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相思相愛の証言 note版

aikoは人生な文章書く系&小説書くおたくのtamakiです。

現在絶賛上映中の映画「名探偵コナン 100万ドルの五稜郭」の主題歌として起用されていますのが我らがaikoの新曲「相思相愛」です。現在各種サブスクサービス、DL販売で配信中。
CDは5月8日にリリースです。初回盤はライブ円盤もついてくる!(宣伝は基本)

なおフラゲ日と発売日はaiko全然関係ない用事で大阪と京都に行ってるので私が手に出来るのは発売日の夜です。そういうこともあるよね。フラゲ日はせっかく大阪にいるんだしタワレコ茶屋町行くのでご容赦~。タコたこさんも行くよ🐙

このニュースの初報知ったのが朝起きた時だったのでわりとガチで夢?? ってなりました。コナンくんなんていうデカいジャンルに(オタクなので何でもジャンルって言ってしまう)うちのaikoが…(お前のaikoではない)
そんな2月の朝からもう二ヶ月。相思相愛。いいタイトル。aikoの四字熟語は全部いい(何時何分を擦り倒しているオタク)どういう曲なんじゃろな。あたしはあなたにはなれないって「戻れない明日」の系譜だね。切ないね……。

んで、私が事前に読んでいた情報はコナンくん表紙の映画雑誌でのインタビューで、まだ歌詞の全容は全くわからなかったのですが「好きな人には尊敬の気持ちがある」「自分はその人になれないという憧れの気持ち」と言う点からaikoが他でもよく言っていることだな~という印象を持っていました。

そして4月12日、映画公開日に配信開始。わ~い。

で聴いていたんですけど……歌詞そのままだけ取るとすごくなんか……いや確実に誤解されるかも知れない……というような危惧が過りました。
ていうか……わからん。私がわからん。シンプルにいろいろわからん過ぎる。一番Aメロとかなんなんだろこれ。どういうこと? 並行世界のことを言うてるのかな……。一番Bもここだけ聴くとめっちゃ失恋系な感じするし……。aikoさんこれ本当に相思相愛っていうタイトルなんですか? タイトル詐欺……? って思われそうじゃない? 大丈夫?
ていうかその②これコナン見た人誤解したらどうしよ……。

しかし、いろいろ適当なこと言うのはaikoの歌詞研究をやっている者として一番やりたくないことなので、大人しくラジオやネットのインタビューを待つことにしました。作者の言葉に当たるのは研究の鉄則やいね。解釈語るだけなら誰でも出来るけどそこに作者であるaikoの意志はない。そんなん何の信憑性もないやいね。
ということで私にしては珍しく真面目にラジオを追いました。去年の「星の降る日に」の時ものすごく忙しくてラジオを全く追えなかったのがかなり心残りだったので、そのリベンジも兼ねてた。

で、ラジオを四つ聞いて簡単にまとめたツイートがaiko界隈・コナン界隈でちょっとRTされました。

この時は四つだったのですが、その後もちょこっと追ってメモしました。文字起こしじゃなくてあくまでメモです。
4月も末ですので、現時点で私が聞いたものをまとめたいと思います。もうタイムフリーじゃ聴けないのもあるし。
ついでに最後に感想というか、コナンと絡めた話もちょっと書きます。
このnoteがaikoと「相思相愛」を理解する為の手引きになれば幸いです。

=レギュレーションみたいなの=
・文字起こしではなくメモです。ただし一部文字起こしっぽいところもあります(後半にいくにつれて文字起こし度が高くなっていきます)
・メモなので要約やはしょってるところもあります。
・結構追ったけど、全部じゃないと思います。聴き洩らしてるところもあるはず。
・箇条書きで書いてます。時系列順です。
・私がどうこう思うってことは書きません(※ただし一部あり)是非aikoの言葉だけ受け取って、その上でいろんなことをお考えください。


aikoのラジオでのコメントいろいろ

ジオラ(4/15放送)

・相思相愛というタイトルなんだけど「あたしはあなたにはなれない なれない ずっと遠くから見てるだけ」というフレーズがあって、配信リリースされてからのツイッターとかに書いている感想を見ると全然相思相愛っぽくなかった、すごい切ない気持ちの歌詞だったというのを書いている人がいたのだけど…。
・好きな人を想う気持ちって相手の人が振り向いてくれた瞬間があったとしても自分の気持ちって一方通行なんだなと思うことがよくあって。
・気持ちって我が儘、自分自身の想いって我が儘やなと思うし、答えてくれても、自分にコンプレックスがあるからこそ、この人本当に今振り向いてくれたのかな?という不安な気持ちに毎時間、何時から何時はすごい不安な時間みたいなのが私は毎回バイオリズムでやってくるんですよね。
・その人が好きという気持ちだけで生きていける時もあれば、大好きだからこそすべてが重なり合えない、この少しのズレに寂しく思ったりする気持ちがあって、それを歌詞にしました。

