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21、世界(大アルカナ)解説

 21、世界

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 大まかな意味(正位置の解釈)


 裸の女性が白い布だけ纏って、2つの白い魔法の杖を持って月桂冠の中で満ち足りた表情でこちらをみています。絵の4隅には右下から獅子(棒/ワンドのスート、火・情熱や行動)、牡牛(金貨/ペンタクルのスート、土・物質や豊かさ)、天使(剣/ソードのスート、風・知性)、鷲(聖杯/カップのスート、水・感情)がおり、オレンジ色のような色で塗られていることから「運命の輪」の時よりも、それが現実化しているような状態を示します。絵の中央の女性は両性具有者とも言われており、また、元々の絵柄では女性ではなくイエス・キリストが描かれていたという説もあります。いずれにせよこの女性は男女両方の要素を併せ持った完全性か、あるいはイエス・キリストの三位一体に示されるような肉体・精神・魂全ての完全性を持っているものと解釈できます。完璧な幸福、については古来より諸説分かれると思いますが、結局のところ他者から見て不完全であろうと本人が最高に幸福だと思えるのは、その人自身のやりたいことや個性が存分に発揮されていて、それが周囲にも受け入れられているような状態ではないでしょうか。そのような状態を、「世界」は暗示しているようです。
 ★意味:自分らしさを存分に発揮していること、そのために環境も自分自身の状態も万全に揃っていること、限りなく伸び伸びとやれている故の幸福感、神に祝福されているかのように自分のやりたいことがやれている状況
 ★人間関係/恋愛上の意味:自分らしくあれる理想の相手と共に居るような状況、完璧な幸福を手にしたと思えているような幸福な状況、(相手に対する感情を占った場合)自分にはもったいないような素晴らしい相手であると感じている状況

 逆位置


 逆位置の「世界」は、あらゆる要素が揃っているにも関わらず今ひとつ満たされないような感覚があったり、あるいは望んでいた理想には届かない成果しか挙げられないやや中途半端な状態を暗示します。停滞感や、これじゃない、というような言い表しがたい理想と現実の間の不一致などがありつつ、幸せだと自分に言い聞かせているような状態がありそうです。「世界」が出ている以上は概ね恵まれている状況と言えるのでしょうが、かえって様々な要素がそこにあるだけに欠乏も感じづらく、その状態を脱するきっかけも掴めないような状態と言えます。今のままでも多少の幸福は手に入れられそうですが、内にある不満にいつまで目を背け続けるつもりでしょうか?中途半端な状態に甘んじることも人生には必要かもしれませんが、行動しなければその不満は中々解消しづらいこともあると思います。
 ★意味:希望的な状況ながら最高の到達点にはまだ達していないような状態、停滞や不満がありうる状態、何かが違うことに気付きつつまだそれを解消しようとする行動がしづらい状態
 ★人間関係/恋愛上の意味:中々に良い関係性と言えるものの不満がある状態、これじゃないような要素があると自覚しながらそれに対処できていない状態、関係が成立していない場合は立派な人物だと遠巻きに見ながらもどこか尊敬できず手が伸びていない状態

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