「理想の生活」なんて人それぞれ!海外の方がいいということは決してない
日本ではよく「海外は素晴らしい場所だ」というイメージが広まりがちです。特にSNSやメディアの影響で、海外の風景やライフスタイルに対する憧れが強調され、逆に「日本はここがダメだ」「海外ではもっと進んでいる」といった意見を目にすることも少なくありません。しかし実際には、「理想的な場所」というのは一概に決められるものではなく、それはその人がどのような環境で生活し、どんな生活スタイルを好むかによって大きく異なるのです。
私もかつて、海外での生活に憧れを抱いていました。特に、日本での生活を退屈に感じていた時に旅行でシドニーを訪れた際に、広がる美しい自然とフレンドリーな人々に魅了され、「なんていい場所なんだ」と強く感じました。
それからイギリスでの生活を経験してから数年後、再び仕事でシドニーを訪れる機会がありました。憧れの場所にまた行けることにウキウキしていましたが、到着してしばらくすると以前ほどのときめきを感じない自分に気づきました。その瞬間、自分の価値観が大きく変わっていることを実感したのです。旅行で訪れた際には、シドニーのポジティブな面しか見れていませんでしたが、その時はそうではありませんでした。仕事で1ヶ月そこで生活をしましたが、より現実的でネガティブな部分も見えてくるようになったのです。
決してオーストラリアの文化や生活を否定しているわけではなく、あくまで私には合わないなと感じただけです。冒頭に述べたように、自分が大事に主ている価値観や追い求めるライフスタイルに合うか合わないかというだけの話です。
海外にいると、とても安直ですが、日本がいかに安心できる場所であるか、そして生活面での利便性や秩序、気配りの文化がどれほど優れているかも感じることができます。
一方、海外でよく言われる「日本では考えられないような発展」が、実はその国の一面に過ぎないこともあります。例えば、海外の自由なライフスタイルや働き方が魅力的に映る一方で、それに伴う不安定さやサポートの少なさを見過ごしてしまいがちです。また、海外での物価や医療、教育の違いも、実際に住んでみて初めて気づく現実的な課題です。
本当に大切なのは、自分自身で海外に足を運び、目で見て、実際に体験することです。日本の良さや海外の魅力は、それぞれの環境に身を置くことで初めてわかる部分が多くあります。人から聞いた話やメディアでの情報にとらわれず、自分の価値観を基準に「本当に自分に合う環境はどこか」を見極めることが重要です。海外に憧れ、実際に住む経験をすることは、自分自身の価値観を見つめ直し、最も大切にしたいものを見つけるきっかけになるでしょう。
旅を通じて非日常を楽しむことも、生活を通じてその土地の現実に触れることも、どちらも貴重な体験です。そして、どんな経験をしても、日本も海外も、その地の良さと課題は表裏一体。自分で体験することによって、国境を越えた「本当の価値観」を築くことができるのだと私は信じています。
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