ROCK KIDS 802 -OCHIKEN Goes ON!!-(4/15)

・平次くんと和葉ちゃんが出てきますということは伺っていた。aikoさんに恋愛の曲を書いて欲しいですという漠然とした感じだった
・自分の心で感じた恋心みたいなのを、和葉ちゃんと平次くんや新一くんと蘭ちゃんに重なる想いが自分にもあると思って、それが曲になったらいいなと。それが体の中に降ってくるまで待ってようと思った

・この歌詞で相思相愛というタイトルなのは何故か?
→あたしはあなたにはなれない それくらい想っているということ 全部を知りたい、全部重なったらいいのになっていう。
・体や心が疲れているのも全部重なり合ってわかれるくらい大切に想ってるからこそ、なれないことが悲しい。すれ違ってしまうことが悲しい。それぐらい思っている、ということ。それを単語に表したいと思った時に浮かんだのが相思相愛だった
・曲のタイトルを決めたのは最後。英語じゃないな、漢字やなと思った 文章でもないなと思った

(以下↓は↑を書くためにやった文字起こしです)

歌詞の中では「あたしはあなたにはなれない」って歌ってるんですけど、でも、それぐらい思ってるんですよね。もう、全部を知りたい。全部を重なったらいいのになって言う。
体が疲れてるとか心が疲れているのも全部重なり合ってわかれるくらい(わかりたいくらい)その人のことを大切に想うからこそ、なれないことが悲しいっていうか、どこかすれ違ってしまうのが悲しい。
それくらい想っているっていうのを何か単語で表したいなって思った時に自分の頭に浮かんだのが「相思相愛」だったんです。

LOVE FLAP(4/16)

・何か注文はあるか伺ったが、aikoさんの好きな曲を作って欲しいと言われた。ある日相思相愛の歌い出しのメロディーが家の廊下を歩いていて浮かんだ
・今回は平次くんと和葉ちゃん、新一くんと蘭ちゃんもそうなんですけど、お互い想い合ってるけど、何かすれ違ってるような、こっち向いてくれてるってわかっていても、好きがゆえに、全部を理解することが出来ない、重なり合えないことに寂しい気持ちになったりする。相手のことを尊敬してるから。その自分の想いを反映出来る曲にしたいと思った。

・自分はこの人になれない、私はここが劣ってるな、やっぱこの人すごいな、憧れみたいな気持ちもあって(歌いだしの)フレーズがメロディと共に浮かびました。
・そのことを夜中ふと寂しいなと思う瞬間があって、その瞬間を切り取って曲にした

BRUNCH STYLE(4/17)

※この番組はこの日の放送がまるごとコナンくん特集だったので、aikoのコメントもコナンくんの話が多めでした。

・いい曲を作ろうとピアノに向かうっていうよりはふといいフレーズが浮かんでくる日を考えながら生活してました。そうしたら相思相愛のフレーズが浮かんできて、曲することが出来ました。

・今回のコナンは和葉ちゃんと平次くんのお話でもあるんですね。蘭ちゃんと新一くんもそうなんですけど、分け合ってるけど、なんかすれ違ってしまうみたいな。
・でも気持ちは絶対にお互いの心の中にあるっていう、この気持ちってすごく大切でピュアで、ドキドキして、めっちゃよくないですか。自分もそういう気持ちを忘れたくないし、そういう気持ちを感じながら生きたいと思ってたので、そんな曲が作れたらいいなあと思ってて、作ったのがこの曲だったんです。 
・私も和葉ちゃんと平次くん、蘭ちゃんと新一くんみたいな、何かこう、想い合ってるけどどこかですれ違ってしまう、切ない気持ちみたいな、自分の中にある気持ちを曲にしたいなと思っていたので、そこが映画の中で重なり合っていたらいいなと思ってたんですけど、公開されて映画を見て、いろんな瞬間で泣いています。

SCHOOL OF LOCK!(4/18)

