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極小ポテト

小3長女が学校の畑で獲れた
じゃがいもを2つ持ち帰ってきた。

見るとどちらも失笑してしまうほどの
極小サイズ。

やるからにはもう少し頑張ろうよと
先生にエールを送りたくなる。

だってジャンケンに負けて
選ぶの最後になったんやもん

と長女は今にも泣きそうな表情。



キッチンに2つ並べて置いてみたら
見れば見るほど愛しく思えてきた。

大は小を兼ねる
なんて言葉もあるけど
小さいってだけで
なんて可愛らしいんだろう。

生まれたばかりの赤ちゃんの
キュっと丸まった小さな小さな手の
愛しさを思い出した。



このかわいさを壊さないよう
どう調理しようかと
あれこれ考えを巡らせる。

皮をむいたら
ほとんど残りそうにない
そのじゃがいも達を

丁寧にたわしで洗って
ペーパーで水気を拭いて
そのまま素揚げにする。

もちろん家族5人で分けるような
量でもないから

塩をかけたら
長女のためだけの
スペシャルメニューの出来上がり。

フライドポテト好きな長女には
間違いなくウケる味で

可愛らしいポテトに
テンション上がって
笑顔がこぼれる。



極小ポテトフライを考えていたら
小2次男が少し前に
タコわさ食べてみたい
と言っていたことを思い出した。

この若さでタコわさのリクエスト

いつも意外性のある次男には
爆笑させられる。

タコのお刺身を
買ってくるとしよう。



最近友達とのオンラインゲームに
夢中の中3長男。

ご飯出来たと声を掛けても
なかなか食べに来ない。

後で食べるから置いといてと
答える彼に

私の思い通りにさせることを
とっくに諦めている私は

食器は洗っておいてよ
とだけ言い放つ。



翌朝起きてシンクを見ると
案の定長男の食べた食器が
置かれている。

かつては毎朝一番の早起きをして
家族の世話を焼いていた
早起き苦手な私は

今や家族の中で
一番最後にたいてい起きるから

すでに彼は学校へ。

こちらは笑う余裕などなく
もお!と怒りが沸き上がってくる。

そんなときは
長男ではなく好きな人の仕業だと
脳内の書き換えをしてみる。

登校後の長男の部屋が
エアコンつけっぱなしに
なっていることに気づいても

好きな人を思い浮かべ
脳内を書き換え。

それだけで案外怒りは
スーッとおさまっていく。



夕食の時間
食卓の上のタコわさを見た次男は
ニヤッと笑い

一口食べて
小さくガッツポーズ。

その反応に
また笑ってしまう。

リクエストが期待通りの味で
満足気な次男や
好き勝手している長男は
もちろんのこと

運の悪さに落ち込んだ長女も
一瞬イラっとした私も

結局笑顔になれるのだから
わが家は平和で幸せだ。

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さいちゃん
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