スキビについて語るの巻 45巻
今回収録されているACT277からの方舟の流れ。これがスキビ再燃したきっかけとなったと言っても過言ではない。
そんな自分にとって記念すべき(?)45巻のネタバレ含む感想などをグダグタと綴りたいと思います!長いです!
脳内垂れ流しなので色々読みにくいと思いますが、ご容赦ください!!
まず、45巻を語るには44巻を語らねばなるまい…
個人的には44巻、かなり辛かった。これ何度でも言う。「敦賀蓮が演じるカイン・ヒール」を演じられなくなって久遠剥き出しでキョーコを責め立てた時も辛かったけど、44巻で「敦賀蓮」がショータローとキョーコのやり取りを見てから余裕をなくしてキョーコに浴びせたの、かなりしんどかった。そしてショータローを庇う様な事を勢いで言ってしまったキョーコに対しても「なぜ今その返し…!!」と。
あの車中のシーン。心が抉られるッス…
蓮がキョーコに対して冷静さを欠く、そのトリガーはいつだってショータロー。
蓮に対しては
嫉妬に駆られたとは言え、あの態度、あの言葉はダメでしょう!?大人気ない!!と言う気持ちと、
何時だって自分の先周りして行動しているようなショータロー(対レイノ、VD、冴菜の件。しかも週刊誌に撮られた二度目ショータローとのキス)に対して、余裕が無くなってあんな事を言ってしまうのも理解は出来るって気持ち。
両方とも存在するんです。
特に後者については、行動はショータローの方が先だけど、キョーコにとっての結果を見たら敦賀氏の一人勝ちなの。でも敦賀氏はそんなキョーコの状況知らないから、色々大人として抑えてた気持ちがショータローとのイチャコラを見てよくない形で出てきてしまったのは分かるんです。
でもキョーコからしたらそんなの知らんがなって話なわけで。
が!!何故その反論がショータローを擁護するベクトルに行くかな〜!!!
まぁ人間理不尽に責められたり、思考に余裕がない時に、思ってもない事や今言わなくてもいいことを言ってしまうって言うのは誰しも経験あるとは思いますが…。わたしはあります。
キョーコ的にはショータローに対する蟠りがなくなって来てるのは事実だから、あの発言自体は内容に嘘はないのしょうけど。ただタイミングが最悪だっただけ…そうタイミング…
しかもそれからの蓮スキャンダルですよ!
踏んだり蹴ったりもいいとこ!!おお、タイミング…
このあたりのキョーコのモヤモヤした気持ちを、ちゃんと整理出来てなくてとっ散らかってしまうので整頓する。
蓮には高校生の想い人がいる
でもどこに居ても大切な人は作れないと言っていた
自分には幸せになる資格がないと思ってる節がある
それが根底にあるからカインを演じてる時も不安定になってた
恐らく蓮の想い人は非人道的で鬼畜で卑劣な森住仁子
でもそんな人間性を蓮は知らないだろう
蓮の想い人があんな人間だなんて嫌だ
でも蓮には幸せになって欲しい
って思ってたのに。あんな妖艶を絵に描いた様な歳上の人とのスキャンダル。
あんなに辛そうに「どこにいても大切な人は作れない」って言ってたのに、
たった4つの歳の差、相手が未成年である事を気にして、自分の気持ちを抑えようとしてたのに、
好きな相手は居るけどどうこうするつもりはなくて、大事な人は作れなくて、でも結局色気がある女性に迫られたらホイホイキスなんかしちゃうんだ。
ショータローみたいに。
でも蓮はショータローの様に不誠実な事をする人間じゃない。つまり例の歳下の彼女とは別に「香凪さん」という新たな大切な存在が出来たという事か。
世間的には蓮の相手として香凪さんは歓迎される相手
あれだけ自分は幸せになる資格が無いと思っていた蓮が大切な存在を作ったなら、恐らく結婚まで考えるだろう。
自責と言う生き地獄から解放されたという事は喜ばしいことのはず
蓮に相応しい、誰が見ても納得出来る相手であるなら前に言っていた高校生の想い人とは違ったとしても納得すべきなんだろうが
でも出来ない。
森住さんが蓮の想い人なら、人間的に難アリで納得出来ない。
香凪さんは蓮の相手として誰もが納得する相手なのに、納得出来ない。
蓮の幸せを祈るなんて言いながら、誰が相手であったとしても納得出来ない。
蓮の幸せを祈っているのに、心の底からはどうしたって喜べない自分
こんな自分の気持ちと向き合うの、しんどいと思うんです。蓮にとって喜ばしい事が、自分にとって喜ばしく無い事。好きな人の幸せなのに、どうしたって納得出来ない気持ち。相手を責めたくなる様な自分の醜さ。決定的な事を聞きたく無くて逃げてしまう弱さ。
