12、吊るされた男(大アルカナ)解説
12、吊るされた男
大まかな意味(正位置の解釈)
白い空を背景に、生きた木の枝に足を縛られ吊るされている赤いズボンと青いチュニックの男性がいます。彼は手も縛られており、身動き一つ取れない状況にあるようです。しかし、彼の表情は苦しそうなそれではなく、微笑みすらたたえています。彼の頭は黄色い後光に照らされており、彼がこの状況でも何かを得ていることを示しています。身動きの取れない試練のような状況でも、必ず何が得られることを示すカードです。
著者は、吊るされた男を北欧神話「オーディン」の神話に見立てた解釈をすることを好みます。大神オーディンはユグドラシルの樹に首を吊り、グングニルという槍に貫かれたまま9日9夜を過ごしました。彼の神はルーン文字の神秘を探るためにユグドラシルの樹に自分自身を吊って捧げたと言われています。試練をもたらすのは外なる力かもしれませんが、それを進んで受ける決断は自分ででき、そこから何かを得ることができるという神話的教訓が現れたカードだと解釈しています。但し、大きすぎる試練である場合は潔く撤退する必要もあるかもしれません。
★意味:試練や苦行の時、理不尽やどうしようもない状況が降りかかってくる時、じたばたせずに思考を巡らせるべき時、その中で何か閃きを得られるような時
★人間関係/恋愛上の意味:状況が停止してしまっていて思うように動けない時、(関係が成立していないか距離が遠い場合)他のことに気を取られていて人間関係にまで手を広げられない時、自分の要求を満たせない状態で人間関係をしている時、それでもその関係に身を置いてじっと耐えたり解決策を探ろうとしている時
逆位置
吊るされた男の逆位置については、いくつか解釈があり得ます。1つ目は、試練に身を置いたにも関わらず、それを完遂しないまま逃げたいような気持ちになっている投げやりさがあること。2つ目は、中々成果の出ないような状況に対して苦心惨憺していること。3つ目は、カードの組み合わせによりますが、どうしようもない理不尽に晒されていてもそこから抜け出すことが難しいこと。いずれにせよ、いかなる理不尽な状況であれ自分の決断の結果試練に進んだにも関わらず、耐えきれずに逃げ出したいような心理が色濃く出ているカードです。もう一度状況に対して静かに向き合ってじたばたせずにいるか、あるいは一度本当にどうにもできない状況であるとして手を引くか、または妥協するか、などを判断してみたいところです。いずれにせよ、状況に対してこのカードを得た人物ないし物事の力量が足りていないことは事実です。ここに止まって力を蓄える手段とするか、あるいはいっそ諦めるか、妥協するか。その決断と熟慮が必要になりそうです。ただし、理不尽な状況にあるからこそ必ず選択権は自分にあることを忘れないでいたいものです。
★意味:試練や苦行を途中で投げ出したいような本当に苦しい状況、状況に対して力量が足りていないために感じる焦燥感、思うように進まない状況に対して心が燻って苦しい状態、理不尽な試練や状況を前に疲労困憊で苛立ちも大きい様
★人間関係/恋愛上の意味:思うように進まない状況、思いが実りづらい状態、耐えているにも関わらず報われないような苛立ちに振り回されるような状態、八つ当たりしたいような心理、投げやりさ
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