今週読んだなろう小説たち 31
オススメのために読み返しつつ、やはり読んだことがない作品も読みたいと思って読んでいたら感想書いていない作品がたまりに溜まってしまった…。なので「今週」ではなく、ここ3週間読んだ作品たちが正しいです。ムーンの方は纏めてもいない…
基本好きで、今後も読み返すだろうなって作品をブックマークに入れていて、ブクマに入れたのは結構ちゃんと覚えているのです。しかし作品スコップして読んでる間に「あれ、これは読んだことがある気がするぞ」って思ったときに【作品名 環 note】で検索して、自分の書いたあらすじと感想読んで「ああ、ああ、そうだった。読んでたわ。そしてこう思ったんだったわ」って確認するんです。
なのでここに書いているのは誰かの目に留まったらいいな、と思いつつ半分は自分のための感想だったりする。
作品数がかなり多いので、あらすじも感想もざっくり。ネタバレ含むので注意お願いします。
・公爵家は義兄が継げばいい。
義母の連れ子として公爵家にやってきた5歳上のエドワード。彼が公爵家を継ぐには義妹となるアデールとの結婚が条件と噂されていたが、アデールはエドワードは愛する人と結婚し公爵家を継ぐべきと考え、自分との結婚話が頓挫するよう振舞うことを決める。
アデールが自身の浅知恵で空回っていたけど、纏まるところに纏まってよかった。エドワードがイイ奴。見目はイマイチなのかもしれないが精神イケメンでよい。王太子はちょっと頭が足りていない感じがするけど良いのか?
・切り離された未来
宮廷魔術師のアストは国王を狙った暗殺者の魔術を受け、13歳以降の人生を全て"切り落とされて"しまう。アストの恋人リディは彼の足枷にならないようお腹の子と行方をくらませた。その4年後田舎の村で娘アリシアと暮らすリディは21歳になっていた。そこで17歳になったアストと再会する。
記憶を失うのではなく、がっつり6年分の成長も記憶も切り離す魔術って結構えぐいよな。リディのことを覚えていないのに、また同じ人に恋をし、娘のアリシアもアストを父だと知らないのに自然に懐くのを見て嬉しさと罪悪感に苛まれるリディ辛い。アストが一途なのが救い。魔術があり、弁護士や保育園・スーパーもある世界観はちょっと違和感?異世界ものに対するわたしの固定観念側に問題があるのだろうが。
・シシリアとジューシーな侯爵さま
子爵令嬢シシリアは両親が事故で死亡した時に発覚した借金のカタに屋敷や家財道具を失くす。ショックで倒れたその時に日本人だった前世の記憶を思い出す。前世での料理スキルを活かし店を出す貯金のためにグロスロード侯爵家にメイドで働く事に。しかし侯爵家の主人ロイもその姪サラもかなりの偏食家。そのためサラは病弱、ロイはジューシーな我儘ボディ。シシリアはお金を貯めるついでに二人を健康な身体にすることを決める。
異世界に豆腐や醤油はあるのか?という突っ込みをしたらきっと負け。とにかくサラとシシリアのやりとりが軽快。サラ可愛いよ、サラ。仕事はできるがジューシーな体型ロイはシシリアにとって好みど真ん中だけど、前世の経験からロイを健康ボディにするために奮闘するシシリアと体重をちょろまかそうとするロイのやりとりも可愛い。良くも悪くも自分の立場を弁えているシシリアと、シシリアに惹かれながらも決定打を打てないロイとの牛歩な恋もいい。
・失くした記憶と愛の紋章
見習い魔女ロゼッタは森で怪我をし倒れたいた青年を助けるが、彼は記憶を失くしていた。ロゼッタは彼に「レオ」と仮の名前を付ける。レオは命の恩人であるロゼッタを慕い忠犬の様に振舞うが、彼の腕には魔法使いにとって特別な『契約の紋章』があった。この紋章は既婚者の証。ロゼッタは自分に敬慕するレオに絆されないよう誓う。
レオの正体は物語序盤で予想がつくのですが、なぜそこから今の状態になったのかというのが少しずつ明かされていくのがハラハラドキドキしながら読めて楽しかった。レオとの恋物語であるけどロゼッタの成長物語でもあるよな。彼女が抱えるコンプレックスは完全になくなったわけではないけど、覚悟を決めて「これから変わっていこう」とするのが、安易に障害を乗り越えるのではなく発展途上感があっていい。自己肯定出来るようになるまでまだ時間はかかるだろうけどレオもいるしきっともっと魔法も精神もコントロール出来るようになるんだろうな。
・弱気MAX令嬢なのに、辣腕婚約者様の賭けに乗ってしまった ★
伯爵家令嬢ピアは10歳の時に流行病にかかり、大学院で研究に明け暮れていた時に出来た彼氏に本命彼女がいた上、コンビニ強盗殺された前世と、ここが前世プレーした乙女ゲームに酷似した世界であることを思い出す。ピアの婚約者ルーファスはヒロインの攻略対象。前世の記憶からまた捨てられるくらいなら彼を愛する婚約解消したいと思ったピアはその旨をルーファスに申し出る。しかし婚約解消に納得しない彼にその思考に至るまでを洗いざらい吐かされ、「7年後予言通りに婚約破棄するか賭けよう」と持ち掛けられる。
辣腕ルーファスがとにかくいいキャラ。努力を惜しまない真面目な一面と腹黒な一面とピアに対しては一途に思い続ける一面とで本当魅力的。ピアは前世知識チートがありつつ、前世の辛い恋の経験から自己評価が低く、ルーファスの愛情に対しても懐疑的になってしまう臆病な面がある。でもそんな部分もひっくるめてルーファスがピアを大好きなのがいい。コミカライズもちょっと読んだけど、これもいいコミカライズ!!
