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旅の伴にした本(33)関西発ゆかりの名列車

2023年6月発売の新刊でした。
交通新聞社刊「関西発ゆかりの名列車国鉄~JRネームドトレインの物語」寺本光照著。

これまでも様々な著作を出版している著者が、みずから見聞き体験してきたエピソードを交えながら関西発、つまり大阪だけでなく京都や神戸を介して西へ東へ、北陸や南紀をめざした列車群をふんだんに取り上げた作品となっています。

鉄道黎明期や戦前の歴史にも触れながら、特急・急行はもとより準急や長距離鈍行も余すところなく取り上げられており、著者と同じ世代(いわゆる団塊の世代)であれば当時の風景が文章の奥に甦ってくること請け合いです。当方と同じ世代(団塊ジュニアと呼ばれる世代)であれば幼少の頃に数多く出版されていた大百科シリーズや写真集・図鑑などに顔を出していた列車群を彷彿とさせ、20世紀末から21世紀初頭のバラエティ豊かなJR独自の車両や設備・サービスを思い起こすことができるでしょう。そして平成生まれ以降の世代であれば、昭和以前の関西の鉄道はこうだったのか!という驚きや発見でお腹いっぱいになるはずです。とりわけ昭和30年代以前の状況は現代と全く異なることに感動すると思います。

東京を軸とした列車列伝はいろいろありますが、関西在住の著者だからこそ執筆できる大作といえます。この内容を新書版で読めるというのはこのご時世、思った以上にお値打ち感あふれる著作だと推しに推して、まとめとしておきます。

それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。

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