Phasmophobiaとモンティ・ホール問題
などと大仰なタイトルを付けてはみましたが、Phasmophobiaやってて「調査対象が特定のゴーストである確率ってジャーナルから受ける印象(等確率)と実際とで結構違うんじゃないか?」というだけの話です。しかも未検証。インサニティ調査員でご興味ある方がいたらぜひ検証をお願いします(?)
この記事の話の流れ
前提
前提プレイ環境は難易度インサニティ(出る証拠が一種類)
記事を通して、調査開始時に調査対象が選ばれる確率は24種類のゴーストで均等(それぞれ1/24)と仮定する。
※ Phasmophobiaは内部仕様がかなり不透明なゲームなため、そもそもこの前提からして違う可能性も充分ある。例えばミミックの実装直後はミミックの出現率が上げられる調整がされていたらしい。
疑問
難易度インサニティ環境で、証拠を見つけた時点で調査対象が候補のゴースト群のいずれかである確率は均等なのか?
論旨(というか結論としての自分の考え)
前提で述べたように調査開始時(証拠未発見の段階)は、調査対象が各ゴーストのどれかである可能性はそれぞれ1/24である。
「特定のゴーストに関しては」調査が進むと(証拠をひとつ発見した時点で)正体である確率が他のゴーストよりも高くなる。
※と、推測している。
ジャーナルを一見するところではゴーストの振り分けは等確率に見えるため個人的にはこの結論は直感に反するものであり、有名な「モンティ・ホール問題」によく似ていることから当記事の記事タイトルをつけました。
例をひとつ具体的に言うと「氷点下出た時点でハントゥの確率って他の候補の3倍あるんじゃねー?」というのが今回の論旨になります。
この時点で全て理解して「なるほどね」と思えたインサニプレイヤーは回れ右してオッケー。「どゆこと?」となった方はぜひ最後までお読みください。
以下、説明
Phasmophobiaのゲームシステム通常難度の場合
Phasmophobiaは全7種類の証拠から、ゴーストの持つ3種類の証拠を見つけて対象のゴーストを特定するゲームでして、24種のゴーストは7種類の中からそれぞれ固有の組み合わせで3種類の証拠を出すようになっています。
例えば「デーモン」というゴーストであれば「紫外線・ゴーストライティング・氷点下」、「バンシー」なら「紫外線・ゴーストオーブ・DOTS」といった組み合わせを持っています。
難易度インサニティの証拠の仕様
難易度インサニティの場合は証拠が1種類しか出ないようになっており、そのゴーストが出す3種類の証拠から1種類が選ばれます。
上記のデーモンであれば紫外線・ゴーストライティング・氷点下から1種類だけ証拠を出します。
※証拠に特殊性質を持つゴースト
「ハントゥ」「化け狐」「御霊(ごりょう)」「モーロイ」「デオヘン」の5体は、通常難易度の場合は3つの証拠を出すのは一緒ですが、難易度を上げて証拠を減らした際にそのうちの1種類の証拠が性質として優先される特殊性質を持っているため、証拠1種類のインサニティでは出す証拠が固定されます。
ハントゥ=氷点下
化け狐=紫外線
御霊=D.O.T.S.
