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闇をみた。怖かった。

こんばんは。看護師の浜町公園です。

毎日思うことはありますが、とりあえず新しい仕事が始まりました。そこに飛び込んで思うこともありますし、毎日のコロナについてとそれに伴う日本の体制についても思うことはありますし、もう頭がパンクしそうな勢いです。

ただ今日は、特別養護老人ホームについて、わたしが働き出して思うことを書いてみようと思いました。これはただ単なる一看護師の日記、なので、わたしの思うことをつれづれと書かせていただくこととします。

わたしが、600床ほどの2次救急病院を退職後、再就職した先は、介護施設というくくりの中の、”特別養護老人ホーム”という形態の施設です。

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引用:LIFULL介護https://kaigo.homes.co.jp/manual/facilities_comment/list/hoken/tokuyo/

介護施設というのは、主に形態が3つあります。
ひとつは、有料老人ホーム。ここは入居するための料金がほかと比べて高めです。接遇や質を重視される方が入られるイメージ。違ってたら教えてください。
ふたつめは、介護老人保健施設。ここは主に3ヶ月の入所を限界とし、急性期病院で治療を終える→もう少しリハビリを行いながら生活の介助もしてもらう、といった役割のため、常駐しているスタッフも少しほかと異なり、医師が常駐、看護師も昼夜問わず常駐しており、リハビリスタッフも多く在籍しています。少し病状が不安定で、疾患としても利用者様を診なければならない施設がふたつめの”老健”と呼ばれる場所です。
そしてみっつめが、わたしの今回就職した”特養”と呼ばれる施設。終の住処、といわれる通り、入居費はほかと比べて安く、入居する期限が定まっていないため、退去する際は入院しほかの施設へうつられるか、もしくは亡くなるときです。ただ、入居する条件として、要介護3以上であることがあげられるため、比較的介護度が高い入居者が多いことが特徴です。

今回働き出してみて、介護の実態を目の当たりにし、日本の問題点を改めて再認識しました。

介護士さんは、忙しく、そして給料が安すぎる。これでは誰もなろうと思わない。嫌がる仕事なのに給料は安く、夜勤はあるし、これではメンタルを正常に保つことができるほうがおかしいです。

病院では看護師。施設では介護士に負担がかかりすぎている。
介護士がそばで一生懸命残業し、目の前の利用者と対峙しているさなか、定時だから帰ります、と颯爽と帰宅していく他職種。
わたしが病院で看護師をしていたとき、そんな状況にものすごく腹が立っていた。理不尽だ!といつも思っていた。

便失禁して、泣いている利用者がいた。
失語で、うまく自分の状況を話せなかった。
介護士はフロアで一人のため、その介助を行うが、無理矢理車椅子にのせている状況が、わたしにはかなり荒く見えた。そして悲しかった。
トイレでおむつ交換と更衣をしているときも、利用者は泣いていた。介護士は急いでいるから、何も言わずに素手で便のついた服やおむつをさわっていた。なにもかもが、医療・療養の現場に7年間いたわたしでも衝撃の現場だった。それだけ介護の現場は、闇だと思った。

そうせざるを得ない介護士の気持ちもよくわかる。毎日毎日出勤する度にその人の世話をする。いろんな割り込み業務がある。残業も強いられる。休みも満足にとれない。給料は安い。何を糧にがんばればいいのか、本気でわからなくなりますよね。

だが一方で、利用者の涙は本当につらい。その方はよく感情失禁がある方で、よく泣かれるそうだが、それはそれで悲しい。現場がもうつらかった。誰の立場に立ってもつらかった。介護って、ほんとに、誰も笑顔になれない現場なんじゃないかと思った。どうしたらいいんだろうと本気で悩んだ。まずは介護士の人員を増やさないことには、施設はどんどんだめになってしまうと思った。施設、ひいてはこの国の問題であると思った。

看護師と介護士の業務範囲はかなり重なり合ってるから、わたしがこういう思いでいるうちに、なにかできたらなとは思うけど。
具体的に介護士さんのお話を聞けないことには、なにもわからないのも現状だ。

高齢者が悲しい顔をしているのをみたくない。

それは、いつかの自分の家族で、いつかの自分だと思ってしまうから怖い。
どうにかしたい。

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