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イギリスでフリーランスをするなら覚えておきたい税金の話

フリーランスとして働くことは、自分のペースで仕事ができる自由を提供してくれますが、同時に税務や法律の面での責任も伴います。イギリスは必ずしもデジタルノマドにとって優しい国ではないですが、もしこの国でフリーランス活動をするのであれば、税金に関するルールを理解しておくことが非常に重要です。この記事では、イギリスでもしフリーランスとして働く際に知っておくべき税金のポイントをわかりやすく解説します。

1. フリーランサーは自営業と同じ?

イギリスではフリーランスは自営業の一形態であり、通常「個人事業主(self-employed)」として活動します。個人事業主として働くと、ビジネスの利益がそのままあなたの個人収入となります。これに対して、税金を支払う責任があります。

2. 税務登録は必須?

この「個人事業主」として活動している場合、年間£1,000以上の収入がある場合は、英国の税務当局HMRCに「自己申告(Self Assessment)」として登録する必要があります。ちなみに、副業による収入も£1,000以上であれば課税対象となります。

ビジネスを始めた2年目の10月5日までに登録をしなければ、罰金が科せられる可能性があります。さらに、イギリス国外で稼いでいる場合でも、イギリスに居住している限りは課税の対象になるので注意してください。

3. 所得税の仕組み

個人事業主として、ビジネスの収入と支出の詳細な記録を保持し、毎年「自己申告税の申告書」を提出しなければなりません。また、税引き後の利益に対して所得税を支払い、必要に応じて国民保険(NICs)も支払います。

課税対象の収入が£12,570未満であれば、所得税はかかりません。それを超えると所得税率は20%、高額所得者の場合は40%または45%の税率が適用されます。

詳細

  • 基本税率(20%): 課税対象となる総所得が£12,571から£50,270の範囲にある場合、この部分には20%の税金がかかります。

  • 高税率(40%): 課税所得が£50,271から£125,140の範囲にある場合、この範囲には40%の税金がかかります。

  • 追加税率(45%): 総所得が£125,140を超える場合は、その部分に45%の税金が課されます。

4.通知と申告に関する期限

  • 自己申告(Self Assessment)の必要がある場合:初めて税申告が必要な場合は、10月5日までにHMRCに通知する必要があります。これは、自己申告の登録を行うことで通知できます。

  • 申告書の提出期限:紙の税申告書の場合、提出期限は10月31日までです。オンラインで税申告を行う場合、提出期限は翌年の1月31日までです。

  • 税金の支払い期限:税金の支払い期限は翌年の1月31日までです。追加の前払い(「Payments on Account」と呼ばれる場合)の場合、2回目の支払い期限は通常翌年の7月31日です。

  • 遅れた場合のペナルティ:期限に遅れた場合は通常ペナルティが発生しますが、正当な理由があればペナルティに対して異議を申し立てることができます。

5. 国民保険(National Insurance)の支払い

国民保険(NICs)もフリーランスには重要な要素です。年間の利益が£12,570以上であれば、Class 4のNICsを支払う必要があります。

  • £12,570から£50,270の間の利益には6%のNICsがかかります。

  • £50,270を超える利益には2%のNICsが課されます。

これらは税金と一緒に、毎年の自己申告を通じて支払います。

6. フリーランスとして税控除を受ける方法

フリーランサーとしての仕事には多くの「経費」がかかります。これらの経費は税金の控除対象となり、税額を減らすことが可能です。たとえば、以下のような費用が控除対象となります。

  • 仕事で使う原材料や備品

  • 広告費やマーケティング費用

  • 電話やインターネットの利用料(仕事で使用した部分のみ)

  • オフィスの家賃や光熱費(自宅をオフィスとして使用する場合はその一部)

  • 移動費(業務での移動に限る)

自宅で仕事をしている場合、光熱費やインターネット費用の一部を控除できる特例もあります。正確な経費を申告するためには、領収書や記録をしっかり残しておくことが重要です。

7.複雑であれば税理士に頼る

これらのことが複雑で煩わしい場合、一番簡単で安心な方法は、現地の税理士に頼ることです。特にイギリスの税法は複雑であり、自己申告や税控除の手続きに慣れていない場合、税理士に相談することで多くの時間と手間を省くことができます。プロの税理士は、最新の税法に基づいて正確な申告を行い、適切な節税方法を提案してくれるため、結果的に節約できることが多いです。

特にフリーランスの場合は、ビジネスの経費や控除できる項目が多岐にわたるため、税理士に依頼すれば、申告ミスを防ぎ、より多くの控除を受けられる可能性があります。また、国民保険やVATの手続きなど、煩雑な部分も税理士に任せれば、安心して本業に集中することができます。詳細な情報については、HMRCの公式サイトなども参考にすることもオススメします。

まとめ

イギリスでフリーランスとして働く際は、税金や国民保険など多くのルールに従わなければなりません。正しい情報を把握し、タイムリーに自己申告を行うことで、罰金を避けることができます。個人的にはお金はかかりますが、税理士に頼ることで、正しいプロセスと適切な節税対策を講じることができるので便利です。イギリスでもし事業をするなら覚えておきましょう。

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