2024.06 佐渡島の史跡を巡る~北沢浮遊選鉱場跡、佐渡金山~
新潟県 佐渡島へやってきました。
引き続き兄夫婦と3人旅です。
到着日はホテルで1泊して、2日目は相川周辺にある史跡を巡ります。
▶︎北沢浮遊選鉱場跡
一番最初に向かったのが、北沢浮遊選鉱場跡。
選鉱所跡に植物が覆い茂り、その姿から佐渡のラピュタと言われているところ。
宿泊していたホテル吾妻から意外と近くて、10分ほど車を走らせたところで到着。
ここで予め私の性癖をカミングアウトしておくのですが、植物×建物×そして退廃の組み合わせに並々ならぬ興奮を覚えるタイプの変態です。
建物に至っては古くてボロボロで原型が残ってそうで残ってない、でもちょっとだけ残ってるフォロ・ロマーノ(2000年前のローマの遺跡)くらいの感じがベスト。
北沢浮遊選鉱場跡は昭和になってから本格整備された選鉱場ということもあって、昭和なんてまだまだ赤ちゃんですやん〜と割とナメた態度で向かったのですが最初からブチかまされる。
とても、良い。
どの角度からもイケる。
もちろん旅行前にある程度写真を見ていたのだけど、いざ現地に行くと建物の大きさに圧倒。
この日が雨で薄暗かったこともあり、THE・工場という機械的な建物が植物に飲み込まれている様子はかなり異質な雰囲気でした。
ここら一体が選鉱場だったようで、向かって左手側も浮選鉱所だった建物。
円形の50mシックナー。
シックナーというのは液体中の固形物を効率よく濃縮するための装置で、下水処理とかによく使われているやつ。
ここで採掘された金や銀の選別を行っていて、当時は「東洋一の浮遊選鉱場」とうたわれたそう。
現在では貴重な産業遺産として国の史跡に指定されています。
川を挟んだ広場でしか見られないと思っていたけど、もう少し近くまで行けそうだったので寄ってみる。
選鉱場の手前にある赤レンガ造りの建物は明治期に建設された火力発電所。
そして芝生の広場を抜けて、選鉱場の側へ。
おそらく崩壊の危険があるからなのか、立ち入り禁止になっている。どんな権力を手に入れたらここに入れるんだろう…私が入るのは無理でも、世界ふしぎ発見とかで潜入してほしい。
昭和27年鉱山大縮小に伴い施設は廃止。
跡地の一部にプールやゴルフ練習場が建設されたこともあったそうなのですが、70年ほど時を経て現在の姿に。
過去栄えていた場所が、今は建物が見えなくなるほど蔦に覆い尽くされている。
そういうの、良いですね…
失われた文明的なものにも惹かれる。
北沢浮遊選鉱場跡の駐車場横にアトリエが併設されていたのでちょっと拝見。
佐渡金銀山から産出する無名異という鉱物を含んだ土で作る無名異焼きのアトリエ兼直売所。
赤土が特徴の無名異焼木き。
理屈はあんまり分かってないけど、この無名異焼の器だとお茶やおビールの味が美味しくなるなしい。
北沢浮遊選鉱場跡にいたく感動して財布の紐が緩んだ兄が、ビールが美味しくなるという言葉にさらに畳み掛けられてコップを買っていた。
この近辺には郷土博物館だったり、美術館なども。
選鉱場が一望できる素敵ローケーションのカフェもあるので是非また来たい。
▶︎史跡 佐渡金山
北沢浮遊選鉱場跡から5分ほど車で移動し、続いて佐渡金山へ。
佐渡金山に向かう間、山の斜面に坑道入り口だったと思われる場所がいくつか見えてテンションが上がる。
史跡 佐渡金山では、坑道跡に入って採掘が行われていた跡地を見学できます。受付でチケットを購入して、所要時間40分ほどの道遊坑 明治官営鉱山コースへ。
ものすごく冒険心をくすぐられる坑道内。
こんなん最高ですやん…!
