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単なる終端駅とはちょっと違う伊万里駅

ちょっと不思議な雰囲気のある駅、伊万里駅について書いてみます。
佐賀県にある伊万里駅は、JR筑肥線と松浦鉄道の終着駅で、道路を挟んで向かい合わせに駅舎が建っています。

JR筑肥線からみた伊万里駅
松浦鉄道からみた伊万里駅

国土地理院のwebページで閲覧できる航空写真で見るとこんな感じなのですが。

2024年現在の伊万里駅周辺の写真(地理院地図Vectorより)

駅のホームに立つと、それぞれの駅名標はこのようになっています。

筑肥線の駅名標。左側が駅舎。
松浦鉄道の駅名標。左側が駅舎。

どちらも線路は駅舎の前で途切れていて、往来はできないのですが、駅名標にはそれぞれ互いの路線の駅名がしっかり記されています。

乗り換えそのものは駅舎の階段を介して陸橋を渡れば数分でできるのですが、それでも線路がつながっていない路線の次駅を駅名標に掲示してあるところはそう多くありません。

そこで地理院地図の航空写真は過去の時期におけるものを見ることができる場合もあることを活かして、少しばかり探ってみました。

1974年頃の伊万里駅周辺の写真(地理院地図Vectorより)

50年ほど前の写真を見るとなるほど、当時は両方の駅がもともと1つの大きな駅であったことがわかりました。もちろん、線路もつながっていたわけなのです。

西側を走る区間が第3セクターの松浦鉄道となり、町の再開発とともに南北の道路を整備してつないだのが現在の状況となるようです。

現在の伊万里駅前。左が松浦鉄道、右がJR。写真の奥が北側。

自分はここに初めて足を運んだのは15年ほど前だったので、すでにこの姿になっていたわけですが、古い時刻表を見ると伊万里駅を通り抜けて博多や唐津と平戸や佐世保を結んでいた列車があることもわかります。

行き止まりの駅なのにそのさきの駅名の表記があるのは、その来歴を静かに語るものであったというお話でした。

それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。

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