司法試験・予備試験合格のための4ステップ
こんにちは、たまっち先生です。
今回は、司法試験合格法と題して司法試験・予備試験の合格に必要な学習について解説していきたいと思います。
私は令和3年度の司法試験に合格していますが、司法試験に合格するためには大きく分けて4つのステップがあると考えています。
ステップ① 基礎的知識の習得
司法試験、予備試験で問われる法律は実務科目を含むと合計10科目(憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法、選択科目、民事実務基礎、刑事実務基礎)にも及びます。そして、それぞれの科目の範囲が非常に膨大であるので、まずは基礎的知識を習得する必要があります。これをしておかないと、
当然短答式試験の問題を見ても、論文式試験の問題を見ても、何が問われているかすら理解することができず、手も足も出ないでしょう。
基礎的知識の習得方法としては、①大学の法律の講義を受講する、②予備校の基礎講座を履修する、③完全独学で学習する、の3パターンが考えられると思います。現在の受験業界における主流は②でしょう。③の独学で学習するという方法を取られている方もいらっしゃいますが、基礎力を習得するまでに膨大な時間を要することになりかねず、あまりオススメはしません。
②の予備校の基礎講座を受講するに際して注意すべき点を指摘しておきましょう。それは、「基礎講座は1周だけにとどめ、基礎講座を2周も3周も履修しないようにすること」です。
なぜかというと、基礎講座を何周回そうと永遠に論文を書く力は身につかないからです。
初学者の方が陥りがちな間違いとして、基礎講座を聞いても1周目では理解できなかったから、2周目、3周目と永遠と基礎講座を聞き直す方がいます。ですが、これにはほとんど意味がありません。
なぜなら、基礎講座の講義はあくまで法律概念、論点、判例の解説をしているにとどまるので、「どのように論文を作成すれば合格できるのか」という皆様が一番知りたいことを教えるための講義ではないからです。
したがって、基礎的知識の習得に際しては、講義を聞くのは1回にとどめ、1周聞き終わり次第、早速論文トレーニングに移るようにしてください。
ステップ② 論証・規範の習得
法律答案を書くうえで必須なのが、論証・規範です。
法律の答案は法的三段論法で書かなければ高い評価を受けることができません。法律答案における法的三段論法は、
規範→あてはめ→結論
をいいます。
具体例を挙げるとすれば、
「窃盗とは占有者の意思に反して財物の占有を自己又は第三者のもとに移転させることをいう(規範)ところ、」
「甲はVがV方に置いていた財布をV方から持ち出したから占有者たるVの黙示の意思に反して財布という財物の占有を自己に移転させたといえ(あてはめ)、」
「「窃取」に当たる(結論)」
となります。
上記に挙げたうちの「窃取」とは占有者の意思に反して財物の占有を自己又は第三者のもとに移転させることをいう、という部分が規範と呼ばれるものです。司法試験・予備試験ではこの規範を正確に答案上に指摘できなければ合格することは不可能です。
論証を覚えてください、というと一言一句覚えようとする方がいますが、そこまで
完璧な暗記力が求められているわけではありません。後述するように、司法試験・予備試験を突破する上で最も重要なのは、事実のあてはめですから、論証は7〜8割程度の正確性のものを答案に示すことができれば全く問題ありません。
論証・規範の学習方法としておすすめなのが、短時間でも構わないので毎日論証を確認することです。論証は記憶による面が大きいので、人間誰しも使わなければ日が経つに連れて忘れていきます。せっかく時間をかけて覚えた論証が試験本番で使いこなせなければ学習の意味が全くありません。そのため、短期記憶のものを長期記憶にするために、論証は毎日確認しておくようにしましょう。
また、論証集だけでは物足りないという方には、まとめノートをおすすめしております。
論証部分のみならず、論点の概要や関連判例まで押さえることができるのがまとめノートの利点です。まとめノートについては以下の記事で紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
なお、現在でbe a lawyerでは、弊社講師作成の論証集を販売しております。
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ステップ③ 短文事例問題・演習書を通して論文作成力の習得
論文作成力を身につけるためには、過去問演習が最重要であることは言うまでもありません。しかし、論証を一応覚えたという段階の受験生がいきなり過去問に飛びついても、何が問われているの分からず、完璧な解答を作成するには相当な困難を伴うでしょう。
そこで、まずは短文の事例問題集や演習書を通して、問われている論点を抽出する力(論点抽出力)を養う必要があります。
ステップ②の論証を暗記していても、その論証をいつ使えば良いのかが理解できていなければ、合格答案を書けるようにはなりません。
他記事ではおすすめの演習書を紹介しているので、ぜひ以下の記事をご覧ください。
https://note.com/tamalaw/n/n258313e81028
ステップ④ 過去問演習+添削
司法試験・予備試験を通じて最重要なのが過去問演習になります。
過去問は司法試験では平成18年から、予備試験では平成23年からの蓄積があり、それぞれ10年以上分の過去問が存在します。このことから言えるのは、過去問と同様の問題あるいは類似の問題が出題される可能性が非常に高くなっているということです。
そして、過去に実際に司法試験・予備試験の問題として実際に使用されたものであることから、問題の質が非常に高いです。1回目の起案で完璧な答案を作成するのは非常に難しく、何度も演習する価値がある問題であるといえます。
また、出題趣旨と採点実感が公表されているので、自己添削を行うことも可能です。採点実感では優秀な答案と不良な答案の違いが具体的に指摘されているので、あなたの答案が大体どの程度の答案なのかを分析することができます。
最後に、過去問演習をする中で忘れてはならないのが、起案をして放ったらかしにするのではなく、合格者による添削を受けることです。
私はロースクール生時代、合格者の先輩による添削を受けていました。添削を受けずに、合格者の講義を聞くだけでも一定程度の価値はあるのは間違いありませんが、講義はあくまで一般的な論点の解説をするにとどまるため、あなたの答案のどこが評価されて、どの部分が評価されないかのか、を把握することができません。
自己添削でその点はある程度解消できますが、事実の評価(あてはめ)が適切なものだったのか、という点は自分ではなかなか分からないものです。そのため、合格者による添削を受けることが非常に重要になってきます。
以上から、過去問演習を行い、演習を終えた後は合格者による添削を受けるようにしましょう。これが合格への近道となります。
「be a lawyer」では主に現役の弁護士、令和4年司法試験合格者が中心となって、最新の試験傾向を踏まえた過去問添削、個別指導、オンラインミーティング(スポット)、ロースタディ顧問を行っています。
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以上が、大まかではありますが、司法試験・予備試験を突破する上で必要な4つの
ステップについて解説させていただきました。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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