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海外のアニメファン、声優ファンに向けて執筆した本を発売しました。
私と一緒に講師やトレーナーをなさっていた先生方や受講生の皆さんはよくご存知と思いますが、私は日本語の母音について指導するところから始めます。
もちろん、母音を自在に鳴らすために、先んじて呼吸〜共鳴という体の使い方を訓練します。ただ、それは準備というか「自由に字や絵を書くために、まずは一番効率の良い筆の持ち方を覚えて、そこから状況に応じた崩し方も工夫しましょう」という意図です。
声という楽器の「使い方」を理解し、訓練方法も理解したあと、劣化しないように(そしてよりよく使うために)磨き続けるのは各自ができることなので、ずーっとトレーニングの伴走はしません。教えないといけないことはその先にあるから、容赦無くカリキュラムは進みます。
※ 声優養成スクールPineSのカリキュラムでいえば、「ボイトレコース半年間で教えたことは、今後自分で継続してください。アドバンスコースでは、表現について勉強することに時間をさくから」ということでやってました。
どうしてもみんな台本の文字ばかりに夢中になって、発声を磨くことを忘れがちなんですけどね……。
でも、声優を声優たらしめる武器は「声」です。声が「伝える情報」です。
台本の文字を目にしていても、自分の出す音に集中してほしい。
「どう読もうかな」ではなく「どう聞こえているんだろう」に興味のフォーカスを持っていきたい。
だから私のレッスンでは母音で演じてもらう時間を作ります。
日本語は母音が圧倒的に「自由」な言語です。
その観点から、私は日本固有の芸能として「日本の声優の技術」を捉えています。
そこらへんを解説した読み物です。
海外向けに書いたので、日本語版はありません、あしからず!
『Reasons why you’re attracted to Japanese voice actors' voices』
https://www.amazon.co.jp/dp/B0DCZWB6MB