はっちー、軍営を焼く
ウンバボのTier6前衛戦と言うのは、最近では1ヶ月に1回やるかやらないかというものである。
というのも平日というのはまず当たらないし、強豪は皆Tier10進撃戦をするというのである。それでいて諸将のやる気というのは少ないから、拠点戦を立てても人がいない事も多い。
さて先日、ウンバボ万年新兵にして広報部長のhachy_beeは、6拠点戦を指揮したいと言い出して私に相談した。
私は少し困った。
「普通に6拠点がしたい」と将に告げても、何も面白い事がないから、「行かない」と言うに決まっている。
そこで私は「何かしら罰を設ければ、諸将の参陣も見込めるであろう」と言った。
この場合の「罰」とは、参戦しない者への罰ではなく、参加した者で一定の条件を設けて罰を与えるものであった。
今回の場合、経験値がチームで最下位の者は、語尾に「ンゴw」を付けて話すというものである。
しかしそれでも新兵であるはっちー氏に従うものは少ないであろうと私は思った。
ところが、当日になってみると意外にもたかし族長以下3000名ほどが参陣したので驚きであった。
どちらかというと長年見てきたような面子であったので新鮮さは欠いたが、気兼ねがないので嬉しくもあった。
部族の6拠点は強い。車両が合っていなくとも、息を合わせて集中砲撃、集中突破を行うことのできる軍隊だ。
ところが将軍はっちーは、中々指揮も上手く行かないようである。前述の通り歴戦の部族の集まりであるから、族長や勘定方の闇雪氏の方が圧倒的に力強いのだった。
そもそも集団戦の指揮というのは、素早い思考を必要とするものだが、はっちー氏は優柔不断であったので戦闘中に迷ってしまうことも多かった。
一連の戦闘終了後、はっちー氏は将軍たちの前に引きずりだされた。
族長は黙っている。
闇雪氏が言った。「大口を叩きおって、我らを死なせて副長に成り上がろうという魂胆に違いない。即刻首をはねて、八つ裂きにして霞ヶ浦で魚の餌にしてしまうべきだ。死ねどす。」
れすと氏は続けて言った。「このたわけが」
私はとりなすように発言した。「どうかお待ち下さい。今日の勝率は6割を超えています。もし勝ったのに罪を着せれば、兵士たちは必ず不安に思うでしょう。」
族長が「今日は許す」と言ったので、みな肩を下ろした。
しかし当のはっちー氏は、怒りのあまり何も言えず、震えるばかりであった。
彼は帰営後すぐに自分の陣地に火をかけてしまった。火はその日のうちに消えることはなく、夜の茨城を明るく照らし出した。
軍監のみょん氏は「なんと肝の小さい男だ。あれしきのこと、幼い将軍には良くあることなのに、あのように怒り狂うとはみっともない。」と述べた。
はっちー氏は失意のうちに手勢を連れて北へ帰っていったという。