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ひだ36号で東海道本線を通る

今回の高山1泊旅行は名古屋駅に戻れば解散となるのですが、こちらはホームタウンとなる大阪までの旅程がまだ残っています。

もちろん往路で見合わせた近鉄での帰阪もありなのですが、今回はこのあとのミッションと、いずれ片づけることになる宿題に着手するために帰路を在来線の旅としました。

その目的の1つが、特急「ひだ36号」に大垣以東から乗ること。
説明しよう。

駅すぱあとの路線図をもとに加工

東海道本線は東京と神戸を結ぶJRの幹線ですが、現在までの経緯から複数の支線が存在します。首都圏内には京浜東北線(複々線の一部)や横須賀線(品川ー西大井ー鶴見間と横浜ー大船間。貨物線を旅客線化した区間の一部)などがありますが、岐阜県内には大垣から2本の支線が分岐します。1本は美濃赤坂へ延びる路線で、途中に荒尾駅が設けられています。もう1本は垂井駅を通らずに少し迂回しながら関ヶ原をめざす路線で、国鉄時代には途中に新垂井駅が設けられていました。

この迂回している路線は現在、東海道本線の下り本線として機能していて、垂井駅に停車する普通列車を除く特急列車や貨物列車がこの区間を西へ快走していきます。
ただ、この区間の特殊なところは前述したように「下り列車しか走らない」ところにあり、上り列車はすべての列車が垂井駅を経由します。すなわち、この区間を走る列車に乗るとなると、大垣→関ヶ原間を通る特急列車を選ばなければ目的が達成できないということになります。
2023年現在、定期列車としてこの区間を通過するのは特急「しらさぎ1・3・5・7・9・11・13・15号」「ひだ36号」「サンライズ出雲・瀬戸(下り)」の3種となります。そして「ひだ36号」だけが唯一、この区間を走る気動車列車となります。

垂井駅部分の「||」記号が下り本線経由の証し

名古屋で解散してすぐの特別快速に乗り、岐阜駅へ。隣のホームにほどなくして特急「ひだ16号・36号」が入線してきます。到着するとすぐに列車は西側の36号となる4両、東側の16号となる4両に分割。間もなく16号は名古屋に向けて入線方向とは逆の方向へ出発していきます。

ホームや車内ではそれぞれの行先をよく確認するよう何度も放送が流れる

こちらの36号も首尾よく出発。4両編成の座席はほぼ満席といえる状態。少し走るとほどなく大垣に到着。本線となる2番線から発車。勢いよく大垣を出発しました。
左手に大垣車両区を眺めているうちは普通列車が走る線路と同じところを進みます。国道を越えたあたりで列車はグッと北側へ進路を変えます。

夏場であれば明るいうちから分岐していくようすが見られる

単線の線路を軽々と列車は走っていきます。この区間はちょうど、関ヶ原に向かって高度を稼ぐところにあたるのですが、垂井駅がある区間は距離が短い代わりに急坂を避けることができず、重量の大きい列車は速度を大きく落とすか、輸送量を少なくする必要が生じます。そこで、距離が少し延びることを割り切って勾配を緩く設定した線路がこちらの区間となりました。
一時期は普通列車も大部分が下りはこちら、上りは垂井経由という扱いになっていたこともありますが、列車の構成の変化や利用の実態に合わせて上下とも垂井駅を経由するようにシフトしていきました。そして現在のように、普通列車はすべてが垂井経由、垂井を通過する下り列車はこちら側を通るようになっています。

関ヶ原で再び束ねられた東海道本線をさらに西へ進んだ特急「ひだ36号」は米原で乗務員が交代。こちらは後続の新快速に乗りかえるため草津で下車となりました。

草津で特急「ひだ36号」をお見送り

この特急「ひだ36号」も2023年3月のダイヤ改正から、新型のハイブリッド車両であるHC85系に置き換えられます。形式こそ電車と同じモハやクモハになりますが、エンジン音を楽しみながら東海道本線を走る風景は引き続き健在となるようです。

それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。

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