坊とのやり取りで、同性愛者の香凪さんが当て馬に蓮を利用していた事が判明して、じゃあやっぱり蓮の想い人は森住仁子!ってなるのがキョーコクオリティですね…!ラブミー部1号の恋愛屈折思考は半端ない。ここのやり取りアンジャッシュ感凄かったw
(蓮と坊との再会の時の「口先ペラ男かよ」ってセリフに、キョーコが理性で抑えてた本音が凝縮されてたのが秀逸すぎると思いました)
『相手に誤解されたまま避けられるのが辛いなら、相手との関係どーこーは置いておいて、思春期で潔癖な思考の彼女に自分の想いを伝えてしまえ!』
仁子を蓮の想い人だと思ってるキョーコからしたら、この嗾けって身を切る思いだと。でもそれで蓮が幸せになるなら自分の想いなんて、もうどうだっていいと思える強さ。愛を信じられないけれど、キョーコの蓮に対する想いってかなり深い。(元々愛情深いからこそ、相手の愛を期待する事に疲れて諦めてしまったんだなぁ…)
この巻の見所は想いをキョーコに伝えようとする蓮と、そうとは知らず蓮の袋小路計画(仁子への想いをキョーコに伝える事で蓮自身の退路を断つ)に利用されると思い込んで逃げるキョーコの噛み合わない会話から、明らかになる蓮のキョーコへの想い。そしてピンキーリング事件のあらましから蓮がキョーコの気持ちに気付くところだと思うんですが。
蓮がキョーコに対して一番蟠りを解きたいのは香凪さんの事じゃなくて、ショータローとキョーコの仲が近づいている事への焦燥感と、ショータローに嫉妬して思っても無い事を言ってしまった事で。モー子さんに釘刺されて複雑な表情してたのは、香凪さんとのスキャンダルの事情を明かせない複雑な気持ちもあるけど、ショータローへの嫉妬で言ってしまった言葉の「みっともなさ」に対する方が強いんじゃ無いかなぁ、と個人的には思ってます。
もちろん香凪さんとの事を誤解されて避けられてるのも気にしてると想うけど。
対するキョーコは、香凪さんスキャンダル後は蓮から言われた焼け木杭に火がつく発言が頭の中から抜け落ちてる。
二人が気にしてるところが違う。
このすれ違いがね、堪らんなぁ!!
キョーコは蓮の焼け木杭発言に対しては時間が解決してくれたらいいなぁって思ってて
蓮は香凪さんとの事はいずれ時間が解決してくれるからって思ってる。
自分は時間が解決してくれるって思ってるけど、相手はそれに苦しんでる。
って構図がね、この巻の凄いところだなぁって思うのです。
これが言いたかった…
辿りつくまでに時間がかかった。
ふう。
蓮は自分の気持ちを伝える事で香凪さんとのスキャンダルの誤解を解いて、かつショータローとの距離がこれ以上縮まらない様にしたかった。
それって、自分を恋愛対象に見れなくても、自分はキョーコの事をそう見てるって伝える事で、蓮を「そういう対象」として意識して欲しいって事も含まれてるよね?でも今すぐ付き合うつもりも無いんだもんね。そこ含めてホント色々長期戦で行くつもりだったんだなあ。
キョーコは蓮は仁子に告白するもんだとばかり思ってたら、まさかの蓮の想い人が自分で大混乱。この正常思考出来なくなってるキョーコ、可愛い。
もう、蓮に自分の気持ちを隠さないで、堂々と想っていいんだよ…!!!
ピンキーリング事件でキョーコに「最低ですね」と言われた蓮が、その蒲公英をドライフラワーにして、それをレジンでペンダントトップにしてキョーコが身に付けてるの見たら、破顔しそうですね!!この回収、あるといいなぁ。
44巻から日にちが2日しか進んでない事実に驚愕しつつ、しかし長いこと両片想いだった二人が両想いになるにはこの濃度と密度が必要だったのだ、と自分を納得させるわけです。
ザ花のホワイトデーの話は今回載らなかったので、これは次巻かな?
本誌をリアルタイムで追いつつ、単行本で一気に読むとまた色々発見があります。でも、また拾い切れてない伏線とか台詞とか色々あるんだろうなぁ。
Twitterにもちょろっと書きましたが、親や環境などのスタート部分は選べず、そのスタートが故に起きた出来事は子供の力ではどうにも出来なかったけど、大人になってその過去さえも糧にして、自分の力で進んで行く様が「スキップ・ビート!」なんだろうなって思うのです。
連載当初はキョーコの芸能界での邁進劇の様子がスキップ・ビート!なんだと思ってたけど、蓮が久遠を乗り越えて、クーを乗り越えて行く様もスキップ・ビート!なんだな、なんて今更ながら気付きました(遅い)。
これからお話が完結するまで、この二人の歩みをワクワク見守っていけたらなぁ、と思います。
めっちゃ長くなった!!
ここまで読んでくださった方、ありがとうございました!!!
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