見出し画像

種別のものさし(関西私鉄編―3.阪急)

阪急の種別について学ぶ場合、まず頭に入れておいてほしいことが2つあります。

1つは「停車駅が1つ異なると別の種別になる」、もう1つは「『通勤』が付くと停車駅が増える」です。

それでは、まずは神戸線。
最も停車駅が少ない種別は【特急】。
大阪梅田・十三・西宮北口・夙川・岡本・神戸三宮と停まり、あとは花隈・高速神戸・新開地とすべての駅に停まります。
この【特急】の停車駅に塚口を加えたものが【通勤特急】で、平日の朝夕に走ります。
そして【通勤特急】の停車駅に六甲を加えたものが【準特急】。早朝と夜間に【特急】の代わりとして走ります。
他に平日のみの種別として【急行】【準急】【通勤急行】があり、それぞれ大阪梅田・十三・塚口と停まり、順に各駅停車となるのが西宮北口以遠、門戸厄神以遠、塚口以遠となります。
別の言い方をすれば、【準急】は塚口以遠では武庫之荘と西宮北口には停まらず、今津(北)線の各駅に停まる。
【通勤急行】は中津と神崎川・園田以外はすべての駅に停まる、ということになります。

宝塚線は大阪梅田駅から出発するのであれば最も分かり易い。
【急行】【普通】の2種が終日走り、平日の夕方のみ【特急日生エクスプレス】が追加されます。
【急行】は大阪梅田・十三・豊中と停まると、あとはすべての駅に停まります。
【特急日生エクスプレス】は大阪梅田・十三・石橋阪大前・池田・川西能勢口と停まると向きを変えて能勢電鉄線に入り、平野・畦野・山下・日生中央に停車します。

一方で平日朝の大阪梅田方面は多彩な組み合わせとなり、上記3種に【通勤特急】【準急】が加わります。
【通勤特急】は川西能勢口を始発として、池田・石橋阪大前・豊中・十三・大阪梅田に停車します。
【準急】は曽根までのすべての駅に停車した後は十三・中津・大阪梅田に停車します。神戸線の【準急】は中津には停まらないので、十三から乗るときは気をつけましょう。

京都線は“毎日”走る種別が5つあります。
【特急】【準特急】【急行】【準急】【普通】で、神戸線と似ています。
【特急】は大阪梅田・十三・淡路・茨木市・高槻市・長岡天神・桂・烏丸・京都河原町に停車します。
【準特急】は【特急】の停車駅に西院・大宮を加えたもの。
【急行】は【準特急】の停車駅に南方・上新庄・南茨木・西京極を加えたもの。桂以遠はすべての駅に停まります。
【準急】は高槻市までは【急行】と同じ停車駅で、高槻市以遠はすべての駅に停まります。
【準急】の中には千里線とOsaka Metro堺筋線に直通するものがあり、淡路から柴島を通過して、天神橋筋六丁目からは天下茶屋までのすべての駅に停まります。

土休日にはさらに、「京とれいん雅洛」が2時間に1本、大阪梅田と京都河原町の間を結んでおり、これが【快速特急】を名乗ります。
【快速特急】は大阪梅田・十三・淡路・桂・烏丸・京都河原町と停車し、
【特急】の淡路―桂の間が無停車となる形。

一方で、平日には【通勤特急】が戦列に加わります。
【通勤特急】は【準特急】の停車駅から淡路を通過としたもの。
現在のダイヤで淡路を通過するのは【通勤特急】だけとなっています。

阪急の種別についてまとめると、次のようになりそうです。
・宝塚線は【急行】と【普通】を基本に、平日朝だけ種類が大幅に増える。
・神戸線は【特急】と【普通】を基本に、平日朝夕だけ【急行】【通勤急行】が混じる。早朝と夜間は【特急】が【通勤特急】や【準特急】に代わる。
・京都線は【特急】と【準急】【普通】が基本となって、朝夕は【準特急】が加わり、早朝深夜は【急行】にまとめられる。
 平日の朝夕は【通勤特急】【準特急】が絡み合って【準急】【普通】が走る。

路線図だけ見ると複雑に見える阪急ですが、西宮北口・高槻市(もしくは茨木市)・桂で【普通】や【準急】に乗換できる、と考えておけば上手く利用できそうですね。
宝塚線はほとんどの列車が先発先着。【普通】が追い抜かれても3本以上抜かれることはほぼありません。

それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。

サポートをお願いいたします。いただいたサポートはたまなび倶楽部の運営費として活用いたします。