薄暗くひんやりとした空気で、半袖だと少し肌寒い。寒がりさんは長袖の羽織りがあると良いかも。
私たちが通る場所は道幅広く整備されているけど、立ち入れない柵の奥とかはぐんと天井が低くなっていて。当時はこの環境で採掘していたのかなと思うとかなり危険と隣り合わせだったのでは…。
途中、何かを発見。
「酒類熟成所」とのことで、ここで日本酒や果物なんかを一定期間保管してから出荷しているそう。
佐渡金山の坑道内は年間を通して約10℃と一定かつ、日光が入らないこともあって保管に最適な環境なのだとか。
後でここで貯蔵しているお酒を調べてみたけど、佐渡金山貯蔵古酒『真野鶴大吟醸原酒』が720mlで3万でした。なかなか良いお値段しますなぁ。
ミカンとかも置いて追熟してるらしいよ🍊
佐渡金山は徳川幕府の時代から明治政府を経て、三菱合資会社に払い下げられ、1989年まで400年続いたそうな。
平成元年までということは、意外とつい最近(?)まで採掘してたんだね。
道遊坑を抜けて、一旦外に。
坑道を出たところに旧佐渡鉱山採鉱施設・電車車庫という機械工場があって、こちらで鉱山で使用されてきた機械の展示が見られます。
再び坑内へ。
外へ出ると、お土産屋さんやお茶屋さんがあります。
池の周りに置かれている円形の石は、鉱石を砕いてすり潰すために使われた石臼だそう。
北沢浮遊選鉱場跡のような近代技術もすごいんだけど、数百年も前の機械も何もない時代から鉱石を採ってそこから金を抽出し、さらに小判とかに加工していたんだと思うとすごい技術だ。
と思って感心していたところで、兄がおもむろに何かを回している。
…え、これ何の意味があるんですか?
何故これをここに置かれたし。
私たちが佐渡金山を訪れた翌月、なんと世界文化遺産に登録されたということでとても喜ばしいです。
▶︎蓮華峰寺
佐渡島のあちこちで満開の紫陽花。
ホテル吾妻のヨガインストラクターさんに聞いたんだったかな?紫陽花がたくさん見られるお寺があるとのことで、蓮華峰寺へ。
佐渡金山からは車で45分ほど。
駐車場に車を停めて降りると、たわわに咲いたカラフルな紫陽花でいっぱいの景色。
それなりに大きなお寺のようで、広い敷地にいくつものお堂があるようです。
あちこちで溢れるように咲いている紫陽花。
紫陽花はもちろん綺麗なんだけど、敷地内のほとんどの建物が新潟県や国登録の有形文化財でなかなか渋い。境内の16もの堂宇伽藍が国の有形文化財に登録されています。
中庭には色々な種類の紫陽花が植えてありました。
このあたりはスタンダードな紫陽花。
こちらもよく見るタイプ、ガクアジサイ
少し変わった形と配色。
こんな土砂降りの中で見学しているのは私達くらいだったけど、雨の中で見る紫陽花も綺麗でした。
▶︎たい焼き 十千万
ここまでで14時。
車での移動がメインだったこともあってガッツリお腹が空いてるわけではなかったのですが、ちょっと何か食べたいねということで小木港まで戻り、おやつを入手。
たい焼き屋さんの十千万。
小さなテイクアウトショップで、店内に入ると甘くて香ばしい香り。そしてショーケースにずらりと並んだたい焼き。
スタンダードな餡子のたい焼きはもちろん、紫芋あん、くるみあん、クリームチーズあんなど種類に富んでいて、更にはチーズタッカルビやデミグラスハンバーグと言ったしょっぱい系の変わり種たい焼きが味わえます。
店員さんが今日店頭にお出ししているのは〜とメニューの説明をしてくれたけど、あまりの種類の多さに聞き終わった瞬間に記憶喪失になった。
一人2個つずつ購入。
ふっくら生地にたっぷりの餡が入っていて、1つでもかなりボーリューミー。
小腹を満たしたところで、佐渡の旅はもうそろそろ終わり。最後は宿根木へ向かいます。
つづく。
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