モーロイ・デオヘン=スピリットボックス
逆に、例えば御霊の場合は通常難易度だとDOTSの他にEMF5・紫外線の証拠を出しますが、インサニティでそれら2種類が選ばれることはないので、紫外線のチェックを付けた時点ではジャーナルに残りますがインサニティ限定で「御霊は除外(ちなみにハントゥも)」という判断が可能です(ナイトメアの場合は優先証拠以外の2種が出た時点で除外可能)。
この5体(と、証拠ではないものの特性としてオーブを出すミミックを加えた6体)がこの記事の主役です。
疑問の出発点
そもそもの話の出発点は「証拠がDOTSだった時なんか御霊(ゴリョウ)のこと多くねーか?」と感じたことです。
おんなじように「証拠がスピボ(スピリットボックス)の時ってなんかモーロイのこと多くね?」という印象も受けています。
簡略化して考えてみる
上画像は、調査開始直後に紫外線の証拠を見つけた状況です。
「化け狐」が前述の通りインサニティでは紫外線固定のゴースト。「ハントゥ」「御霊」は氷点下・DOTSが固定の証拠となるため消去。それ以外は3種類の証拠をランダムに出すゴースト群です。
話を簡単にするためにここではゴーストが「化け狐」だった場合と「デーモン」だった場合の2種に絞って話を進めてみます。
調査開始時にデーモンと化け狐が選ばれる確率はそれぞれ同じ1/24。
デーモンの場合を考えると、デーモンが出す証拠は紫外線の他に氷点下・ゴーストライティングを持っており、それぞれの証拠が選ばれる確率は1/3です。つまり、ゴーストの正体:デーモンで上画像のように(紫外線証拠に)なるパターンは、開始時にデーモンが選ばれる確率1/24の更に1/3、つまり1/72であると考えられます。
ゴーストが化け狐である場合は100%紫外線証拠が出現するため、シンプルに1/24となり、デーモンと分母を合わせれば3/72です。
つまり紫外線証拠が出た時点での確率比がデーモン:化け狐で1:3となっていて、仮にPhasmophobiaに登場するゴーストがデーモンと化け狐の2種のみとして場合分けするならば、紫外線が選ばれるケースの3/4が化け狐である、ということです。優先証拠がないタイプのゴーストは証拠の振り分けが3等分される分、優先証拠のゴーストに比べて「存在力」が薄い、といった理解を私はしています。
ゴーストが24種類いる実際の環境で証拠紫外線が出現するパターンを抜粋して確率を計算すると、化け狐である確率は3/10とほぼ3回に1回近くあり、デーモンなど他の7体がそれぞれ1/10になります。
自分もそうでしたが、紫外線の発見時、上記画像の8種類のゴーストが候補に出た段階で、各1/8といった感覚でプレイしているインサニ調査員が多いのではないかと思います。
実際には紫外線証拠が出た時点では化け狐が他のゴーストの3倍の期待値を持っていることがご理解いただけるでしょうか…?
同様の原理で、氷点下の場合は候補ゴースト10体で、ハントゥの確率が3/12(約分して1/4)。他ゴーストがそれぞれ1/12。
DOTSの場合は候補ゴースト9体で、御霊の確率が3/11。他がそれぞれ1/11。
スピボであれば候補が11体で、モーロイ・デオヘンがそれぞれ3/15(約分で1/5)。他がそれぞれ1/15となります。
ミミックのオーブはゲーム上証拠ではなく特性という扱いですが、必ず出すという性質から実質証拠として考えると、オーブが出た際にミミックである確率は3/11。他候補が1/11です。
ちなみにEMF5、ゴーストライティングは優先証拠のゴーストがいないため完全に等確率です。
つっても確率でゴースト選ぶわけじゃないし
結局特定はするんやから調査にどう活かすのよ、って話なんですけど
ナイトメア・インサニ経験者だとよくわかってくれると思うんですけど、Phasmophobiaって経験積んでくると証拠だけじゃなくて干渉の種類とか頻度とかを総合してなんとなーく「シェード臭くねぇか?」とか「鬼っぽいな」とか「セーイかもしれん」とかを雰囲気で感じることがありますよね。
ゴーストの特定過程で特定の干渉があるかないかみたいな、ゼロ100・白黒だけではなくて、候補ゴーストごとの「濃度(と個人的に呼んでる)」みたいなものを無意識に判断しながらやってると思ってるんですけど
それを元に効率的な特定ができたり、逆に先入観になっちゃって特定を阻害したり、みたいなことが起きるのがめっちゃ楽しい、的なところがあるんですよね。
特に、今までこの「濃度」(容疑度とか言ってもいいですけど)をあまり意識していなかった調査員の方がいらっしゃるなら、ぜひこれを意識して調査してみてもらいたいなーと思います。
この記事によって、今まではただこんなふうに
のっぺり映るだけだったものが本当はこう
だったんじゃないかということで、皆さんの「濃度」の認識に一石を投じ、今後の調査の手がかりにしてもらったり、機械的ではない生々しい調査の一助になることができたらとっても嬉しいです。
ゴーストの特徴や特定の簡単なコツなど、スプレッドシートにまとめています。↓
練習動画撮ってます。生配信はじめました。↓
この記事を書く前に配信でチラッと言ってたところ