【スペイン北の道⑨】サンティアゴ・デ・コンポステラ で「A・RA・SHI」をスペイン女子と歌う
さて、スペイン巡礼路の旅で考えたことのひとつ「観光産業」ってどうなるべきかってことがありました。
海外からのお客様を受け入れて街の経済を潤すというものです。
私の住んでる北海道も、日本前提でも、コロナからの「鎖国」を経て次のフェーズに向かっている。
スペインは観光産業が盛んとされています。経済の資料を見ると、海外観光客から観光客収入を得てる国はアメリカ、フランス、スペインがベスト3。私自身が巡礼路「北の道」を歩いたことで、ビーチリゾートに世界中の人がいるのを見た、というか、巡礼路「北の道」全体もスペイン人よりそれ以外の国の人が圧倒的に多い。カミーノ・デ・コンポステラは世界中の人がいる「観光装置」でもありました。
私が泊ったようなスペインのお手頃なホステルやドミトリーは、ワンオペが普通で、スタッフは朝早く出勤してきて、掃除して、シーツなどを建物内の洗濯機で洗濯して、受付して、ベッドメイクして、お客さんが入ってきてシャワーを使うとたいていそこが水浸しになる。シャワールームにモップをかけて、最後の予約客を受け入れて夜8時過ぎに帰宅していく。
だから忙しくて昼間は受付をしなくていいように入口は閉めてるし、夜の間は館内にスタッフは無し。
ワンオペだから安い価格が実現して、BookingCom任せで世界中からお客さんがくる。
そしてそんなドミトリーの受付の女性たちは、たいてい英語ペラペラでとても優秀で、親切で、そして忙しい。スペイン人は他のヨーロッパ人より英語話者の割合が少ないようにみえる、だから、このホテル勤務女性がちはこの仕事をしたいために英語をすごく勉強しただろう。
しかし彼女らの献身的な勉強と働きが彼女たちのキャリアアップにつながるのだろうか?
サンティアゴ・デ・コンポステラで泊まったホステルの受付はカルメンさん。彼女は英語は当たりまえで日本語もとても上手でした。
わたしが日本人と知ると、勉強していた日本語で一生懸命、話しかけてくれます。この街に来る観光客で日本語を話す人は少ない(私は巡礼路でひとりも日本人に会わなかった)。
このカルメンちゃんが「嵐」のファンで。メンバーの名前を全員言えたのであります。
ショー・サクライ!とか言える。アイバチャンも言える。
日本語を勉強したかった動機も「嵐」のことを知りたかったらしい。じゃあ、これ唄える?「アラシ~アラシ~♪フォードリーム♪」いっしょに唄いました。
これは2023年10月の初めのできごとです。例の事務所の2回目のとても紛糾した記者会見の時期なので、そのニュースをカルメンちゃんに見せると「So Sad、なんで事務所なくなるの?」「性的な問題がわかった」「おぉ(悲)」
こんな地球の反対側の女子たちも悲しませたのだよ!
さておき、英語と日本語が堪能で、世界のいろんなことに興味があって仕事をちゃんとする女子が、このままこの受付の生活をいつまで続けるのかな?と気になります。
スペイン国は、海外でにモノ売ってお金を稼ぐ手段が多くない。比較対象として隣のフランス。フランスは農業やら食品やらクルマやら服やら売るけど。スペインはあんまりないなあ。過去の財産(美しいビーチや教会)でお客さんを呼んで食べてる。
・・・私はこういうときたいてい「信玄餅」を思い出す。いまだに山梨に人を潤す信玄公の偉大さよ・・・
つまり、この日本で、いま、観光産業をなんとかしようと、英語を勉強しろ、日本らしいおもてなし(親切×笑顔×清潔×安全)で経済回したとして、しかし国外に製品や価値を売る力が強くない。円は安くなる一方。
結局、いまある自然や古い街(昔からある価値)を食い尽くしていくだけになるんじゃないかな?スペインみたく。
観光産業は若い人の才能(人的資本)を食いつぶす可能性がある。
観光業につきたい日本の若い人、一生懸命、勉強している人たちがいつかどん詰まり感を持たないで成長していける方法はないのかな、
「A・RA・SAI」を唄いながら思いました(?)。お別れのとき、ここまで持ち歩いてきた和三盆の最後のひと包みカルメンちゃんにプレゼントしました。日本のお菓子だよ。
日本らしい親切・笑顔はいいとして、それが日本の差別化としてそれでいいけれど、それだけではいずれどん詰まりになるよなあ、新しい価値(アニメやアイドル以外)も「外」に出せた方がいいし、だからそんな意味でも、
スペイン巡礼歩きに行ったらいいんじゃない、体験したほうがいいんじゃない(論理の飛躍)?」と思ったのでした。
昨日2024年3月29日をもって私のスペイン巡礼の旅の電子書籍『~フランス・パリからスペイン「北の道」歩いて1300キロ~
サンティアゴ・デ・コンポステラ 90日間おばちゃん巡礼記』 全5巻がすべて発売になりました。
私の電子書籍の内容はこちらで紹介しています
インスタグラムで旅の写真を配信しています。
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