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極寒の裸参り *S2.10
毎年1月14日、宮城ではユニークな伝統行事があります。
その名も「どんと祭」。
日本の各地で、小正月に行われる「火祭り」と似ているのですが、他と違うところというのが「裸参り」があるということ。
裸参りとは
1年の中でも特に寒い時期(1月頃)に、”晒+草履もしくは草鞋”という、ほぼ裸に近い格好で神社に参拝する、宮城県仙台市の伝統行事。
歴史をたどると、始まりは1840年代後半頃。
当時の仙台藩で日本酒を製造していた方が、寒仕込みに入る際の新酒祈願・安全祈願のためにこの方法で参拝をし始めたことがきっかけのよう。
参拝の方法については、このように記載されています。
白鉢巻・白さらしを巻き、白足袋・わらじの装束に身を包み、氷水で水垢離をした後、神に息かけないためとして「含み紙」と呼ばれる紙を口にくわえたまま、右手には鐘を、左手に提灯を持って徒歩で参拝し、御神火を渡り、火にあたる。
※水垢離(みずごり)=水行
「自身を清めてから参拝する」ということなのでしょうが、真冬に、しかも100年以上前の宮城は、今よりもずっと寒いはず。。。
当時の気温を調べてみた
1850年までは遡れず、、
ただ1927年の1月のデータで、
平均気温が「-0.6℃」平均最低気温は「-4.7℃」。
1850年頃も、おそらくこれくらいの気温の中でやっていたのでしょう。
氷水での水行をやってから歩くことを考えると、体感温度はもっと低いはず。
ひいい、覚悟がすごい。。
現在の裸参り
仙台にある「大崎八幡宮」で行われたことをきっかけに、仙台裸参りが広まっていきました。
1960年代から、酒造業に関係のない団体も参加するようになり、今では有志の方たちが参加している地域もあるようです。
その際には、健康診断を行う場所も多いようです。
ちなみに、私は体験したことはありません。
男女関係なく参加することはできますが、見るだけで十分です、、、!と思っているから。
これまでに子どもが参加している裸参りも見たことがありますが、これにはびっくり。
「子どもまで…!?」と思いましたが、年中半袖半ズボンで平気です!みたいな方には意外と大丈夫なのかも…??
真相は、体験した方にしか分かりませんね。
参加してみたい方は来年に向けて、募集している場所を探してみるのも良いかもしれません。
宮城県で最大規模のどんと祭
御神火(ごしんか)にあたることで"無病息災・家内安全”を祈願するどんと祭。
県内最大規模といわれているのが、仙台裸参りが広まるきっかけになった「大崎八幡宮」で行われる【松焚祭り(まつたきまつり)】。
300年以上の歴史を持ち、2005年には無形民俗文化財にも登録されています。
宮城県内各地で行われるどんと祭ですが、
より歴史を肌で感じてみたい!という方には、仙台市にある大崎八幡宮をお勧めします。
より詳しく知りたい方は、公式ウェブサイトも見てみてくださいね。
https://www.oosaki-hachiman.or.jp/festival/matsutaki/
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