「熊が出た!」メソッド(笑)
「メソッド」なんて言って、わざと誇張してますが、シアターゲームのひとつである「熊が出た」を本番間近の稽古で練習法として取り入れたら…
めちゃくちゃよかったです。
アイキャッチ画像にも書いたのですが、
何に効果があるかというと。。。
○自分の軸(体幹)がめちゃくちゃよくわかる
○芯のある発声ができるようになる(張りのある通る声)
○声のベクトル(方向性と強さ)を意識できるようになる
これ↑
演技のスキルとしてはとても基礎的なことですが、この基礎的なことがすごく大事です!まず、これは「できていて然るべき」なのですが、他のことに気を取られていておざなりになっていたり、わかっていてもなかなかうまくいかない(体感できない)という方もいるかと思います。
では、
その「熊が出た!」は、どんな方法かというと
文章で説明するとちょっとややこしいので、百聞は一見に如かずということで動画を載せますね。
撮影しながらはしゃいだ自分の声が一番大きく入っていて恥ずかしいです(笑)
少し補足しますね。
【ルール】
1:先頭の人は隊長、一番後ろの人が副隊長です。
2:熊が出たので、隊長は自分の次に並んでいる隊員①に「熊が出た」ことを伝えます。
3:しかし、あまりのことに驚いた隊員①は「え!?」と聞き返します。
4:隊長はもう一度「熊が出た」と伝えます。
5:2回目にして熊が出たことを理解した隊員①は、自分の後ろに並んでいる隊員②に「熊が出た」と伝えます。
6:しかし、あまりのことに驚いた隊員②は「え!?」と聞き返します。
7:隊員①は隊員②にもう一度「熊が出た」と伝えます。
8:2回目にして熊が出たことを理解した隊員②は、自分の後ろに並んでいる隊員③に「熊が出た」と伝えます。
はい、その繰り返しです。
そしてようやっと副隊長のところにまで「熊が出た」という情報が伝わりました。
もちろん副隊長も例外なく一回の「熊が出た」という伝達では、あまりのことに理解が追いつきません。
2回目の「熊が出た」という伝達に対して、副隊長として全員に「死んだフリをしろ!」という命令を下すのです。
最期:全員が死んだフリをしたところでタイムを計測します。
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ワークショップなど大人数で楽しむためにやる時には、何チームかに分かれて速さを競ったりするととても盛り上がります。
さて、私はドラマケーション・ファシリテーターという資格を持っていて、演技レッスンにもコミュニケーション講座にもシアターゲームを多く取り入れていて、持たせたい効果によって広げ方を変えます。
今回は、本番1週間前の稽古で「熊が出た」を取り入れました。
その目的としては、以下のようなことがあります。
(今回の出演者は舞台経験の少ない若い俳優さんが複数人いました)
●とにかく疲れてほしかった(通し稽古の前にヘトヘトにしたかった)
→限界を超えると自分自身の躊躇や制限に囚われず、演じることとその世界に集中することができる
●相手に声をダイレクトに届ける手ごたえを感じてほしかった
→届ける相手が明確な上、緊急性のある内容。しかも一回聞き返されることによって、よりしっかり「伝える」ことを意識できる
●広いホールで上演するため、声に力強さが欲しかった
→広いホールだとキャスト同士の距離が遠くなるし、お客様にも声が届くまでに時間が掛かるため速さが欲しかった(力強さ=速さに変換できる)
●ホールの空間を埋めるだけのエネルギーを放出することを感じてほしかった
→ゲームなので嘘だとはわかりきっていますが、シチュエーションが大変な状況なので一生懸命にならざるを得ない。一生懸命さはエネルギーの放出に繋がる
→「伝えなきゃ!」という想いが強くなることで、声(身体)にも力が宿ることを体感してほしかった
今回はワークショップと違い、稽古の一環だったので「競うべき・勝つべき相手は自分自身だ!」ということで、タイムトライアルとして、自分たちの自己ベストを毎回更新していこう!ということでやったので、取り入れた当初の目的にはなかったのですが副産物として結果的に〃チームビルディング〃にも繋がりました。
動画の中に自分がいることを想像してみてください♪
なかなかハードですよ(笑)
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