・(タイトルだけ見たらうまくいってるように思えるけど、なかなかそうではないことについて)
好きな人がこっちを向いてくれてても、絶対、完璧に重なり合えることはないっていうか……相手が苦しい悲しいって思ってる時に同じ気持ちで苦しい痛いって思えないこととか、そういうことが切ないなあと思って。
・好きな人には尊敬が必ずあるんです。ずっと追っかけるイメージが強くて。そうなんです。それで書きました

SATURDAY A MUSIC ISLANDS AFTERNOON EDITION(4/20)

・aikoの思う相思相愛はどういう状態か→自分で相思相愛と思ったことはないかもしれない
・そう思いたいなとか、傍から見てたら相思相愛に見える、そんな二人になれたらいいなみたいなんはあって、自分でそうなってるなと思ったことはない
・だから両想いとはちょっと違う。両想いも近いところがあると思うんですけど、私は好きな人には必ず尊敬がある。相手の人のことを尊敬してて、すごいなーと思ってたら好きになってることが多くて。なんかその人のことを思えば思うほど分かり合えないことがすごい寂しくなったりするっていうか。好きな人と全部重なりたいけど、きっと私はこの人にはなれないなーっていうので浮かんだんですよね。

・(相思相愛というタイトルだが切なさとか、あたしはあなたにはなれないというのは、すごく相手へのリスペクトを感じる)そこから「あたしはあなたにはなれない」が浮かんだので、悲しい失恋の曲ではなくて、尊敬して向き合えてると信じてるからこそ、すれ違う瞬間に感じるはっ…みたいなそういう気持ちが曲になりました。

自分で相思相愛と思ったことはないという彼女の言に結婚してるのに!?!?!?!?になりました。そういうとこだよ……。

TACTY IN THE MORNING(4/23)

これは放送終了後に配信されたポッドキャストを聴いての書き取りです。まだ聴けるのかな?

・今回映画の主題歌の話をいただいて、それからずっと曲に出逢えますようにって思いながら生活してたんです。あんまり深いことを全部考え過ぎると自分の気持ちも素直に書けなくなってしまうかも知れないと思って。それは失礼だし。
・私の思い描くコナンくんの世界の中で感じているのって、想い合ってるけどすれ違ってしまう、ていう、好きなの相手に伝わってるかもしれないけど、でも、それ以上の想いがあるっていう。自分も好きな人に対して思う気持ちと一緒だったんですよね。
・向き合ってるけど……なんか、相手の気持ちに100寄り添えることってきっと、相手の体にならないと出来ないじゃないですか。それを歯がゆく思ったりとか。そういう、新一くんと蘭姉ちゃんの関係とか、和葉ちゃんと平次くんもそうなんですけど、あ、あの感じって永遠やなって。自分の想いの中でも。だからこれがある日重なって曲になったらいいなって生活してたんですよね。そしたらふわぁって「あたしはあなたには(なれない)」が浮かんだんですよね。

STEP ONE(4/24)

・好きな人のことを思って、きっと好きな人も向き合ってくれてるかも知れないけど、大切な人の全てを知ることは出来ないもどかしさとか、尊敬しているからこそ、私はこの人にはなれない、それがもどかしいみたいな、自分の想いが溢れた一曲となっています。ぜひとも聞いてやってください。

「あなたにはなれない」はaikoの基本

以上です。いかがだったでしょうか。

ところで、aikoの「あたしはあなたになれない」とか「100%わかりあえるわけではない」と言う言葉や思想は他の曲にもあって、サビにずばり「あたしはあなたじゃないから全てを同じように感じられないからこそ」とある「戻れない明日」もそうだし、分かり合えない、どこかすれ違いが必ずあるという考えは「どこかで心が繋がっていると勘違いしてるあたしと 最後は一人なんだと 冷めた笑顔の得意なやさしいあなたと」と歌われる「あなたを連れて」にも秘められています。
それから「あたしはあなたになれない」という、これも「戻れない明日」並みにそのものずばりな歌詞が入っている「だから」と言う曲もあります。

だし、予告映像でちょっとだけ流れた「相思相愛」を聴いた全国のジャン花ちゃん(aikoファンの総称)は、あ~、aikoだな~と思ってたと思います。ソース私。

最近の曲だと「telepathy」(2023年)と言う曲も、アプローチは違うんですけど、二人が別個の存在であることを歌った曲の一つだな~と思います。

 抱きしめればもの足りなくて想いは溶ける
 あぁ、これじゃ伝わらないな
 二人がひとつになったら大事なキスはどうやってやればいいの
 悩むな

aiko・telepathy「今の二人をお互いが見てる」収録

なのでこれはaikoにある基本的な恋愛観……というか人間観?だと思っています。恋愛観と言う点だったらむしろ、恋愛において相手への尊敬が前提としてある、というのがそう。aikoを追っていると必ず目にするものです。

