日本とこんなに違う!韓国語の挨拶表現にみるニュアンスの違い
韓国語を勉強している人もそうでない人も最初に覚える韓国語はなんでしょう?
ほぼ100%で「アンニョンハセヨ」です。
他の言語でも同様なことが言えますが、最初に覚えるのは挨拶表現ですよね。
私たちは「アンニョンハセヨ」を「こんにちは」と覚えます。
*正確には「おはようございます」や「こんばんは」、「さようなら」も「アンニョンハセヨ」一つで意味が通じます。
しかし日本語を基準にして韓国語を覚えてしまうと、韓国語本来の意味やニュアンス(言葉などの微妙な意味合い、言外に表された話し手の意図)を十分に理解できない場合があります。
文化が違ければ、その国の言語のニュアンスも変わってきます。
いくら日本語と韓国語が似ていると言われても、完全に他言語で置き換えられないものもたくさんあります。
そこで今回は韓国語の挨拶表現から読み取れるニュアンスについて解説します。
韓国語挨拶表現のニュアンス
안녕하세요(アンニョンハセヨ)
皆さんが知っている「アンニョンハセヨ」はハングルで「안녕하세요」と書きますが、この「안녕」は漢字で「安寧」と書きます。
つまり「アンニョンハセヨ」は相手に「安寧ですか?」と安否を尋ねることで、相手の事情に干渉する挨拶なのです。
안녕히 주무셨어요?(アンニョンヒチュムショッソヨ)
「安寧」を使う挨拶表現で「안녕히 주무셨어요?」という挨拶があります。
「よく寝られましたか?」という意味です。
朝起きた時に両親や目上の人に「安寧に寝ることができましたか?」と尋ねる表現です。
寝ることにも干渉するのですね。
안녕히 가세요(アンニョンヒガセヨ)
さようならという表現に「안녕히 가세요」という挨拶があります。
「安寧」に行ってください、「つまり気をつけて行ってください」と、別れた後のことにも相手に干渉するのです。
새해 복 많이 받으세요(セヘボッ マニパドゥセヨ)
新年の挨拶に「セヘボッ マニパドゥセヨ」という表現があります。
「あけましておめでとうございます」という意味です。
この「セヘボッ マニパドゥセヨ」を漢字表記で表すと「新年福を多く受けてください」と書くことができるのですが、ここでも相手の運勢にまで干渉しています。
밥 먹었어요?(パッ モゴッソヨ?)
韓国人の友達や知り合いがいる人は必ずといっても言われる挨拶があります。
それは「パッ モゴッソヨ?」という挨拶で、「ご飯食べましたか?」という意味です。
ご飯を食べたかどうか、尋ねる挨拶は韓国特有の表現だと言えます。
昔、朝鮮・韓国は食べるものに困り餓死する人が多かったことから、相手の安否を尋ねるために「パッ モゴッソヨ?」が挨拶として使われてきたらしいです。
相手にご飯を食べたかどうかまで干渉するのが韓国なのです。
맛있게 드세요(マシッケトゥセヨ)
韓国特有の挨拶表現として「マシッケトゥセヨ」という挨拶があります。
食事する際、「美味しく食べてください」と挨拶をします。
食堂で店員さんがお客さんに料理を提供してくれる時に「マシッケトゥセヨ」と言います。
また、ご飯を誰かと一緒に食べる時に「マシッケトゥセヨ」と言います。
「美味しい」や「まずい」など感じるのは個人の自由ですが、「美味しく食べてください」と言いながら、どうやって食べるか、食べ方にも干渉するのが韓国なのです。
수고하세요(スゴハセヨ)
これも韓国特有の表現ですが、「スゴハセヨ」という挨拶があります。
「苦労してください」という意味で、日本人の感覚で見ると、若干呪いの言葉…のように聞こえますね。
よくお店を出る際に、店員さんに「苦労してください」と挨拶します。
このように韓国ではどのように働くのか、個人の働きぶりに対しても干渉するのです。
以上、韓国語の挨拶表現から読み取れるニュアンスについて解説してきました。
韓国語の挨拶には、相手の事情にグイグイ干渉するというニュアンスがありました。
日本の挨拶には天気にまつわる表現が多いように、その時の状況を共有する特徴があります。
しかし韓国の挨拶には、相手の事情を知りたい!聞きたい!という心情の現れを読み取ることができます。
このような違いを知ることで、もっと韓国に興味を持ってもらえたらいいなと思います。
最後まで読んでくださった皆様、ありがとうございました。
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