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旅する喫茶をふりかえる
こんばんは、たまきです。
唐突だが、今年3月で旅する喫茶を辞める。
しばらく前に決めてたことだが、残り2ヶ月となった。
せっかくなので、これまでのことを自分語りしたい。
めったにしないので許して。
【旅する喫茶とは】
旅する喫茶は2019年4月から僕とtsunekawaの二人で始まった出張型喫茶店。カレーとクリームソーダをメインに、全国を旅しながら地域の食材を使って各地で開店している。現在は東京と福岡に2店舗の旅の拠点がある。
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2019年4月〜
最初に高円寺の古民家を借りて営業してみたら、思いの外に反響があったので、都内に限らず色々な場所で開店するようになった。
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二人とも旅と喫茶店が大好きで、掛け合わせたらおもしろいと思い、その屋号をつけた。
実際にその試みはおもしろく、沖縄から北海道まで各地域ごとのお客さんや生産者さんや現地スタッフ、食材、観たことのない景色などの新たな出会いが刺激的で楽しかった。
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この時自分は上京3年後の24歳で、携帯キャリアのショップなどで働いていた。スマホの使い方とか教えたりするやつ。やり甲斐はゼロだったが、正直言って脳死でできる簡単なお仕事であり、とりあえずは生活できていたので、ぬるぬると続けていた。
そんな中で上司に嫌な顔をされながらも週末に休みを取って旅する喫茶を開店していた。
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旅を仕事にすることが夢だったが、特別なスキルもないしどうすればそんな事が出来るだろうかと考えながら悶々とした日々を送っていた。
趣味のスパイスカレーを仕事にして、旅を出来る環境は天職だと感じたし、やり甲斐で満ちていた。
最初の1年程度はほぼ自主企画であり、渡航費や必要経費で都内以外の出張開店はほぼ赤字で、体力的に大変な部分もあったが、なんの苦もなかった。
しばらく続けていると個人だけでなく企業からも出店のお誘いをいただけるようになり、ありがたいことに出張予算が出るようになったり、実績をベースに交渉できるようになった。そこからは今に至る。
全都道府県に出張で訪れるのが自分の中で最大の目標だった。
2021年3月〜
しばらく間借り営業を続けたのち、実店舗が出来たのはまさにコロナ渦中真っ只中のことであり、先行き不透明な時期だった。収束時期が不明すぎたので意を決して開業へと漕ぎだした。高円寺には上京前から何かと縁があったし、住んでいるし、大好きな街であったので、高円寺を選んだ。
安定して旅を続けるには拠点が必要だった。
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本当に感謝です
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そこからこれまでのおよそ4年間の間、ありがたいことに企業や団体からのコラボ案件をちょこちょこいただけるようになっていった。旅に出ること自体は少なくなってしまったが、間借り時代と比べて確かに店としての成長を感じた。
2023年9月
福岡に2店舗目の泊まれる喫茶店をオープンさせたのは高円寺店開業から2年目のことで、そうすると決まった時から、どんどん全国に旅の拠点が広がっていくんだなとワクワクした。実行してくれる仲間にも感謝した。
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〜現在
それと同時に、当初から拭えなかった相方とのコミュニケーションの澱み、船頭不在の船に乗って航海している感覚、疎通不良感が、やり取りが必要になるにつれて次第に増していった。また、会社としてはあくまでナンバーツーであり、大事な物事を自分主体で率先して進めることが出来なかった為、及ぶところの限界を感じていた。
そして高円寺店では、ここ1年で主にSNS用の撮影スポットとしての需要が最高潮に達し、最近では多くの来店動機が推し活目的となっていた。中には30分以上手を付けず、撮影をし続ける人も少なくなく、冷え冷えになったカレーとドロドロになったクリームソーダを毎日眺めて、少しずつ、着実に心が死んでいった。
僕だって外では食べる前に写真撮ることが多いし、常識の範囲内であればもちろん撮影歓迎だが、節度を持ってほしい。美味しいうち、綺麗なうちに食べてほしい、ただそれだけの願いである。
これに関してはコンテンツとしても伸び代がめちゃくちゃあると感じつつも、相方との方向性の違いにより、こういったモヤモヤを自分の意思で少しもコントロール出来ない環境下では、自分が自分である必要もなく、もはやここに居場所はないと感じ、無念ながらもこうして卒業する決意となった。
僕の人生はスクラップ&ビルドで進んでゆく。
今後
まだどうなるか分からないので、詳しくは言えないが、新しい店を作るために動いている。
完成した暁にはぜひたくさん遊びに来てください。
最後に
今まで旅する喫茶に来ていただいた全国の皆さん、本当にありがとうございました。店は残りますので、引き続きよろしくお願いします。
お仕事をご一緒していただいた全国の皆さんも本当にありがとうございました。また何かでご縁があればとても嬉しいです。
tsunekawaを始め、これまで一緒に店をやってきてくれたスタッフ一同にも心から感謝しています。ありがとうございました。
またどこかで!
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