400km近くを走り抜けるスーパーおき
今回の「西日本どこまで4DAYS」を存分に活用したといえそうな区間はどこか。自分の個人的見解において、在来線の特急列車をとことん長距離乗ることがカギかと思案したところ、出てきた答えは表題の列車でした。
鳥取と新山口を結ぶ特急「スーパーおき」に乗る。400kmを少し切る道程を5時間ちょっとで結ぶ、振り子式特急型気動車キハ187系による列車です。
新幹線が各地で延びてきている関係で、在来線の特急列車は数を減らすばかりか距離も短くなる傾向があるのですが、当然ながら新幹線とは縁のない地域を結ぶ列車であれば、それなりの距離を走り続けるものも生き残ることになります。
2022年3月改正(九州は9月にさらに改正を重ねた)時点で、長距離を走る毎日運転の在来線特急列車は寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」を別格として九州の「にちりんシーガイア」、北海道の「宗谷」「オホーツク」、そして今回の話題に取り上げた「スーパーおき」ぐらいかと思います。前二者は電車特急で、後三者は気動車特急となりますが、さすがといえるのはいずれの列車も表定時速(始発駅と終着駅との距離をその所要時間で割ったもの)が70km/hを超えているというもの。「サンライズ瀬戸」を除いてそれなりの長さの単線区間を通り、急な峠を越え、渓谷や山地に沿った曲線をグイグイ走行するものばかりであることを考えると、なかなかの走りっぷりが期待できる勢力であるともいえそうです。
さて、今回乗ったのは鳥取駅を9:30に出発する特急「スーパーおき3号」新山口ゆき。終着の新山口には14:40に到着予定。指定席が1号車、自由席が2号車の2両編成。混雑が予想される時期になると増結もありますが、今回は標準的な2両の構成。
この区間を普通乗車券として単独で購入すると6,600円、特急料金が指定席で3,170円(通常期)、自由席だと2,640円となりますので、「西日本どこまで4DAYS」の券面額の3分の2をこの区間で消化できる計算となります。参考までに、新快速で敦賀と姫路との間を乗り通した場合の距離は北陸本線経由で244.3km、湖西線経由で224.8kmとなり、運賃はどちらを通っても4,070円となります。特急料金こそかかりませんが、スケールの大きさは「スーパーおき」のほうにどうしても軍配が上がります。
実際に鳥取から新山口まで乗り通してみたのですが、途中の大きい駅ではそれなりに利用客の入れ替わりがあります。米子、松江、出雲市、それから浜田と益田。終着まであと15分もない山口から乗ってくる人もいました。
鳥取から乗り通した人は多くはありませんでしたが、自分を含めて2両それぞれに数名ずついたようです。
長距離を走る列車でありながらも地域の利用状況に合わせた利用があることに気づくことができる。これも旅の醍醐味のひとつといえそうです。
山陰本線の米子から宍道の間は宍道湖や中海が、出雲市より西では区間により日本海を眺めることができる場所がいくつも出てきます。今回のように天気のいい日であれば、なかなか見応えのある景色を満喫することができます。
なお、車内販売や自動販売機の類いは車内にありませんので、長時間乗車を考えるのであれば、駅弁や飲みもの、おやつなどはそれなりに買いこんで乗ることをオススメします。それをあれこれ思案するのも、なかなか楽しいです。
それでは次回の投稿まで、ごきげんよう。
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