・訳あり魔法使いと逃亡中の花嫁 ★
両親を亡くし伯父伯母に引き取られたフローラは「妖精の落とし子」として忌み嫌われて下働き同然で暮らしていたが急に伯爵家から求婚される。顔合わせで意識を失わされて、ウェディングドレスを着せられた状態で監禁されたフローラは、偶然街で出会った精霊のおまじないを思い出し命からがらそこから脱出する。辿りついた森で魔獣に襲われ気を失ったフローラを助けたのは、喋ることが出来ず筆談をする魔法使いだった。
それぞれ事情がある二人が少しずつ距離を近づけていくのがまずときめく。生活能力皆無で訳アリの魔法使いルシアンと、自己肯定感が低く本能的に恐怖を抱く相手との結婚から逃げてきたフローラが、心地よい距離感で「生活」し、段々意識していく過程がよい。そこからフローラを望んだ伯爵から空の大精霊が絡み、ルシアンの事情からのクライマックスは手に汗握った。セラさんいい人。イングリッドも不器用だけどフローラのことを思っているのが最初からちゃんと滲み出てた。想いが通じた後のルシアンの愛情駄々洩れっぷりとそれに振り回されるフローラ可愛い。ランチェが大らかな国でよかった。番外編もよい。
・とりあえず俺たち、一年間だけ婚約してみる? ★
侯爵家令嬢シェリルは剣術が大好きで17歳になっても婚約者ができない。しかし新年挨拶の夜会で皇太子と謁見したシェリルと幼馴染で公爵家嫡男のアルベルトは、皇太子からそれぞれこの場で婚約者を作るよう命じられる。1年後の皇太子の結婚式が終わった後に解消してもよいと言われるが相手がいないと突っぱねる二人。しかし皇太子は相手は目の前にいると言う。勅命には逆らえない。そこでアルベルトから出た言葉は「とりあえず俺たち、一年間だけ婚約してみる?」だった。
はい!ケンカップル両片想い、最高です!!!仮初の関係のはずが周りの人間にどんどん外堀が埋められていき、喧嘩しながらもずっと意識していなかった相手への気持ちに気付いていくのもめちゃくちゃときめく。ずっとお互いが特別で、その特別が意味することが変わっていくのがたまらん。特にアルベルトが当初からシェリルのこと無自覚で大好きなのが本当ツボすぎて毎話きゅんきゅんした。
最初皇太子ユリウスの勅命から便宜上婚約者になった二人だけど、実はその裏に隠されていた事情が後半から明るみに出る。そこからのお互いのことを思うが故の展開も切なかった。もうどうしようもないと思われたところからの形勢逆転もよかった。アルベルトとシェリルの関係は言うまでもないのですが、アルフレートとリシューも、親世代の話もときめく。ローズベルト伯爵家の兄妹はちょっと不憫。二人には幸せになって欲しい。
本当読みごたえがあって、ツボばかりでもっと評価されてほしい作品です。
・生贄の娘
8歳下の第二王子ルネの後楯となるべく、彼が成人になるまでの間仮の婚約した宰相の娘マドレーヌ。国の安寧のため生贄として捧げられたマドレーヌはルネが15歳になりその解消を申出る。
おお、メリバ?マドレーヌは国と王子の都合で生贄のまま。マドレーヌの心は王太子よりもルネにあっただろうが、果たして彼女にとって一番幸せな未来はこの選択肢にあるのだろうか?というちょっとした怖さがある。そのルネの闇ごと引っくるめてマドレーヌが受け容れられたらハッピーエンドなのだろう。
・私だけを見つめて欲しい
病弱で美しい姉アリソンの代わりに家を継ぐため婿をとる必要があるシャノン。しかし、出会う男性はみなアリソンに心奪われてしまう。そんな中、父から持ち込まれたのは幼馴染ロジャーとの縁談だった。
姉と比べられて自己評価が底辺なシャノンだけど、ロジャーと一緒に過ごすうちに彼に惹かれ信頼関係を築いていく。ロジャーもシャノンに対して誠実なのがとってもいい。アリソンは同情の余地があるとは言え結構苛々した。あ母さんがしっかりしていたのが救い。ロジャーとシャノンがちゃんとお互いに向き合って友情から恋になって、そして夫婦になっていくって言う過程に胸がじんわりした。
・理想の人と愛する人は違うもの?
