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運賃比較いろいろやってみた

つくりっぱなしというのも芸がないなあと思いながら、
あれこれ検証するのに使えるかなあとガサゴソやり始めてみました。

とりあえずやってみたのは、営業キロ30kmまでの運賃の上がり方を30km運賃=100%に設定して、どのように膨れるのかを面積化したもの。

ふむ、JR幹線は1kmから30kmまでで150円から510円まで上がる。
とすると初乗り運賃の150円は150÷510×100=29.41%と出てくるのか。
画像左下の“0.29”がこれにあたる。

そして各距離の運賃を同じように算出して、1km×2%の目盛の方眼に柱状グライフのようにして埋め込んでいくと画像のようになる。
30km×100%の目盛は30×50で構成されるので1500マス。
そのうち埋まるのは902マスなので902÷1500×100=60.12%となるわけね。
この数値をひとまず「30km収受領域」と名づけておくことにします。
(実はしっくりした呼び方にまだたどりついていない)

ちなみに見出しエリアの180kmはその会社局の最大運賃を示す営業キロとその運賃なのだけれど、ほとんどの会社はそこまでの運賃表がないので、JRや近鉄などの長大路線を持つ会社は180kmで切ることにした結果の表示。
さらに横の「営km%」は30÷最大距離の百分率、「運賃%」は30km運賃÷最大距離運賃の百分率です。JR幹線の場合は、
 営km%=30÷180×100=16.67%
 運賃%=510÷3080=16.56%
という計算を行ったもので、今回の検証ではあまり関連がありませんが、
参考のために載せておきました。

今回比較してみた数値は下記の通り。
30km収受領域、初乗り運賃、30km運賃、運賃%、そしてその運賃表における最大営業キロ。

これをひとまず30社ほどピックアップして、いくつかを面積化したのが以下。

JR幹線は下記の通り。

画像1

30km収受領域は前述の通り60.12。
初乗り運賃150円、30km運賃510円、運賃%16.56%、
そしてその運賃表における最大営業キロは180km。実際には4000km以上。

消費税率変更とともに値上げしたのがJR北海道ですが、この調べ方だと実はほとんど変わりません。少しだけ収受領域が大きくなったぐらい。

大手私鉄の最大規模を誇る近鉄はこんな感じ。

画像2

30km収受領域は67.87。
初乗り運賃160円、30km運賃500円、運賃%21.83%、
そしてその運賃表における最大営業キロは180km。実際には250kmまで設定あり。

首都圏で運賃が安いイメージがある京王を挙げてみましょう。

画像6

30km収受領域は68.27。
初乗り運賃130円、30km運賃330円、運賃%84.62%、
そしてその運賃表における最大営業キロは52km。

地下鉄の最大規模を誇る東京メトロはこのような感じ。

画像3

30km収受領域は75.53。
初乗り運賃170円、30km運賃320円、運賃%100.00%。
そして運賃表における最大営業キロは40kmなのですが、28kmの時点で最大運賃となるしくみになっています。

東京メトロと同じぐらいの最大距離となる阪神はこのようになります。

画像4

30km収受領域は80.00。
初乗り運賃150円、30km運賃310円、運賃%96.88%。
そして運賃表における最大営業キロは34kmですが、実際には阪神なんば線の加算運賃が上乗せとなるので、実質の運賃%はもう少し下がります。

第三セクターの例として、最大路線規模を誇る三陸鉄道を。

画像5

30km収受領域は59.47。
初乗り運賃170円(特定運賃扱い。本来は200円)、30km運賃850円、運賃%22.49%。
運賃表における最大営業キロは163kmです。

東京メトロや阪神と同じぐらいの最大距離となる樽見鉄道はこのようになります。

画像7

30km収受領域は60.00。
初乗り運賃190円、30km運賃820円、運賃%88.17%。
運賃表における最大営業キロは35kmです。あと2段階、31kmと34kmで運賃が上がります。

ざっと並べるとこんな感じに。

       30km収受領域 初乗り 30km運賃 運賃% 最大キロ
JR幹線      60.12   150円  510円  16.56%  180km
近鉄       67.87   160円  500円  21.83%  180km
京王       68.27   130円  330円  84.62%    52km
東京メトロ    75.53   170円  320円   100.00%    40km
阪神       80.00   150円  310円  96.88%    34km
三陸       59.47   170円  850円  22.49%  163km
樽見       60.00   190円  820円  88.17%    35km

一般的な傾向として、都市部で最大距離が短い路線は途中までで運賃がグッと上がり、終点に近くなるほど差額が小さくなるイメージがありますが、
最大キロの少ない京王・東京メトロ・阪神・樽見と比較して、最大キロの大きいJRや近鉄、三陸鉄道はほぼ同じぐらいの増え幅になっていることがわかります。

そして30km運賃そのものを見てもほとんどの路線が都市部となる京王・東京メトロ・阪神と地方ローカル線の三陸・樽見では倍以上の運賃差がありますが、これは単純に都市部とローカル線というだけの比較では語ることができないさまざまな背景があります。

また機を見て、異なった角度から調べてみようと思います。
それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。

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