〜5月「初夏」の養生法〜
「夏」は1年の中で最も活発に動ける時期。日照時間がどんどん長くなり、気温も上がっていきます。植物もみるみる成長し、初々しい新緑から力強い青々とした姿になっていきます。人も同じようにのびのびと過ごし、思いっきり行動することで本領を発揮できる時期だそうです。
「夏」は暦の上では5月・6月・7月の3ヶ月を指し、初夏はGW頃で、梅雨前で湿度が低く、風もさわやかで過ごしやすい季節です。二十四節気では「立夏」と「小満」が当てはまります。
「立夏」は夏の1番目の節気で、太陽黄経(太陽の位置を表す軽度)が45度に位置する時、カレンダーの日付でいうと今年は5月5日に当たります。ちょうど「こどもの日」にあたり、GW真っ只中です。日差しが強くなり気温が高くなる日もありますが、基本的には暑くもなく寒くもなく、梅雨の始まる前でもあり、湿度が低く風もさわやか。とても過ごしやすい季節です。
「小満」とは、植物は勢いよく成長し、生命力が満ちあふれる時期という事から「小満」と呼ばれています。徐々に暑さが増し、畑では秋に蒔いた麦の穂が育ち、風物詩として紅花が咲き、梅の実がなり始め、農家さんは田植えの準備を始める頃でもあります。「小満」を過ぎると梅雨の時期に入ります。
この時期には…
・1年で最も活発で体の新陳代謝も上がるため、しっかり保養する(睡眠や食事)
・汗によって失われがちな津液を補う
・食べ物が腐敗しやすく、食中毒や下痢に注意
・冷たいものの取りすぎに注意する
・湿が溜まると体が重だるく感じやすいため、あっさりした食事を心がける
・苦味の食材で「心」を養う
・弱りがちな「心」をサポートするために、「肝」(木生火)「肺」(火克金)を養う
是非、これらを意識して過ごしてみてください。
「心」を養い、本格的な暑さに向けての準備を。
日本の夏は蒸し暑く、知らず知らずのうちに気候の影響を受けている私たちは、暑さによって「熱」が体に溜まりやすくなります。抵抗力が低下している人や、元気が不足している人には暑さが外敵となり、夏バテなど体調を崩す原因になります。
また湿気も多く、食べ物が腐りやすかったり、人体にはむくみや倦怠感、下痢などの症状が出てくるので梅雨時期は要注意です!
夏は「心 (心臓・小腸)」を養う季節です。東洋医学で言うと、夏は高温で潤いを消耗しやすい季節です。潤い不足により体の中の熱が強くなりすぎると、水が沸騰するように上半身〜頭に上昇していきます。すると興奮状態になり、動機がしたり睡眠不足になりやすく、体力の回復が十分にできない状態になります。
また、暑いからと言って冷たい物や水分を取りすぎると、逆に胃腸が冷え、消化・吸収力が弱まり、元気が出せない状態になることも。冷房で体が冷えていたり、冷え性の方は生野菜ばかりでなく、なるべく加熱調理して摂るようにしてください。
夏は体力を消耗しやすい時期なので睡眠をしっかりとり、冷房のあたりすぎに注意し、胃腸のケアも心がけるのがポイントです。
次回からは、「初夏」におすすめの養生レシピをお届けします。お楽しみに!
▼5月「初夏」メニュー
・スパイス香るルーロー飯
・イカとスナップエンドウのスパイス揚げ
・蓮根とズッキーニの黒酢餡
・トマトとセロリの中華春雨サラダ