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剣/ソードの5

剣/ソードの5

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大まかな意味(正位置の解釈)

  「剣/ソードの4」の静かな様子からは一転、流れる雲が物々しい印象を与えるカードです。「剣/ソード」の導入文からの繰り返しになりますが、「剣/ソード」の物語は他のスートとはやや異なり、様々な人物が経験する“戦争のフェーズ”が取り沙汰されているように思えます。そのため、絵の中の登場人物がそれぞれ違った背景や地位を有している印象を強く与えています。この「剣/ソードの5」の場合は、ある程度戦争が進んで勝敗が決した状況を示していると言えるでしょう。雲から下、人物へと目を向けてみると、絵の近景では剣を手にした人物がこの場を後にする者を見てほくそ笑んでいます。剣は戦利品、手前の人物は争いの勝者なのでしょう。背を向けて去っていく人たちはしかし、何も得るものがなかったのでしょうか。手前の勝者らしき人物は緑のチュニックと赤い服を身につけていますが、実りや力を示す金色で塗られているのは敗れ去っているように見える人々です。彼らは死んでこそいません。次の戦いを運ぶべきかの教訓を得ています。また、卑怯な挑戦者にどう対処するべきか、戦うべき戦いとそうでない戦いは何かを、きっと学んでいることでしょう。本当に進歩がないのは、讃えられないような戦い方をしてしまってなお、勝利に酔っている手前の勝者かもしれません。誇りなき勝利にどれだけの価値があるでしょうか?
 ★大まかな意味:勝敗がはっきり分かれるがどこか後味の悪さの残る気持ちの悪い状況、勝利はできるものの素直に喜べないような状態、卑怯な手段を使った勝利に酔いしれる傲慢さ、不毛な争いの勝者と敗者、(このカードを得た人物が敗者側と思われる場合)勝者側のような人物と手を切ろうとしている
 ★人間関係/恋愛上の意味:勝者と敗者にきっちり分かれているやや嫌な状況、喧嘩や諍いの勝敗が着いたものの確実に禍根が残る状態、搾取する側とされる側の構造がはっきりしている関係、(関係が遠い場合)どう考えても良い感情を抱かれていない
 日常における物事との関連:喧嘩、諍い、パワハラやいじめなどの悪い状況、主に精神的な暴力、搾取する側とされる側の構造がはっきりしている組織

逆位置

  逆位置になると、手前の男が勝利しているかどうかすら怪しくなります。負けている可能性もあります。するとどうでしょう?勝者と敗者にくっきり分かれた勝負から、誰も勝利者のいない不毛な争いの様相が露わになります。手前の人物も自分が手にしている勝利の無価値さに気づいたのでしょうか。敗者は苦い感慨を抱えながらこの状況を後にするのでしょうか。それでもまた繰り返すのでしょうか?「剣/ソード」は知性のスートでもありますが、同時に人の愚かしさを浮き彫りにするスートでもあります。誇りなき勝利が、実利を度外視し過ぎた思考が、感情を無視した発言がどれほどの価値を持つものでしょうか?「剣/ソードの5」は正位置逆位置問わず、それが明確に表されているカードだと思います。特に逆位置で出た場合は、行いを省みると良いでしょう。
 ★大まかな意味:勝敗がはっきり分かれる後味の悪い状況の中の敗者または勝者(敗者側を示唆することが多い)、戦うべき戦いとそうでない戦いがあると学んでいる段階、不毛な戦いもあると気付こうとしてる状態、負けるが勝ちの状態
 ★人間関係/恋愛上の意味:付き合いきれない相手に対して嫌々付き合ってやっているような状態、敗者を演じて相手の油断をかいくぐるような状態、勝者側でも自分の手にしている勝利に疑問が生じている状態
 日常における物事との関連:どうしようもない上司に部下が付き合っている組織、もはや通用しないやり方を変えずに緩やかに腐敗していく団体や関係、指揮系統に大きな問題があるプロジェクト、損ばかり膨れ上がりかつ現場の指揮や意思疎通も思わしくないプロジェクト、不和の多すぎる部活など

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