージが感じられて、楽しかったです。お酒の味も全く違うんです。でもどちらが美味しいっていうことではないですよね。どっちも美味しいです。ほんとに。

やっぱり、確固たる意見というのが大切ですよね。正しいとか、間違っているとかなんてないし、共感する人もいるだろうし、反感を持つ人だっている。それによって、喜ぶ人もいるだろうし、困る人もいる。

日本酒は嗜好品です。そもそもみんながみんなをハッピーにできるようなものじゃない。パンとか、野菜とか日常食品はみんなを幸せにできる。テレビとか携帯電話とか、ティッシュとか歯ブラシとかみんなが使う日常品もそう。これらの日常品はみんなをハッピーにするというのはすごく大切。だから使いやすさとか、価格の手ごろさとかすごく大切。なるべく多くの人に届けることが大切。

日本酒も昔は日常品だったんです。そういう時代もありました。でも今はそうじゃない。今はもうみんなが飲むものじゃないから、みんなのハッピーを考える必要はない。というかできない。。。むしろ、特定の人にホントに喜んでもらえるものを造ることが嗜好品としての日本酒にとって大切なこと。


玉乃光らしさを探す毎日です。

嗜好品としての日本酒として玉乃光らしいしっかりとしたメッセージをもちたい。

玉乃光は昔から純米酒を大切にしている酒蔵です。昭和39年に米100%の純米清酒を戦後業界に先駆けて復活させ、今も純米吟醸酒と純米大吟醸しか造っていない酒蔵です。

当時のお話を聞いたのですが、業界からすごくたたかれたそうです。純米酒が素晴らしいと言ってしまうと、それは純米酒以外がダメだってことか?ということで、当時純米酒がなかった時代には強烈なアンチテーゼだったわけです。

たくさんの課題がある中、当時の玉乃光のメンバーは戦い、今があるわけです。本当に尊敬しています。
ただ、現代においては、純米酒にこだわるというのは、もはやメッセージが届かなくなってしまいました。みんなやってるので。

これからの時代に、これからの時代を生きていく人に届くメッセージを言語していきたい。
すでに何となくぼーっとはあるんですよ。玉乃光の歴史を踏まえて、自分がやりたいことを踏まえて、こんな感じっていうのは。

それは、「本質」っていうことです。
純米酒を復活させた歴史、350年の伝統、京都という世界に誇る場所、真面目に手造りしたお酒、派手ではないが、食事に合うお酒。
これが玉乃光の特徴なんです。

これらを一言で表すと「本質」「essence」
でもまだピントこない。これからもずっとピンとこないかもしれない。

でも発信し続けることで、きっと何かにたどり着ける気がする。これからも探し続けたいと思います。


【運営会社】

■玉乃光酒造 https://www.tamanohikari.co.jp
■京伝びと http://kyodenbito.co.jp/


【玉乃光酒造 酒かす副社長 羽場洋介】
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