実家の資産がない側室から生まれた病弱な第四王子グレアムを援助すべく成立したエレノアとの政略結婚。結婚一年たっても歩み寄る事なく過ごしていた二人だが、ある日エレノアはグレアムの鍛錬している姿をみてときめいてしまう。
痩せマッチョが理想のエレノアが、理想とは程遠いグレアムの身体付きから意識し、グレアムからの歩み寄りで心を近付けて行くのももちろん良かったのですが、そこからのエピローグに泣く…!理想と違うにも関わらず、惹かれ愛するようになったエレノアがグレアムと築いた絆に涙した。
・死神騎士は運命の乙女を逃がさない
生まれながら1人に1つ<祝福>を持つ国で、伯爵家令嬢エメリーンの祝福は<運>だった。第二王子から婚約破棄された時に、ここが前世日本で読んだ漫画の内容に酷似した世界だと思い出したエメリーン。修道院で静かに暮らそうと思った矢先、この国の英雄であるランスロット将軍との結婚を命じられる。ランスの祝福は<死>で、エメリーンの何も齎さない<運>でその祝福を中和出来ないかと考えられたための婚姻だった。
利害関係で結婚したと思ってるのはエムだけで、ランスは最初に会った時点でエメリーンに惚れてるのに鈍感なエムに空回るランスが可愛い。本懐をなかなか遂げられない不憫さも良かった。しかし、領主城でのエムへの待遇はなかなか辛かった…。ホントロニー無能かよって思ってしまった。仕方ないけど。あと王太子のサイコっぷりもやばい。この国ヤバいなって思ってからの結末にちょっと安心。王太子妃もそりゃ国に帰るわな。
・身代わり令嬢は愛し、愛される ★
辺鄙な村から金で買われたフィーネ。彼女を買ったニコラスはフィーネに淑女教育を施し慈しんでくれた。しかしフィーネはニコラスが愛した「レティシア」の身代わりとして自分が引き取られた事を知りニコラスはレティシアを愛したまま亡くなった。前世の記憶を持ち転生したフィーネだったが、同じく前世の記憶を保有してニコラスと再会し婚約するが、前世の記憶がないレティシアとも再会する。彼女の婚約者ユアンを連れて。
「(誰にとって)(誰が)運命の相手」で、そして「(誰を)愛し、(誰に)愛される」のかって言うのを、読みながら探るのが楽しく、そして切なかった。ミスリードなのかそうじゃないのか、みたいにぐるぐる考えながら読んじゃう。ニコラスとユアンの2人の男性とフィーネの関係がずっとぐらぐらしていて。しかしニコラスの狡さと不誠実さがね、やっぱりアカン。もし、ニコラスが自分の心ともっとちゃんと向き合ってフィーネに対して誠実になっていたら違う未来もあったかも知れない。
それに対してユアンは口は悪いしけど心からフィーネに向き合っていて、誰かの身代わりではないフィーネをちゃんと見てる。2人が紡ぐ穏やかな日常があったかくて、そしてそれまでのフィーネを思うと切なくて、2人が「お互いを愛し、愛される」日は近く、そしてそんな何気ない日々の連続が2人の未来なんだろうなって終わりが良かった。
・次の配属先が王太子妃となりました ★
この世界とは違う妙な記憶を持つ酒場で働くリリアナ。お客さんの紹介で王太子妃候補のお世話係になるが、あれこれ駆け回っているうちに王太子ジルベルトと友情を築くようになる。
大雑把であっけらかんとしつつ人たらしなリリアナと、背負うものがあるから真面目だけど実は籠って自分の好きなものづくりに没頭することでバランスとってるジルベルトが、最初は特にジルベルト側がリリアナにタジタジしてたのにいつの間にか友情を築き、そしてお互いが特別になって行くのが良かった。
リリアナとジルベルトのやりとりが軽快で、特にジルベルトはリリアナが自分らしくいられる相手っていうのがときめく。なんだかんだ言って結構当初からリリアナに特別感があるのが善き。リリアナの転生の人たらしっぷりで王太子妃にまでジョブチェンジして行くのがご都合主義感ありつつ、またそれもエンタメかな?と思える感じだった。オヴェストがなんだかんだ可愛いかった。
・春の嵐 ★
魔術師で人嫌いのデュッセルドルフと学園で同じクラスになったヘラ。社会性皆無な彼の世話を成り行きで請け負うことになり、彼に懐かれたヘラは卒業と同時にデュッセルドルフの補佐官になる。すっかり彼に絆されてしまい、うっかり一夜を共にしてしまう。
