全面広告の居場所
話題作りや宣伝ということもあって増えてきた全面広告の列車。注目度が上がるという意味ではいいのかもしれませんが、利用者としてひとつだけものを申すとするならば。
直通とか乗り入れとか、そういうのがない路線でやってくれませんかね、これ。
表題の写真でとりあげた電車は大阪環状線のもので、大阪市内をぐるぐる回るか、ゆめ咲線に入ってユニバーサル・シティや桜島へ顔を出したりするもの。この電車そのものは前述した範囲だけを営業で走るものだから問題がないように見えます。
しかし、現代の大阪環状線は関空や和歌山へ向かう青帯の電車、奈良や加茂へ向かう白地にブラウンの帯の電車もいたりして、どれもよく似たものではありますが、車体の色や形も方面を示す役割を果たしています。
そのなかで、基本と異なる外装の電車が突如入ってくると、旅慣れていない人はもとより、地元の人間でも「これはどこへ行くやつ?」と戸惑いを見せる場面もそこここで散見されていることを思えば、せっかくの宣伝効果も減衰してしまうのではないかと邪推すらしてしまいます。
Osaka Metroの御堂筋線や京都市の東西線のように、複数の会社線が直通していながらも行先方面がある程度統一されているのならまだしも、さまざまな方向に向かう路線や、形や色の違いが利用方面の判断に大きく関係するような路線の場合は、全面広告にするのではなく、外装は控えめにしておいて室内の内装を工夫するなどの取り組みもあっていいのではないかと思うのです。
あくまでも全面広告そのものがダメだというのではありません。用いられている環境が実状を惑わせるものになるのはよくないのでは、という考えです。
もちろん、表題の広告についての否定でもありません。例えば大阪モノレールやそれこそOsaka Metro中央線や近鉄けいはんな線のような路線だったら、むしろ関連路線で競作してくれてもいいぐらいだと思います。
それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。