切なさを描くひと

今回の「相思相愛」は人間は決して別の人間になることが出来ない、完全には同じ気持ちになることも出来ない、100%わかることが出来ない。そういう根本的な不理解への「切なさ」に特にフォーカスしたものだな、と考えています。
そこに思いっきり振り切ったので、「相思相愛」というタイトルながら、両想い感のあんまりない曲になったんだなと。いやまあaikoもコメントの一つで「両想いとはちょっと違う」言うてるけど、でも「失恋じゃなくて」とも言うてるから。

それで、aikoは恋愛における何をよく歌っているか、何をテーマに曲を書いているか、なんですけど、私がこうですって語るのもおこがましいのですが(それこそ私はaikoではないんで~)多分みんな納得してくれると思うんですが、「切なさ」なんですよね。
両想いの恋愛でさえも「切なさ」を至上としてる。書くモチーフの最たるものにしているなと、つくづく感じます。
研究しようと思って彼女の歌詞をかれこれ十年以上読んできていますが、多分aiko本人に聞いても頷いてくれるんじゃないかなと思ってます。

aikoがよく描くもの、多分平安文学で言うところの「もののあはれ」に近いんじゃないかな~と思います。
まあそれはおいといて、切なさは恋愛だけじゃなくて人間関係のいろんなところで生じるもので、その切なさに着目し、寄り添っているaikoは、だからこんなに長いこと愛されている、多くの人に支持を得た歌手になったのではないかと。そう思います。

コナンにおける恋愛と相思相愛

そんで、タグにも付けてるのでコナンくんとの絡みで「相思相愛」を語ると……。

これは完全に私が勝手に考えてることなんですけど、蘭も和葉も、新一と平次(ついでにキッド)があんなこと繰り広げてるってことは知らないなーって思ったんですよね。捜査に関わってるのは知ってるけど。
新一なんてコナンの体だから、なおさら蘭は知らないわけで。そう、もっと言うと蘭はコナンくんが新一ってのもわかんないはずだし。
(って私は原作読んでないしアニメも映画も追ってない=自ジャンルでもないので、蘭がコナンの正体を既に知ってたらごめんなさい)

そういう……好きだしお互い両想い・付き合ってる、あるいは両片想いだけど、蘭と和葉があの探偵パート、バトルやサスペンスパートにはあんまり入り込めてない……想い合ってるのに決して入り込めない領域があって、知らないことが沢山あるし、入り込ませてももらえないんだなってことを思うと、そういうところがすごく、「相思相愛」でaikoが語ってるところと、非常に共鳴するな~と思いました。
もしそのことに対して蘭と和葉が実のところすごく切なく思ってるなら尚更です。今回の映画に限ったら特に。
私は他のシリーズあんまり見てない&覚えてない、原作読んでないので、他はどうか知りませんけど。

ただ、今回の終わり方は正直私はあんまり好きじゃなかったです。
(ネタバレに抵触するので詳しく言えませんが)
(人の想いをいう尊いものに対し、扱いが軽んじ過ぎているなと思ったので。自カプでやられたら確実にキレる)
でも最高のタイミングで流してくれたな~と言うのは聞いていたとおりでした。主題歌に起用していただいてありがとうございます。本当。


コナンくんきっかけで他のaikoを聴いてみようかなと思った方が一人でもいたらすごく嬉しいし、aikoの歌詞の奥深さや文学性に気付いてくださればもっと嬉しいです。
そして私がnoteに載せている歌詞研究の読解や考察がそのお供になれば、もっともっと嬉しいです。
noteに載せているのが全部ではありませんが、いろいろ書いてるので、もしよかったらお読みください。


それにしても……相思相愛の概要はわかったけど……
めちゃくちゃ謎な一番Aと一番Bについてはな~んもわからんままやったな……。ここを知る為にラジオを追い始めたんですけど…どうして…。
まあいつか読解する時に考えよ。この後のラジオとかオフィシャルインタビューとかでも出るかも知れないし。

7月に載せる「あなたを連れて」読解でも「相思相愛」の話題が結構出ますので、よかったらおまちくださ~い。

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