圧倒的に言葉が足りず態度が分かりにくいけどヘラが大好きすぎるデュッセルドルフと、魔術以外ポンコツなデュッセルドルフに絆されてしまったヘラのすれ違いがいい。とは言え5年近くすれ違い続けてたから、特にデュッセルドルフの家族はヤキモキしてただろうなぁ。
・二度目の恋はとても難しい
幼い頃に負った傷跡の後遺症でダンスをしたり長時間だったりすると翌日動けなくなってしまう侯爵家令嬢キャロラインは第三王子アルバートの婚約者候補だった。しかし婚約者候補を辞退し領地でゆったり過ごそうとした矢先、王宮に連れられ婚約者候補から婚約者に変わってしまった。
自分の過去を内緒にしたままキャロラインに自分を好きになってもらいたいアルバートと、そんな彼に少しずつ二度目の恋をして行くキャロライン。キャロラインに負い目がありつつも彼女を手離す気がないアルバートが、自分の正体を知らせないままキャロラインを一番に考えて外堀埋めて行くのが誠実さがあって良い。キャロラインも恋が愛になり全てを知った上でそれを隠して幸せな人生を歩んだって言うのがジーンときた。
・拝啓『氷の騎士とはずれ姫』だったわたしたちへ(連載中) ★
体調不良を起こした時に厭わず助けてくれた騎士オスカーに恋した病弱で世間から「はずれ姫」と渾名される第四王女リデルは彼に降嫁した。幸せな結婚生活を夢見ていたがオスカーはリデルに何も望まず求めない。心が通う事がなく1人娘エミリアが出来るがある事件がきっかけで命を落とす。それから12年後、ジュリエットは自分の前世を思い出す。夫に愛されなかったリデルとしての過去を。今度こそ平穏に生きようと思っていたのに、ひょんなことから元夫オスカーの城でエミリアの家庭教師として働くことになってしまう。
ずっと気になってはいたのですが、読み出したらもう止まらない…!面白いっす!!リデルは自分がオスカーとの結婚を望んだと思ってるけど、実はその前からオスカーがリデルとの結婚を望んでるっていうのもすれ違ってるけど。リデルはオスカーが自分に城主の妻としての振舞いを求めないのも、何かを能動的にする事を厭うのも自分を妻として認めてるおらず飽くまで王女と結婚する事で得られるメリットからだと思ってるけど、実はオスカーはそんな事しなくてもただリデルが傍にいるだけでいい、病弱な彼女に負担になるような事をさせたくないだけというひっっっじょうに分かりにくい過保護ゆえだったりとすれ違うのがね、もう切ない。こんな辛い両片思いある???ホントはリデルが大切で大切で仕方ないだけなのに、兎に角言葉が足りない。足りなすぎる。しかも態度もダメダメ。失くしてから初めて気付くとかホント遅すぎる。ホント人と人のすれ違いはコミュニケーション不足が一番の原因ですわ。劣等感をこじらせたオスカーがホントポンコツで…。でもリデルへの想いには誠実さがあるから、全否定までは出来ないのだよ。
ジュリエットとして生きてきた人生で、リデルの記憶が戻ったことで悩み戸惑うジュリエットもいい。自我がどこにあるのか安定しない状態で環境がどんどん変わるのってちょっと怖いと思うけど、リデルとは違う芯が強く心も身体も健康なジュリエットだからこそ、なんだかんだ目まぐるしく変化しながらもしなやかさに対応出来ているんだろうな、と。
エメリアが懐いているからっていうのもあるだろうけど、オスカーもジュリエットを気に入っている感じも良いけど、ここから2人の関係がどうなって行くのか良い意味で想像が付かない。
マデリーンの過去は同情するけど、リデルに対する仕打ちはやはり許せないというか、彼女がオスカーとリデルの関係を引っ掻き回した張本人だし、アランのことがあるとはいえ城にいるのも厚顔無恥やなって思ってしまう。
様々な誤解が解けてジュリエットがそれを知ったとしても、もう彼女はリデルではない。ジュリエットがこれから何を知り、それをどう受け止め、どんな選択をしていき、辿り着く未来には何があるのか。まだまだ物語の序盤感するので、これからの展開が楽しみ。5月の連載再開心待ちにしています。
多分何作品か読んだのに感想書けていないのがある気がする。今回の中では完全に「とりあえず…」が好きすぎた。はずれ姫も面白いけど、連載再開まで待機…。
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