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「勉強しろ」と「ちゃんとしろ」は大して変わらない

デジタル大辞泉の引用です。

【勉強】[名](スル)

1 学問や技芸などを学ぶこと。「徹夜で勉強する」「音楽を勉強する」
2 物事に精を出すこと。努力すること。
 「何時までもこんな事に―するでもなし」〈福沢・福翁自伝〉
3 経験を積むこと。「今度の仕事はいい勉強になった」
4 商人が商品を値引きして安く売ること。「思い切って勉強しておきます」

【ちゃん-と】[副](スル)

1 少しも乱れがなく、よく整っているさま。
 「部屋の中をちゃんとかたづける」「いつもちゃんとした身なりをしている」
2 確実で間違いのないさま。
 「言われたことはちゃんとやる」「ちゃんとした職業につく」
3 結果が十分であるさま。「朝食はちゃんと食べてくる」
4 すばやく動作をするさま。さっと。
「鉦 (かね) と撞木 (しゅもく) のやうに―だまんな」〈黄・御存商売物〉

どちらも「行動そのもの」や「その場での行動」に関する言葉であって、
その行動の内容そのものや、その行動による結果に対する評価は、
ほとんどの場合なされていないような気がします。

なので、そこでできていない・やっていないとお題目のごとく
「勉強しろ」「ちゃんとしろ」と声をかけるのでしょうが、
それは相手に伝わっているのかどうか、思索の余地がありそうです。

ここで言いたいことは「なぜするか」という理由の話ではなく、
「どうするか」という中身の話。

「どうするか」がわからない人に「なぜするか」なんて
まず伝わりません。
「どうするか」を共有したうえで、そこでやっと初めて
「なぜするか」に意味を持たせることができます。

例えば、漢字やかなの書き取りで
「トメ」「ハライ」がいい加減な人がいるとします。

もっとも簡単な声掛けは「ちゃんと書いて」でしょう。
少しマシなのが「丁寧に書いて」「キレイに書いて」でしょうが、
ほぼ間違いなく、これでは伝わっていません。
そこで自分の場合だと、「トメ」「ハライ」がお座なりだと
困る具体例を提示します。

漢字の場合はコイミ、「己」「已」「巳」の書き分けを例示します。
小学生でも中学受験をする子や4年生以上なら使えると思います。
縦画が出ない・少し出る・つながるで全然違う字なのだという現状を
知ってもらうことで、書き分けが必要であることを伝えられます。

カタカナの場合は「損失」の読みを書かせてみます。
「ソンシツ」、ですね。
場合によっては少し長くして「新卒の交流」にすることもあります。
「シンソツノコウリュウ」、となります。
どちらも「トメ」「ハライ」がいい加減だと読み取りが難しくなります。

その上で「違いが分かるように書いて」と伝えれば、
大半の場合は少しずつではありますが、改善に向かいます。
もちろん、何度も言っても伝わらない人もいますが、
すげない言い方ですが、別のところで困ってもらうしかありません。

他にも類例はいくつもあると思いますが、
勢いで「勉強しろ」「ちゃんとしろ」と連呼するのではなく、
少しばかり具体的に伝えるというのも必要ではないか?というお話でした。

それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。

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