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旅の伴にした本(31)―日本列島改造論(復刻版)

今回は文庫本でもなく、新書でもなく。だけどじっくり再読するにこしたことはない著作を旅先で読了しました。

田中角榮著「日本列島改造論」日刊工業新聞社刊。

当方の学位論文、つまり卒論のベースになったのがまさに「日本列島改造論」。当時は大学の図書館に足繁く通い何度も読み、引用もした。
ただ、当時すでに著者の田中角栄は表舞台から姿を隠しており、書店で手に取ることができる著作ではなかった。

そして2023年、50年の時を経て復刻版として再版されたことで、年齢と経験を重ねた分だけ受けとめられる情報量も異なるだろうと再読を決めた次第である。

現代の国土と物流、交通事情のみならず、政治や行政、国際経済や外交事情もそれぞれのベクトルこそ修整要素はあるものの、予想図や懸念は決して的外れではなく、そして当時の実情を客観的かつ具体的な例示を多用して示している。政治経済に関心がある立ち位置の人であれば、読み通してみて何も得られないということはないと言っていい。それほどの内容が示された著作であった。

販売価格は50年前よりもかなり高くはなっているが、それも50年の年月が積み上げた物価の現状と捉えれば、案外お手頃のような気もする。なかなか読み応えのある内容なので、時間をかけて読んでみてほしい。

それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。

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