この語句が少しばかり広く知られるようになったのは、
おそらく西村京太郎の十津川警部シリーズが巷間の話題として
よく挙がるようになった頃ではないかと思います。
実はこれ、列車だけのものかというとバスにも存在しています。
どちらにせよ、停車はするけれど利用者の乗降はできないというもの。
では、その停車時間で列車やバスは何をしているのでしょうか?
一言で言ってしまえば「業務上の都合で停めている」なのですが、
過去の事例も含めると、結構いろいろなケースがあるようでして。
例えば、列車に関するものの代表例としては「列車のすれ違い」。
単線の区間だと1本の線路を上下反対向きの列車が走りますので、
ある程度の距離を走ると、どちらかの向きの列車が反対向きの列車に
道を譲ることになります。
走りながらすれ違えるだけの距離が確保できるのであれば
便利ではあるのですが、山間部や川のそばなど土地が狭いところでは
そうはいきませんし、維持費もそれなりにかかってしまいます。
そこで、駅を設置して線路を2本とし、片方を停車させておいて
反対向きの列車を停車させたり通過させたりしてやり過ごします。
昔はこのすれ違いのために係員を配置する必要があり、
人里離れた山間部にも駅を配置することもよくありましたが、
最近は遠隔操作で信号や列車の管理を行うため、
利用者が見込めない駅は廃止して駅舎やホームを取り除き、
信号場としてすれ違いだけを行う場所としたところも増えてきました。
ちなみにこのすれ違いはバスでも存在し、立山黒部アルペンルートや
高野山の路線バス、三陸海岸のBRT(大船渡線や気仙沼線の一部)などでも
すれ違いの場面に出くわすことがあります。
あとは列車やバスのいずれにも共通するものとして、
・乗務員の交代や引き継ぎ
・車両の点検や給油、給水など
・積み荷や郵便、小荷物の積み下ろし
・線路や道路の管理者が異なる境界点の通過
・走行距離が短い夜行便の時間調整
・その他、法令などで規則として定められているもの
などがあります。
駅でも何でもないところで列車が停まったり、
駅に停車したのに乗降ができないところは全国各地にあります。
場所によっては車掌や運転士が理由を説明するところもありますが、
深夜の停車や短い時間ですぐに動くような場合は告知もなく、
何事もなかったかのように再び走り始めるところもあります。
運転停車にもそれぞれ理由があるという。
今回はそんなオハナシでした。
それでは、次回の投稿をお楽しみに!
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