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韓国の大学院に進学する3つのデメリット
以前の記事では韓国の大学院へ進学するメリットについて説明しました。
今回は反対に韓国の大学院へ進学する3つのデメリットについて、私の実体験を踏まえながらお伝えしようと思います。
私は日本の大学を卒業した後、韓国の成均館大学・大学院修士課程に進学しました。
日本と韓国の企業で社会人をしながら学術論文を提出した経歴もあります。
この記事は韓国留学を目指している方、特に日本の大学に在学中の方やまたは卒業してしまったけど、韓国留学をしたい方にとって有益な情報かと思います。
デメリット1:卒業するのが大変
大学院での授業は基本的に韓国語、または英語で行われます。
さらに授業の内容は専門的な内容なので、自分の専攻に関する専門的な知識が求められます。
つまり大学院で求められる語学のレベルは相当高いと言えます。
前回の記事では、入学時にTOPIK4級以上が必要と説明させていただきました。
しかし実際の授業ではTOPIK6級+専攻の専門単語や意味を韓国語、あるいは英語で理解するレベルが求められます。
また、修士論文、博士論文も基本的には韓国語で執筆しなければいけません。
以前に私の指導教授がおっしゃってことですが、外国人が大学院を卒業するために必ず必要なのが、韓国語で文章を書く力だとおっしゃっていました。
これには私も共感していて、文語体の韓国語を駆使する力が本当に重要です。
いくら韓国語の会話が得意な方でも韓国語で文章を書く訓練が必要です。
ただ、在学中は嫌でも論文や専門書を読むことになるので、学術的な文章に自然と慣れていきます。
そして、学校や学科によって違いはあると思いますが、卒業するための試験がある場合が多いです。
私の通った成均館大学、東アジア学科では英語の試験と学科の専門分野に関する試験がありました。
これらは授業の課題や論文執筆とは別に勉強しなければいけないので、私は夏休みや冬休みに勉強をしていました。
デメリット2:経済的な負担がかかる
大学院進学にかかる費用は大きく、分けて学費と生活費になります。
学費には入学の際にかかる入学金と一年に2回ずつ支払う登録費があります。
金額は進学先の学校と学科によって違いますが、人文科学の学部に限り、入学金は大体100万ウォンから200万ウォン、登録費は国立で200万ウォンから300万ウォン程度、私立では400万ウォンから500万ウォン程度かかります。
ただこれらの金額は大体の目安で、行きたい大学院の正確な金額は、皆さんがネットで調べてみてください。
最近韓国も物価が高騰しすぎたせいか、学費の金額も年々高い金額を更新しているようにみえます。
しかし日本の大学院と比べるとまだ安い金額を維持しているのが実情です。
おそらく韓国大学院を目指している人にとって一番の心配事が、学費だと思います。
ですが韓国は返済がない奨学金制度が日本よりも充実しています。
もし学費のせいで諦めてしまう前に、各大学院がどのような奨学金制度を準備しているのか調べてみてください。
さらに、ここからが重要なのですが、経済的な理由で大学院進学が難しいけれど、韓国にいって研究したいと強く思っている人は韓国政府が提供する奨学金(KGSP)に申請することをお勧めします。
私も親からの経済的な支援がなかったので、こちらの奨学金を申請し、在学中は経済的な不安なしで、留学生活を送ることができました。
正直この奨学金がなかったら研究に集中することができなかったかもしれません。
韓国政府奨学金は進学する大学院の入学金と2年間分の登録費を奨学生に代わって支払ってくれる奨学金です。
さらに毎月の生活費も支給してくれる最強の奨学金です。
ただこちらの奨学金を受けるには選考審査があります。
もし申請する方は書類の準備と面接の練習をしっかりして臨んでみてください。
デメリット3:就職するのが難しい
仮に修士課程に進学した場合、卒業するまでの期間が最低2年間かかります。
この期間中は社会人としてのキャリアを積むことができないので、同世代の中でキャリアの遅れを感じるかもしれません。
また私が実際に体感したのですが、修士課程に通いながら就職活動をするのは本当に難しいと思います。
就職するルートとして、日本に帰って就職する方法と韓国で就職する方法があります。
まず日本に帰って就職する場合、新卒採用の時期に合わせなければいけないので、新卒採用の期間中は日本に帰国する必要があります。
そのため休学をせざるを得ない状況になり、学業を中断しなければいけません。
一般職を希望したり、すでに日本での経歴があったりして中途採用にエントリーする人は、日本に帰国した後就職すればいいですが、日本での新卒採用を目指す場合、休学する可能性があります。
次に韓国で就職をする方法を選んだ場合、大学院在学中に就職活動をすることはかなり難しいと考えた方がいいでしょう。
そもそも授業の単位や論文、卒業試験などの準備で忙しいという要因がありますが、韓国は日本と違って新卒一括採用という制度がありません。
そのため企業から入社選考の合格をいただいた場合、すぐに働くのが普通です。
さらに韓国で就職する場合、日本で就職するよりも難しいことを念頭においた方がいいでしょう。
韓国の企業では即戦力になる人材を求める傾向があり、経歴がない場合はインターン などをして実務経験を積む必要があります。
大学院を卒業したとしても、インターンを経験して企業に入社するケースが多いので、社会人になるのが遅くなる可能性があります。
以上、韓国の大学院に進学するデメリットについて説明してきました。
これまでの話を聞くと、韓国の大学院へ進学するメリットよりもデメリットの方が大きいと感じるでしょう。
そしてそう感じるのが普通だと思います。
しかし大学院という場所は就職だけを目的に進学する場所ではないと私は考えています。
私の場合は就職を遅らせてまでも研究したい分野が韓国にあったため大学院進学を決心しました。
人生は一回きりしかありませんし、目標に挑戦せずに後悔するよりは挑戦してみて結果的に後悔するのがいいかと判断しました。
皆さんも韓国についてとことん研究したいと思ったなら、ぜひ韓国の大学院進学へ挑戦してみてください。
今回の記事に関する動画も公開しましたのでチェックしてみてください↓