無駄じゃないから
小2次男が私に寄ってきて
今何してたと思う?
と得意気に聞いてきた。
わざわざ聞いてくるということは
おそらく宿題。
そして私の予想通り
正解は宿題。
しばらくしたら
次男がまた私に寄ってきた。
今度は半べそかいている。
何事かと思って理由を聞くと
昨日やった問題を
今日もまたやってしまったと言う。
小3長女が以前同じことをして
泣きじゃくりながら
ノートに書いた文字を
必死に消していたことを思い出した。
ショックやな
でも消さなくていいよ
せっかく頑張ったんやから
消さなくていい
無駄じゃないから
その分、力になってるから
そう次男に声を掛けた。
最近になってはまったカメラ。
三人のこども達に好評の
しらす丼を作って
構図もピントも納得の写真を撮り
美味しくいただいた。
器が空になってから気づいたのは
写真の中の黒い器についた白い点。
どうやらしらすの一部のようで
せっかくの出来映えが台無しに。
細やかなところに気を回せない
自分にがっかりしながら
カメラの先生に伝えたら
編集で消せるよと言われる。
ソフトを使って
ちょちょいと操作すれば
何もなかったかのような仕上がりに。
がっかりした出来事も
本格的なソフトを使い始めたばかりの
私にとっては
スキルアップのきっかけとなった。
私にとって黒歴史となっている
育児に悩んだ12年間。
好きだと思って楽しんでいた
手料理もパン作りも
写真のスクラップもソーイングも
本当に好きだったのか
いいお母さんを演じたかっただけなのか
自分でもわからない。
今ここにたどり着くまで
ものすごく遠回りしたようで
戻れるものなら
戻ってやり直したい
器についたシラスの点みたいに
消してしまいたくもなる。
小3長女が持ち帰ってきた
給食当番のエプロン
洗濯したらエプロン袋の口が
ズタズタに破れてしまった。
どうしたらこんなことになるのか
洗濯機が喋れるものなら
問い詰めてみたいくらいの酷い有り様。
原因究明は諦めて
とにかく替えの巾着袋を作るのが優先と
布を買ってきて早速取りかかる。
できる限り元の袋と
そっくりさんに仕上げようと
いいお母さん目指していた頃に
身につけた腕をふるって制作する。
ただの真っ白な巾着袋に
作る楽しみなんて
これっぽっちも感じられなかったけど
瓜二つの出来上がりに
あの12年間でやってきたことも
無駄じゃなかったと感じられた。
人、物、あらゆる出来事
私がこれまでに
出逢い別れ手放してきた全てが
今に繋がっている。
人にかけたい言葉は
自分にかけたい言葉。
次男にかけた言葉を思い返して
私にも同じ言葉をかけてあげた。