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特急宗谷に乗ってきた
いまの3往復体制(宗谷1往復・サロベツ2往復)になってから札幌ー稚内間を乗り通したのは初めてだったかもしれません。
札幌から旭川を経由して宗谷本線を北へひた走り、390kmを5時間ちょっとかけて走破する特急「宗谷」に乗ってきました。
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それなりに早起きを求められる特急「宗谷」ですが、この列車に乗って終点の稚内まで行き、さらにフェリーターミナルまで路線バスで足を延ばすと利尻島や礼文島へ向かうフェリーに乗り継ぐことができます。
そういう位置づけであることがわかるのが、終点まで乗り通す利用客がけっこう多いこと。4両編成のうち1号車の9席がグリーン席、1号車の残りと2・3号車が指定席、4号車の1両のみが自由席という設定ですが、1号車はもとより2・3号車も終点まで半分以上の座席が埋まったままで稚内に到着しています。
最繁忙期には予備の車両も繰り出して6両で走ることもあり、存在感をしっかり見せつけてくれる長距離特急となっています。
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到着した列車はそのまま特急「サロベツ4号」として旭川まで戻っていきますが、改札を待つ利用者の行列は3、40人以上(それ以外にもベンチやフリースペースなどにいる人も多数)という盛況でした。
ただ、実際の宗谷本線の利用者はかなり少なく、その影響で名寄以北の列車の本数はとても限られていることから、旅における利用についてはいろいろ工夫が必要です。
400kmの道程で見える景色は、深川、旭川、塩狩、美深、音威子府と歩を進めるごとに平地あり、峠あり、森林ありと道北の自然がみるみる変わっていくのが趣深いです。天塩川と並ぶようになると森林よりも原野が目立つようになってきて、幌延、豊富と来て丘陵を越えれば、西側に利尻富士が見えてきます。今回はあいにくの曇天でしたが、好天であれば北の果てに到達する直前のクライマックスに相応しい名場面に出会えます。
南稚内を発車すればエンドロールのように終着の放送が流れます。5時間の旅の時間は長そうに見えますが、けっこう本気で走る区間もあるので、あんがいあっという間の旅程になるかもしれません。
特急「宗谷」や「サロベツ」では車内販売や自動販売機などはありませんし、途中の停車時間もわずかです。もし乗り通すのであれば札幌発にせよ、稚内発にせよ、食事も含めて抜かりなく準備を。札幌駅は駅弁の販売が早朝からありますし、ホームでは駅そばもあります。稚内駅は道の駅でいろいろ買い揃えることもできますし、セイコーマートもあります。地元のものがお求めであれば駅前にスーパーマーケットもありますので、乗り継ぎ時間に余裕を持たせてご準備ください。
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参考までに、宗谷本線については弊マガジン「百線一抄」でもとりあげたことがあります。
それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。
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