【読書】自然界での子育ては「本能」ではない。それを享受しながらも~『生き物の死にざま』ハサミムシ~#377
おはようございます、tamamioです(^^)皆さん、昆虫はお好きですか?「苦手!」という方もおられると思います。
今回は、昆虫の見方が変わる本をご紹介します。
1 「生き」なのに「死に」の本
本日のおすすめ本はこちらです、ドン!
すごいタイトルですよね。「生き物」なのに「死にざま」って。このタイトルに引き付けられて購入しました。
本書では、自然界や飼育下で暮らす様々な生物ー動物・魚類・昆虫などーが登場します。ここに登場する主人公たちの死にざまは、実にドラマチック。そして時に、胸がぎゅっと掴まれます。
2 威嚇してくるハサミムシの傍らに注目
ライオンやゾウ、タコ、マンボウ、シロアリなど、本当にたくさんの生き物が登場し、そして死んでいくのですが、私が特に心に残ったのが「ハサミムシ」です。
このハサミムシは、主に石の下で暮らしています。石を持ち上げると、多くのハサミムシは逃げるのですが、中には逃げないで、大きなハサミで威嚇してくるものもいるそうです。
お母さんなのですね。まぁ、生き物が子どもを守るって、そんな不思議じゃないですよね。「でしょうねぇ」という感じで読んでいました。
3 自然界での子育ては「本能」ではなく
・・・が、それは私の認識間違いだったのです。
そうなの!?曰く、昆虫は弱い存在なので、常に餌として狙われている。食べられそうになったときに、親が子を守っても、親ごと食べられてしまう。だから、親は卵や子を見捨てて逃げざるを得ない、というのです。
子育ては「本能」と思っていたのですが、「特権」なのですね。
4 40日間、飲まず食わずの母
その特権を享受し、ハサミムシ(母)は子育てに心身を捧げます。「子育て」と言っても、最初は卵なので、卵に覆いかぶさって卵を守ります。
ハサミムシの卵かかえるまで、約40日。この間、母親は餌を口にする時間はありません。飲まず食わずでお世話を続けます。
そして、ついに卵が孵化し、愛する我が子との対面です。
5 文字通りの「身を捧ぐ」子育て
ところでハサミムシは肉食で、小さな幼虫を餌にしています。孵化したばかりの幼虫は、餌をとることができません。
何が始まるのでしょうか。
壮絶です。さらに、次もすごい。
自分は食べられながらも、子どもたちを守る。もう、小さな生き物なのに、畏怖というか、畏敬の念すら抱きます。
母親を食べつくした子どもたちは、元気に石の下から這い出て、それぞれの道を歩んでいきます。母親の残骸を振り返ることもなく。
この章のタイトルは「子に身を捧ぐ生涯」。文字通り「身を捧」げての子育てです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!稲垣氏の本に興味をもち、これも注文しました!
kindle unlimitedも利用できます(^^)
では、今日も素敵な一日を!