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すごいぞ!はっせん!■12ー東京メトロ8000系
今回は東京メトロ8000系について語ります。
東京地下鉄(東京メトロ)8000系は、当時営団(帝都高速度交通営団)だった1980年から製造開始となった電機子チョッパ制御の20mアルミ車体を持つ半蔵門線向けの通勤形電車で、190両製造されています。
半蔵門線は、渋谷を介して直通運転を行っている東急田園都市線(開通当時は新玉川線)と一体で運用されていた時期こそ東急車のみで営業していましたが、利用者の増加と運行本数の増加を受けて投入されたのがこの8000系でした。
これまでの営団の車両と異なる点は、当時の国内の車両としては初となるボルスタレス台車を採用したことと、冷房装置を搭載できるように対応した車体構成にしたことが主なものとなります。当時の営団の路線ではトンネル冷房を基本の方針としていたため、車両の冷房は使用しないことになっていたのですが、乗り入れてくる私鉄の車両のほとんどが冷房車となったこともあって、1988年頃から順次冷房化が進められました。
8000系は半蔵門線向けの車両であるため、ラインカラーである紫の帯をまとっています。また、東急と相互直通運転する仕様であることからワンハンドル式マスコンを採用していますが、一部の編成は当時の車両運用の事情から、東西線で使用されていました。東西線はJR東日本との直通運転が行われる路線なので、運転室の機器類も当時の東西線を走る車両に合わせるかたちをとっていまいた。なお、これらの編成は半蔵門線の延伸と、東西線向けの新型車両となる05系の登場によって、本来の装備に変更して半蔵門線の車両となっています。
半蔵門線の延伸に伴って1990年まで増備が続いた8000系は19編成を擁するようになりましたが、10両編成12本と8両編成7本が混在していました。さらなる利用者の増加に対応するべく、1994年にすべての編成を10両編成にすることになったときには車体構造が異なる車両が製造されました。当時の製造車両はすでに次の世代にシフトしていたことから、その違いが外観からもよくわかる組み合わせとなりました。
2003年には押上までの延伸によって半蔵門線が全通となり、東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)にも乗り入れるようになりました。また、翌2004年から順次機器更新が行われ、電機子チョッパ制御からIGBT-VVVFインバータ制御となり、冷房装置もより強力なものに交換されています。機器類以外で目立つところとしては、客用扉の窓が大型のものに変化したところが挙げられます。1970年代から80年代に製造された営団の車両は扉の窓が小さいものが中心でしたが、8000系のあとに設計・製造された銀座線向けの01系から現在に見られるような標準的な大きさのものに変わっていました。
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2021年から導入された18000系と入れ替わるように少しずつ数を減らしている8000系ですが、もうしばらくの間は活躍する姿が見られそうです。
それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。
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