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種別のものさし(関西私鉄編―4.阪神・山陽電鉄)

今回は大阪梅田と大阪難波から神戸三宮・高速神戸を経由して山陽明石・姫路を結ぶ、阪神電鉄と山陽電鉄の種別について述べてまいります。

平日・土休日問わず設定されている種別は多彩で、阪神電鉄本線の区間だけで下記の5種類があります。

【直通特急】【特急】【快速急行】【急行】【普通】

これに加えて平日のみのものとして【区間特急】【区間急行】、阪神なんば線のみのものとして【準急】【区間準急】があります。

そして山陽電鉄の区間を神戸三宮以西とすると、【直通特急】【特急】【普通】を基本として、【S特急】【山陽特急】が加わります。
以上を踏まえて、阪神電鉄本線、阪神なんば線、神戸三宮以西の3つに分けてまとめていきましょう。

まずは阪神電鉄本線です。ここでは神戸三宮までについて説明します。
全区間を通して通過駅を持つ【直通特急】は、大阪梅田・尼崎・甲子園・西宮・芦屋・魚崎・御影・神戸三宮と停車。平日の朝は甲子園を通過します。
【特急】は【直通特急】と同じですが、神戸三宮以西は各駅に停まります。
【快速急行】は阪神なんば線に入るのが基本となっていて、本線では尼崎・西宮・芦屋・魚崎・神戸三宮に停車するのが標準ですが、日中を中心に武庫川・今津が加わったりする一方で、土休日は芦屋を通過します。
【急行】は大阪梅田・野田・尼崎・武庫川・甲子園・今津・西宮に停車し、深夜だけ御影行きとなって【特急】と同じ停車駅に停まります。
そして平日のみ登場する【区間特急】は大阪梅田行きのみの設定で、御影を発車すると魚崎から香櫨園までの各駅に停車して、あとは今津・甲子園・尼崎・野田・大阪梅田と停まります。
要注意なのが、他の全列車が停車する西宮には停車しないという点。
魚崎―西宮間の特急や快速急行が停まらない駅の通勤客を大阪梅田方面に運ぶ列車なのでありました。
【区間急行】は【急行】の停車駅に福島・千船・「鳴尾・武庫川女子大前」を加えたもので、朝の大阪梅田行きの一部は青木から始発となります。

……かなりややこしくなりました。一度まとめておきましょう。

大阪梅田から神戸方面に向かう場合、次のように場合分けができます。
■尼崎・甲子園・西宮・芦屋・魚崎・御影・神戸三宮以西へは【直通特急】【特急】が早く着く。特に西宮より神戸寄りの各駅へは【直通特急】【特急】に乗って【普通】に乗り換えるとよい。
■野田・尼崎・武庫川・甲子園・今津へは【急行】が早く着く。尼崎行きの場合は【快速急行】に乗り換えると、芦屋と御影以外は神戸三宮まで先着できる。平日朝は【区間急行】が【急行】の代わりに走る。

返して大阪方面は別の視点でみた方がわかりやすいので、目的地別に大まかに分類します。
■大阪梅田へ行く……【普通】しか停まらない駅は尼崎までなら主要駅で乗り換える。それ以外は来た列車にまず乗る。
■阪神なんば線方面へ行く……【快速急行】に乗れるなら乗る。
 乗れない場合は尼崎までまず行く。
■大阪梅田まで途中の駅で下りる……野田で降りるなら【急行】【区間急行】【区間特急】に乗る。
■西宮・甲子園・尼崎で降りる場合は、【直通特急】【快速急行】に乗る。
 平日朝はそこを通過する電車には乗らないように気をつける。
■芦屋は御影以西から乗るなら【直通特急】【特急】に御影で乗り換え。
■それ以外は来た列車にまず乗る。

阪神なんば線は【快速急行】が尼崎と西九条の間は通過しますが、西九条から大阪難波の間はすべての駅に停まります。
【準急】【区間準急】は【普通】と同様で、尼崎から大阪難波までのすべての駅に停まります。
以上です。

山陽電鉄本線は【普通】を別にすると【直通特急】【山陽特急】【S特急】があります。【S特急】は朝と夜間に【直通特急】の間を走ります。

【直通特急】は時間帯によって停車駅が大きく変わるのですが、すべての列車が停まるところをまずは抑えましょう。
神戸三宮を出ると元町・高速神戸・新開地・高速長田・板宿・月見山・須磨・垂水・舞子公園・明石・東二見・高砂・大塩・飾磨・姫路に停車します。
そしてこれに加えて、大きく2種類のパターンに分けます。1つは神戸三宮から板宿まですべての駅に停まるもので、列車の表示は赤色ベースではなく、黄色ベースになっています。もう1つは須磨以西に停車駅が追加となるもので、列車によって滝の茶屋、荒井、白浜の宮にも停まります。

【S特急】は神戸三宮から須磨までの間は西元町と須磨寺のみ通過します。
神戸方面のものは東須磨も通過します。須磨より西は滝の茶屋・垂水・霞ヶ丘・明石・藤江・東二見と停まり、あとは各駅に停まります。
【山陽特急】は姫路と東二見の間のみを走る特急で、朝と夜間のみ走ります。

阪急と同じように、通勤通学客が多い平日朝を中心に停車駅を分けている阪神と山陽ですが、時間帯によっても使い分けがあるというのが興味深いところです。

それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。

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